私のこと
転勤族の父にともない、学校を3年おきほどで転校してきた。
小学4年の時に小さな街のとても古い小学校に転校し、ひと月ほどしてひどいいじめにあった。
父は40代初めで異例の出世をし、その会社の管理職になっている。
部下の中には、父より年上の人もかなりいた。
小さな街だけに、父と同じ会社に勤める親を持つ子どもたちがその学校に多く集まっていた。
年上の部下にとって、管理職である父の家庭は疎ましかったと思う。
クラスの女子は、離れたところからいつもコソコソとこちらを向いて笑っていた。
その学校はとても古かったため、冬は教室の前にある石炭ストーブに皆が集まり暖をとっていた。
いつも通り休み時間にストーブのそばで暖まっていたとき、頭部にものすごい衝撃を感じた。
石炭を混ぜる鉄の棒で、頭部を思い切り殴られたのだ。
あまりの衝撃にめまいがし、しゃがんでしばらく動けなかった。
後ろを振り向くと、同じクラスの男子が鉄の棒を持って立っていた。
父と同じ職場で働く家の子だった。
殺されると思った。
周囲からクスクスという笑い声が聞こえた。
何が起こって、どうしたらいいのか分からなかった。
その日は頭痛と吐き気がひどくて早めに布団に入った。
よく命を落とさず、後遺症も起こさなかったと思う。
翌日も頭痛が治らず、学校を休んだ記憶がある。
あとから思うと、すぐに親に話せばよかったと後悔している。
いじめを受けている自分が惨めで、カッコ悪く思われて。
心配をかけたくなくて、親や兄弟姉妹にも話すことができなかった。
いじめは犯罪である。
見て見ぬふりをする人たちもまた、同罪だ。
今もいじめという名の暴力、犯罪は起きている。
昔より陰湿であり、周囲から見えないところで起きている。
学校には、問題行動を抱え込む体質を改善してほしい。
これ以上教員の仕事を増やさず、外部に任せる体制を整備してほしい。
生徒の問題行動については、アメリカのようにスクールポリスやスクールロイヤーと速やかに連携をとる仕組みをつくってほしい。
学校で起こるいじめや保護者とのトラブルなどは法的に解決する弁護士と連携をとり、 問題が起きたとき弁護士が派遣される制度をつくることだ。
欧米に比べ日本は様々な制度が遅れ、その被害を被るのはいつも子ども達なのだ。
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