Atsuko Sugawara

菅原亜都子

Atsuko Sugawara

菅原亜都子

マガジン

  • 「ジェンダーとか面倒だけど、理解あると思われたい」あなたへ

    牛丼チェーン役員の「生娘がシャブ漬けに」発言や、JOC会長の「女性がたくさん入った会議は時間がかかる」発言など…。 ジェンダーに関連した一言が、責任ある立場の辞任や、謝罪など、実質的な大きな影響を及ぼすケースを私たちはたくさん見るようになりました。 数々起こるジェンダー炎上事案について、皆さんは正直どのように感じていますか? 「どこまで言っても問題ないの?」 「そもそも、気にし過ぎなんじゃないの?」 最近、こんな相談をお受けします。 「ジェンダーとか正直面倒くさい…、でも、社内の若い社員とか娘とかには理解があるって思われたいんだよね」と。 そんなふうに感じている皆さんのために、ジェンダー炎上に関する発言をできるだけわかりやすく解説したいと思います。 多様な考えがありますが、一つの見方として、ぜひお読みください。 そして、一緒に学んでいきましょう。

最近の記事

甘いパンとしょっぱいパン

私がFacebookなどのSNSでお友達になっている方々のなかには、ジェンダーの問題にすごく詳しい方もいれば、これから勉強したいという方もいれば、ジェンダーにはまったく関心がなく別の点で私とつながったという方など、いろんな方々がいらっしゃいます。 なので、私の投稿へのコメントを見て、ざわざわ感じたり、不安になったり、怒りがこみあげてくる人もいます。 特に、ジェンダーのことを学ばれている方、マイノリティ性をもって活動している方などにとっては、ジェンダーについてこれまで気にし

    • 過去の性行動でハラハラしている方へ

      ここ数年、俳優やタレント、芸人の方々の、現在及び過去のセクシュアル・ハラスメントや性暴力が、遅れてやってきた#MeTooのように、告発され、問題になるケースが増えていますよね。 そして、最近は芸能人のような私たちからはちょっと遠い距離のある人だけではなく、地域で講師や公職をしている方々の性暴力も明るみになることがあって、私の周りでも「まさか、あの人が…」という話題が現実になっています。 それらの報道やSNSでの拡散の状況をみて、「自分もやばいかも」「自分も同じようなことをし

      • ”ジェンダー・ブラインド”

        ”カラー・ブラインド”という言葉があります。 肌の色、つまり人種の違いによる差別や格差が社会に確かに現存しているのに、それがあたかも存在しないような、もしくは既に解決されたかのような考え方や表現のことを指します。 私は、「ジェンダー・ブラインドみたいだな」と感じる光景に、よく遭遇します。 ”ジェンダー・ブラインド”という言葉があるのかわからなかったけれど、インターネットで検索してみると、まだまだ広がってはいませんが、やっぱり存在しているようでした。 例えば、こんな言葉。 ・

        • これは私たち大人のせいージェンダーギャップ指数125位の国で。

          今日、高校生に「今日、ジェンダーギャップ指数が発表されて、日本は146か国中125位だった」とお伝えした瞬間、高校生たちの表情が険しくなり、「えー」という呻きみたいな声が上がりました。 「これは私たち大人のせいなんです。ホントに申し訳ありません」と謝りました。 女性版骨太の方針が話題に上がったり、「ジェンダー」という言葉が市民権を得たり…、日本においても少しずつ女性活躍とかジェンダー平等の取組が進みだしているように思われるかもしれません。 けれど、他の国はもっと焦っても

        甘いパンとしょっぱいパン

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        • 「ジェンダーとか面倒だけど、理解あると思われたい」あなたへ
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        記事

          Facebook(5月4日の投稿)を見てくださった皆様へ

          ※こちらの文章は、友達限定公開のFBの投稿についての説明ですので、一部の方へのメッセージになります。公開しているのに、すみません。 こちらの投稿、すごくリアクションが多くて、びっくりしています。コメントもですが、メッセージもたくさんの方からいただきました。 まず一番感謝したいことは、こういった炎上しやすい、意見が分かれやすいテーマに対して、勇気を持って(もしくは勇気なんていらないで無邪気に?)コメントを投稿してくださった方々に心から感謝したいです。 この投稿に限らずです

          Facebook(5月4日の投稿)を見てくださった皆様へ

          マイクロ・アグレッションに対して、なぜ「何もしない」というアクションをとるのか

          今回は、『日常生活に埋め込まれたマイクロ・アグレッション』からの引用になります。 これ、色々な場面でサッと出す必要があるので、ここでまとめておこうと思ったのです。必要になったら、このリンクをサッと出そうと思います。 1.原因に関する曖昧さーマイクロ・アグレッションが起きたのかどうか断定できない 攻撃者の行動の真意と意味を解釈しようとして、心理的エネルギーを使い果たしてしまう。マイノリティの多くは、これまでも同様の経験をしたことがあり、それに照らして判断するのである。 2.

          マイクロ・アグレッションに対して、なぜ「何もしない」というアクションをとるのか

          ”正しい”ことは私たちにとって制約なのか、それとも生活や仕事、選択の質を高めるのか

          先週の、G7/アースデイ市民オープンフォーラムというイベントに参加して、すっかり環境の分野への関心が高まっています。 文系の自分にとって、環境分野という理系で対自然の分野はなかなか関われていなかったのですが(自分の所属する課に環境プラザがあっても、SDGsのさまざまな取り組みで環境のみなさんとご一緒することがあってもです)、オープンフォーラムで、環境分野をジェンダーや社会の視点で見つめ直すことができたこと、環境分野の中にもさまざまな人やセクター、地域での対立があり、コミュニ

          ”正しい”ことは私たちにとって制約なのか、それとも生活や仕事、選択の質を高めるのか

          【備忘録】Facebookで、みんなが見ている中でケンカしたやりとりの記録

          注)この記事には、性的マイノリティに対する差別的な表現があります。 前回の投稿「ジェンダーを話すとき、私は優し過ぎるのではないか」 こちらを書き始めた翌日、私は、初めて、SNS上で人と口論になりました。 その時の、やり取りの経緯と、私自身の心の動きを記録しておきたいと思います。 きっかけは、私がFacebookの投稿でした。 その日は、首相秘書官が性的マイノリティに関して差別的な発言を行い、あっというまに更迭が決まる、という出来事がありました。 このことに関して、FB

          【備忘録】Facebookで、みんなが見ている中でケンカしたやりとりの記録

          ジェンダーを話すとき、私は優し過ぎるのではないか

          普段、ジェンダーについて、マジョリティ/マイノリティについて、講演やセミナー、授業などでお話させていただいたり、個別にご相談やご質問をいただいてお伝えさせていただいたりすることが仕事なんですが。 最近感じていることー「私は優し過ぎるのではないか」ということ。 なぜ、優しくしてしまうのか 一言でいうと、「聴く耳をもってもらうため」です。 ジェンダーについて共感や関心を寄せている人もたくさんいる一方で、 「失言したら怒られそう」 「誰かを傷つけたらイヤだからあまりジェンダーに

          ジェンダーを話すとき、私は優し過ぎるのではないか

          「ジェンダーとか正直面倒だけど、理解あると思われたい」と言うあなたへ

          最近、こんな相談をよく受けるのです。 「ジェンダーって、正直面倒くさいし、うるさく言われるとうざいと思う。 だけど、職場の若い後輩たちや女性社員、娘とかには理解あると思われたい」と。 毎日のように、ジェンダー炎上案件が生まれ、中には何が問題なのかわかりにくいものや、言論統制のように感じられるものもあるでしょう。 それでも、私は思います。 「ジェンダーは学んだ方がいい。そして、ジェンダーに配慮した言動をできるように準備をした方がいい」と。 どうして、そう考えるかをお伝えした

          「ジェンダーとか正直面倒だけど、理解あると思われたい」と言うあなたへ

          誰かに好意を伝える時は

          一般的にー。 一般的には、誰かを好きになること、恋愛感情を持つこと、は素敵なことだと思われているでしょう。 けれど、大人になると、年齢を重ねてくると、職業や仕事上の立場が上がってくると、…誰かを好きになる、ということはあまり単純に素敵なことだと言えなくなってくるような気がしています。 特に、誰かを好きになって、それを相手に伝えよう、という時には配慮やマナーに相当気をつけるべきだと思います。 職場や仕事関係の相手に好意を持ったとき。 もちろん職場恋愛というのもたくさんありま

          誰かに好意を伝える時は

          苦手な質問

          講演などにお邪魔したあとの質疑応答の時間で、ちょっと苦手に感じるケースがこれまでありました。 それを解決するヒントをもらえたので、同じように感じている方がいたら、参考になるかなーと思い、投稿します。 ■質問じゃない質問 質疑応答ときに、参加者の方々からいただく質問って、2種類あると感じてました。 ①本当にわからなくって質問する場合、菅原の意見を聴きたい場合 ②自分の意見を言いたくって、それを話す前振りとしての質問。時に、相手が知っているのか理解しているのかを試す質問

          苦手な質問