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上川陽子のたくましさと、死

自由民主党副総裁、すなわち副総理の麻生太郎(政治家は敬称略させていただく)が先月の講演で、外務大臣上川陽子の能力を評価しつつ「そんなに美しい方とは言わんけれど」「おばさん」などと揶揄した。さらに名前を数回間違えたそうだ。

麻生太郎に対する批判はもちろんのこと、まっとうな反論をせずに男社会を乗り切ろうとする古き悪き女性像を披露した上川陽子に対する批判が起こるのは、当然と言えば当然。

その批判に対する反論には、「『おじさん』は言っていいのか?」やら「悪く言われた上川陽子を批判するな」やら「女性初の総理のイスが見えて上手に乗り切ろうとしているだけ」やらがあった。
さらに反論に対する反論もあり、まあ色々意見があってよろしいんじゃないか、と。


そんな批判や、反論、反論に対する反論を踏まえた上で、ふと思ったことがある。まずは上川のここ最近の経歴、というかムーブを以下に記してみよう。

上川陽子は故安倍晋三元内閣総理大臣から法務大臣に任命され、麻原彰晃こと松本智津夫をはじめとするオウム真理教の死刑囚たちの刑を執行した。
オウム真理教に関して知らない方は下のnote記事を参考にしていただきたいが、読み飛ばしていただいても構わない。

上川陽子は死刑を執行したことによって365日24時間、護衛が付くことになったそうだ。
その後、上川を任命した安倍晋三はテロによって射殺される。

さらに上川は岸田文雄現内閣総理大臣(2024年2月時点)から外務大臣に任命される。
岸田は安倍同様テロによって爆殺されそうになるも、無傷で済んだ。
その後、上川はウクライナに赴き大統領ゼレンスキーと会談、そして折からの空襲警報によって地下シェルターで共同発表をすることになった。

ご覧のように、上川の周囲には「死」がつきまとっている。上川はその華やかな学歴、経歴とは裏腹に、どす黒い命のやり取りを横目で、あるいは正面で見ている。
名探偵コナンぐらい、上川には「死」が付きまとっている。

そんな上川が、「そんなに美しい方とは言わんけれど」だの「おばさん」だの、挙句は名前を間違えられたとて、歯牙にもかけないのではないだろうか? 彼女にとってはどうでもいいことなのではないか? 辻元清美や蓮舫ら野党議員から突っ込まれても、「私、そんな場所にいないんですけど、何か?」程度のことではないのだろうか?
確かに、麻生太郎にはしっかりと反論するべきだったし、麻生に向けられた批判の数々は首肯できるものばかりだ。現に、麻生は発言を取り消した。
でもやっぱり上川は、自分を含めた周囲の、そして国民の「命のやり取り」の当事者であるわけで、年齢や外見に対する揶揄に時間をかけている暇なんてないのではないか。

こんなことを徒然なるままに書き連ねていると、はてさて、もはや男女平等とかジェンダーギャップとか、男とか女とか、そもそも性別とか、いとも簡単に飛び越えている女性が今まさに現役で大活躍しているのではないかと思えてくる。


こう書くと自民党支持、岸田内閣支持に見えるかもしれない。
しかーし、私は選挙に行かないのであーる。どこの政党にも投票しないのであーる。それはNHKのせいで……おっと、この件に関しては後々noteに書こう。