同級生の死
うーん……同級生が死に始めている。着実に死に始めている。んまあ、在学中に亡くなった子も何人かいるんだけど。
しかし、まだそんな年齢でもない気がしないでもない気がしないでもない気がしないでもない気がする。ない気が……
NIKE。
『バックトゥザ・フューチャー』で主人公マーティが過去に行くと、「ニーケ」と読まれるNIKE。
んなこたぁどうでもいい。タモリっぽく。むしろコージー冨田っぽく。
『バックトゥザ・フューチャー』をはじめとして、「過去を変える系=現在・未来を変える系」映画があまり好きではない。だって、過去に行って未来を変えることはできないから。
だからこそ今を変えるんだ! 今を変えれば未来は変わるんだ! なんて暑苦しいことは決して言わないのであーる。
そ! し! て!
不幸な未来が見えたのに今を変えない物語がある。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『メッセージ』(日本公開2017年)だ。
ハッピーターンに似ていると言われたあの『メッセージ』だ。
言語学者の主人公には子供がいない。しかし出産すれば、必ず、絶対、その子は病で死ぬということが分かる。分かるんだ。分かっちゃうんだ。彼女はそれでも産むんだ。変わらない未来を迎えるんだ。未来を受け入れるんだ。
『メッセージ』を見ると、当たり前のことなんだけど、現在はすぐに過去になり、未来もいずれ現在になって、そして過去になるということを思い知らされる。
今を大切にしなければ。と思いながらグウタラするの。
文:王ケイ