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苦手な質問

講演などにお邪魔したあとの質疑応答の時間で、ちょっと苦手に感じるケースがこれまでありました。

それを解決するヒントをもらえたので、同じように感じている方がいたら、参考になるかなーと思い、投稿します。

■質問じゃない質問

質疑応答ときに、参加者の方々からいただく質問って、2種類あると感じてました。

①本当にわからなくって質問する場合、菅原の意見を聴きたい場合

②自分の意見を言いたくって、それを話す前振りとしての質問。時に、相手が知っているのか理解しているのかを試す質問。

①も②もとてもありがたい質問なのですが、②のときに少し身構えてしまうことがあります。

たとえば、「どうして、女性リーダーが増えないか、その本当の理由って知ってますか?」みたいな感じで、②の質問は現れます。

だいたい、すごく本質的な質問だったり(そもそも「支援する」ってどういうことだと考えてますか?とか)、「…って知ってますか?」みたいに聞かれると、「ああ、この方は、未知の情報や私の意見が聴きたいんじゃなくって、自分の意見を言うための導入としてただ私に振っているだけなんだな、なになに?どういう話の流れになるの??」と思って、その質問に対し全力で答えようという気持ちが、自分のなかで弱まってしまうんですよね。。

■なぜ、そんなふうに感じてしまうか

なぜ、そんなふうに思ってしまうかというと、小学校に入ったときに、先生が授業中にしてくる問いがすごくイヤだったという経験が大きかったんだと思います。

それまで、質問というのは①しか知らなかったんですね。

それなのに、小学校の授業では、先生が質問してくるからそれに対して一生懸命答えると、「正解です」とか「間違ってます」とか言われて、「正解知ってるんだったら、聴くなよ」と子ども心に思ったんですよね。

だから、答えを知っている人から質問されるときに、試されていると思ってしまうんですよね。

プラス、大人になってからも、マウントする人/される人の経験などを見聞きして、「知ってる人/知らない人」のあいだの力関係に敏感になるようになりました。そのこと自体は、自分自身を守ったり、相手を傷つけないために大切なことだと思っています。

昨年度、仕事でご一緒いた京都大学博物館の塩瀬隆之先生は、①(知らない人が知っている人に聴く)を「質問」、②(知っている人が知らない人に聴く)を「発問」と定義されていて、すごくすっきりしました。ちなみに、③知らない人が知らない人に聴くことをは「問い」だそうです。

■自分の意見表明と併せて質問するときの、質問の仕方

上記のように感じる経験をしているからこそ、自分が質問するときも少し注意するようにします。

自分の意見、考え方に触れるような話題を講師の方が講演のなかで話していて、それについてもっと聴きたい、ということが私ももちろんあります。なので、その場合はこうやって聞くようにしています。

「どうして、女性リーダーが増えないと思いますか? というのも、私は以前から~~と考えていて、今日のお話を聴いて・・・とおっしゃっていたので、ーーと思ったのでお聴きしました」

というふうに、最初に質問をして、その後すぐに「というのも、~」と経緯を説明するようにしています。

■質問を受けたときの対応

知り合いと話していて、なんとなくそんな話題になったときにいい対応方法を教えてもらいました。

そういう質問をされた場合は、「きちんとお答えしたいので、いまのご質問をした経緯、想いみたいなのを、もう少し詳しくお聴きできますか?」と言えばいい、と教えてもらったんです。

めちゃくちゃいい方法だと思いました。

「というのも~」という部分を聞き出せばいいんですよね。

私は、小学校に入ったときの違和感から、なんとなく②にいいイメージがなくって防御しようとしていたのですが、ほとんどの場合は何も悪気はないんですよね。だから、②のような質問を受けた場合は、自分から聞き出せばいいんですよね。

めちゃくちゃシンプルな話でした。

そもそも私が話す内容って、ジェンダーとかダイバーシティの話だから、正解がない話(いつもそうお伝えしているはずなのに…)。そういう意味ではすべて問いなんですよね。そう考えると、少し気持ちが楽になります。

ちなみにその知り合いは、英語でコミュニケーションを取ることが多い仕事で、(特に大人になってから)すごく英語を勉強している人。

その人曰く「英語を習うと、語学というよりも、コミュニケーションの仕方が勉強になる」とのこと。

なんとなく相槌を打っていたら「あなたの意見は?」と聴かれたり、経緯を説明せずに質問をすると説明を求められたりして、総じて「とても優しさを感じる」だそう。

もちろんぼやかした表現に優しさを感じる場合もあるだろうし一概には言えないけれど、他の言語を習うことがコミュニケーションを学ぶことになる、というのは考えたことがありませんでした。

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