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『天使の翼』第10章~吟遊詩人デイテの冒険~

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繋ぎ屋、オーバーオーラーの紹介で、熱帯の惑星ラプラスの植民第一世代からの家系を誇る富農に紹介されたデイテとシャルル。富農を介してこの星のトップ官僚、植民惑星省ラプラス星庁長官フレ…
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2023年5月の記事一覧

『天使の翼』第10章(71)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 一同は、無言で傾聴していた。わたしは、シャルルがやりすぎやしないかと、ひやひやした。シ…

武田敦
1年前

『天使の翼』第10章(70)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 「他にはどんな条件があるの?滅びないための条件は?」  ローラが、甘えた声でシャルルに…

武田敦
1年前

『天使の翼』第10章(69)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 時として神の意図が人間に理解できないのは、その為かも知れない……  「なるほど」  と、…

武田敦
1年前

『天使の翼』第10章(68)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 「ご存知のように、進化とは、偶然の産物です。何らかの意図・計画に従って進化が進むわけで…

武田敦
1年前
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『天使の翼』第10章(67)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 「その通りです。しかし、こうも言える――」  シャルルの面目躍如!  「第一に、一つの宇…

武田敦
1年前

『天使の翼』第10章(66)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 「神の属性の最大のもの、少なくともその一つ、と言えば、『不死性』です――」  シャルル…

武田敦
1年前

『天使の翼』第10章(65)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 「この変転極まりない宇宙にあって、滅びることなく連綿と続いていく生命体があるとすれば、そのような生命体は、無数の関門を突破していかなくてはならず、そのような条件を満たす生命体こそは、唯一無二の存在である――というのが、この説の骨子だ」  このシャルルの博識に、一同は面食らった様子でいる……面食らった、と言っても、余りにペダンチックでよく内容が理解できない、というのではなく、逆に、シャルルの言葉の分かり易さに対してだ。ローラは、顔を赤くしていた。外見だけではない男性に対して、

『天使の翼』第10章(64)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 男性陣は、ローラの独壇場には慣れているのか、はたまた、呆れているのか、黙々と酒を酌み交…

武田敦
1年前

『天使の翼』第10章(63)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 いささかぎょっとしたものの、黙ってれば機転の利かない女と思われかねない、などと馬鹿げた…

武田敦
1年前

『天使の翼』第10章(62)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 でも、それよりも、宰相の葬儀がいよいよ執り行われる、という。確か帝国葬は、皇帝陛下の臨…

武田敦
1年前

『天使の翼』第10章(61)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 そして――  「こちらは――」  その人物は、ある意味わたしが一番注目した人物だ。サンス…

武田敦
1年前

『天使の翼』第10章(60)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 わたしは、ミラー氏に手招きされるまま、彼と長官、巨漢二人の間の狭い空間に席を占めた。ギ…

武田敦
1年前
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『天使の翼』第10章(59)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 この場を完全に仕切っている感のあるローラは、ひとしきり誰はばかるともない笑い声をあげた…

武田敦
1年前

『天使の翼』第10章(58)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 件の男性は、野太い抗議の声を上げていた。  「つまり、俺は、この部屋にいる男の中で一番下っ端って訳か?」  「そんなことは言ってないわ。そもそも、下っ端って言うけど、何を基準にしているの?社会的地位?」  「はっ?……」  男性は黙ってしまった。  「順番なんてどうでもいいの!男の価値は、ずばり知性よ……そして、キュートかどうか」  わたしは、勝手なこと言ってるわ、と思ったが、次の瞬間、あら、表現の仕方こそ違え、わたしの基準と妙に似通っている、と気付いた。  「――あっ、そ