『天使の翼』第10章(67)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
「その通りです。しかし、こうも言える――」
シャルルの面目躍如!
「第一に、一つの宇宙に一つの神が存在するとすれば、我々人類は、いつか遠い未来、別の宇宙を創造して、そこに君臨することになるかも知れない。宇宙を統べる統一理論を発見して、それを力として行使するのです」
「やれやれ!」
思わぬ会話の流れに、フランク長官が肩をすくめて見せた。
「一つの宇宙から別の宇宙への密輸なんてことは、さすがの俺も思い付かなかったな」
何とか笑いを取ろうと、ウィル・ミラーが口を挟んだ。
シャルルは、かまわず続ける。
「第二に、人類が神になるなんてあり得ないとお思いでしょうが、そう思う人には、今の人類が、唯一進化論の呪縛から、限定付きですが、解き放たれた生命体だ、という事を指摘したい」
「えっ?どういうこと?」
いまや全く形勢逆転して、ローラは、必死にシャルルの話についていこうとしていた。
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