明日ノしん太|毎日更新

アスノシンタ。憂鬱なすっぽん。エッセイ。

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最近の記事

【エッセイ】幸せを願う事

誰かの幸せを願うということはとても難しい。 それが大切に思っている人であればあるほどならなおさら難しい。 ちょっと遠くから「幸せになってくれたらいいな」くらいの人だったらそこまで難しくはないのかもしれない。 でもそれが最愛の人となると途端に難しくなる。 僕は自分自身にまったく自信を持っていない。 うつ病で実家暮らしで定職なしの35歳男。 おまけに最近は肥満化が進み、白髪の本数も増えてきた。 収入は自分でやれる範囲で手にしている、確定申告で全額還付されるようなわずかなお金だけ

    • 【エッセイ】うつ病患者が物語で感動できない理由

      うつ病になってからどんな物語を見ても心があまり動かない。 映画や漫画、小説を見てもそこまで感動をすることがなくなってしまった。 楽しくないわけじゃないが、感情移入が全くできないのだ。 元々僕は好きな作品は何回見ても楽しめるし、泣ける作品は何回見ても泣けるタイプだった。 映画なら「ミスト」で何度でも泣けたし、「最強のふたり」ではゲラゲラと笑った。 小説なら「楢山節考」で胸を苦しくし、「虐殺器官」では何度も感動できた。 漫画なら「スラムダンク」で心をアツくしたし、「鋼の錬金術

      • 【エッセイ】うつ病の気力ゼロ問題

        うつ病の困った性質に「気力が湧かない」というものがる。 MAXで絶不調な時は無気力すぎて、やらなければいけないことだけではなく、映画を見たり漫画を読んだり音楽を聞いたりと言った趣味さえできない。(正確には趣味が先にできなくなる) けだるさが常に頭を支配しており、健常なときのように「やる気でないな~……。よっしゃ!一発気合を入れて取り組むぞ!セイッ!」みたいなノリでは突破できない最難関の壁とも言っていいかもしれない。 そのせいで自分自身を「サボってる駄目な人間」だと思ってい

        • 【エッセイ】自分の名前をググる

          自分の名前をググったことはあるだろうか。 僕は定期的というわけではないが、ふと思いつくとつい自分の名前をググってしまう。 別に著名な人間でもないし、実績を残したこともなく、本名でSNSは登録していないため、出てくる情報はほとんどない。 おおよそ出てくるのは大学時代に書いた共同論文(ほぼ何もしていない)の表彰くらいだった。 会社員時代は会社のHPの社員紹介で出てきていたのだが、退職してすぐに消えた。 そりゃ残しておいたら問題なわけで消すのが当たり前なのだが、なんとなく社会から

        【エッセイ】幸せを願う事

          【エッセイ】祭りのあとの静けさ

          先日、久しぶりに地元のお祭りに行ってきた。 コロナ禍による制限が解除され、かつての賑わいを取り戻した祭り。 ただよう屋台の食べ物の香りでお腹がすいてくる。 アオハルを感じさせるような男女の高校生のやり取り。 小さな子どもを連れた親子の穏やかな表情。 何を食べたわけでもなかったが、祭り会場の雰囲気を感じ、空気を数だけで楽しくなってくる。 人ごみで満足に歩くことも難しいほど盛況だったが、そんな不便さも含めて祭りなんだという事を実感していた。 久しぶりのお祭りは純粋に楽しめた。

          【エッセイ】祭りのあとの静けさ

          【エッセイ】ルーティンと神の話

          僕は一人でカラオケに行くと、必ず終盤に歌う曲がある。 バンプオブチキンの「ロストマン」という曲だ。 とは言っても、この曲が十八番(おはこ)というわけではなく、なんなら終盤のため声が出なく音程がガタガタであることも少なくない。 では、なぜそれでも歌うのかというと、好きな曲だという事以外の理由は思い浮かばない。 いわゆるルーティンのようものなのだと思う。 ルーティンと言えば、他にバスケのフリースローを打つ前にも行う。 必ず2回ボールをついて、1回手の中でボールを回してからシュ

          【エッセイ】ルーティンと神の話

          【エッセイ】裏切りと心の傷

          人に裏切られた経験はあるだろうか。 大小さまざまだろうが、きっと何かしらあるだろう。 月並みだが、僕は恋人に裏切られたことがある。 浮気をされてしまったのだ。 裏切られた経験とはなかなかに深い傷を心に作るものだと、そこで初めて知った。 あの時のことを少しだけ語りたいと思う。 あれは就活の最終面接前日のこと。 夜の23時くらいに当時の彼女(以降元カノ)から電話がかかってきた。 あまり元カノから電話がかかってくることはなく、珍しいなあ、なんて考えながら呑気に電話に出ていた。

          【エッセイ】裏切りと心の傷

          【エッセイ】「夢」ではない

          「大人になればなるほど小さくなるものな~んだ?」という問いに幼い少女が「……夢!」と言う動画がバズっていた。 純真そうな子どもによる皮肉の効いた発言は、思わず僕も笑ってしまう動画となっていた。 しかし、よくよく考えてみたら、その年齢から大人になると夢が小さくなると考えてしまう子どもに憂いを感じてしまう。 そう思いながら成長するなんて、少し寂しくないだろうか。 僕は幼稚園の頃、将来なりたいものを書く時間があり、そこで建築関係の父親から聞いて知っていた「せっけいず(設計図)」と

          【エッセイ】「夢」ではない

          【エッセイ】言葉の持つちから

          心に深く残る言葉とはどんなものだろうか。 嬉しい言葉? 悲しい言葉? 優しい言葉? 厳しい言葉? 人それぞれ心に残っている言葉は違うだろうが、僕の心に一番深く残っている言葉はなんだろうかと考えてみた。 そして思い至るのは、祖母が言った「しん太は言葉が優しい」という言葉だった。 祖母はすでに亡くなっているのだが、これが最後の言葉というわけではない。 なんなら僕が直接聞いた言葉でもない。 病院のお見舞いに行った母が帰ってくるなり「おばあちゃんがしん太は言葉が優しいって言って

          【エッセイ】言葉の持つちから

          【エッセイ】僕は忘れてしまうけど

          自分の記憶力に自信はあるだろうか。 僕は基本的に人の記憶や認識力に対して疑ってかかるタイプだ。 人間は都合のいいように記憶を改変するし、見たいものしか見ない。そういう生き物だと思っている。 もちろんそれは他人に対してだけではない。 自分自身にも疑ってかかってしまう。 例えば誰かとの会話で記憶違いがあると、「どっちも間違っている可能性がある」と自分の中では考えてしまう。 しかし相手はだいたい「自分が正しい」と思っているため、どうしても押し負けてしまうのだ。 いつも「自分の記憶

          【エッセイ】僕は忘れてしまうけど

          【エッセイ】もっと楽でいいんだよ

          うつ病になり薬を飲み始めてからかなり太った。 明らかに体型が変わって、昔来ていた服が入らない。 それもそのはず。うつ病にかかって2週間で8キロ痩せたのだが、そこから3年近くかけて20キロ近く太ってしまった。 新たに入る服を買ってくることになるのだが、それがXLとなる。 体型を戻そうと食事を変えたり、生活習慣を変えたりと対策をしてみるが、どうもストイックに絞ることができない。 はてさて、ストイックにできないのは病気のせいか、あるいは薬のせいか、それとも生来の怠け癖のせいか。

          【エッセイ】もっと楽でいいんだよ

          【エッセイ】見た目が悪い奴は中身も悪い奴

          人は見た目で判断できるだろうか。 自分の考えとして一番有力なのは「人は見た目だけではわからないものだけど、往々にして見た目とだいたい一緒」である。 怖い見た目をしている人はだいたい怖いし、優しい見た目の人はだいたい優しい。 厳しさを必要とする世界や場面が多い人は怖くなるだろうし、穏やかに過ごせる時間が長い人が優しそうになると考えたら、なんとなく納得できそうである。 それはそうとして、僕には理解しがたいことがある。 怖い見た目の人が優しさをちょっと見せると「この人は見た目

          【エッセイ】見た目が悪い奴は中身も悪い奴

          【エッセイ】同人界隈と生成AI

          僕は趣味の一環としてオリジナルの同人音声作品を制作している。 音声作品というのは、流行で言えば「ASMR」や「フォーリーサウンド」、「オホ声」などといった「ボイスドラマ」のようなものがあるが、ここではもっと広義に「音声で楽しむエンタメ作品」とさせていただこうと思う。 今回の本題は、僕の音声作品の内容ではなく同人活動全般の方となる。 生来のサボり癖のある僕なのだが、音声作品に関してはコンスタントに制作をして定期的に作品を発表している。 仕事のように強制力のあるものは除いて、

          【エッセイ】同人界隈と生成AI

          【エッセイ】席を譲る人、譲られる人

          あなたは電車などで人に席を譲ったことがあるだろうか。 あるいは譲られたことはあるだろうか。 世の中には老人や妊婦、障碍者の方など、席を必要とする人がたくさんいるが、僕は肉体的に健康な人は疲れていても率先してそういう方々に席を譲る世の中になってほしいと思っている。 たまに「老人扱いされるのがいや!」という話も聞く。そこがまたややこしいところであるが、ここで話したいのはその話ではない。 あれはもう10年以上前。 まだ僕が東京に住んでいた頃。 福島に住んでいた元カノが東京まで来

          【エッセイ】席を譲る人、譲られる人

          エッセイ「愚直に」

          僕は深く考えることが苦手だ。 熟考というものはあまりしない。 基本ありのままを受け入れるスタンスで生きている。 そんな僕だが幼少期はちょっと違ったように思う。 何かといろいろと考えこんでしまうタイプだった。 些細な一言を気にしたり、どうしようもないことをウダウダと考えて、誰も気にしないようなことを考えて泣いたりする、ちょっとセンチメンタルな少年だった。 今でも思い出すのは小学5年生の冬。 「今この瞬間はもう二度と訪れない」 という当たり前な事実に思い至った僕は、ベッドの中で

          【エッセイ】永遠のワナビ

          あなたは「黄泉のツガイ」という漫画を読んだことがあるだろうか? これは「荒川弘」先生の最新作で、1話目から物語に引き込んでくる超展開を見せる。 名作を予感させる作品となのでぜひ読んでみて欲しい。 オススメしたくなるほど面白い「黄泉のツガイ」だが、僕からするとやはり「荒川弘」先生と言えば「鋼の錬金術師」だ。 この作品は「人生面白かった漫画TOP10」の中でも上位に食い込むほどドはまりした漫画である。 そして僕をオタクの世界に引きずり込んだ作品だ。 きっかけは中学生の頃、クラ

          【エッセイ】永遠のワナビ