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『天使の翼』第10章(68)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 「ご存知のように、進化とは、偶然の産物です。何らかの意図・計画に従って進化が進むわけではありません。その時々の状況いかんで、どっちにでも転んでいく。……核が分裂して、偶然、彗星の軌道がそれたりとか、食物事情が長期的に変化して、水中で餌を探さなくてはならなくなった陸生生物とか……。でも、人類は、自分で、自分を含めた周囲の環境を変えられるのです。……もしかしたら、人間の自我・思念といったものを、目に見えず実体もないけれども、それ自体構造を持った、文字通り魂のようなものに移動させる装置が作られるかもしれない。そうすれば、一夜にして、この肉体を捨て、思考そのものとして、永遠に生きられるかも知れない」
 わたしには想像もつかない話だが、肉体を失うなんて、毎日がとても味気なくなるのでは?……ひょっとして、肉体を失った瞬間に、ものの考え方自体、全く違った価値観に依拠するようになってしまわないだろうか?

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