SS集

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バース・デイ

#魔女集会にて団欒を

魔女……ジェス ???歳
光属性の魔女。レモンフィズ色の髪色に薄い桃色の目をしている。
サフールの助けを呼ぶ声につられてあらわれ、彼の思いに魔女としてこたえた。それからはサフールと共に生活している。
しかし、魔女狩りがはじまり、珍しい髪色と目をしているためにジェスも疑われてしまった。

拾われた子……サフール 7歳→24歳
ジェスのことを姉さんと呼び、恋愛感情を抱いている。

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ヒーローの話

診断メーカーの「兄×妹(男の娘)」の短編です。
暇つぶしにでもどうぞ。

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 昼下がり、もっと具体的にいえば太陽の光が暑すぎて逃げるようにカフェの中へと入ったわりとあたたかい午後。牧田要(まきたかなめ)はかばんから文庫本を取り出すと、アイスコーヒーが入ったグラスを少し横にずらし読書をする体勢へとなった。

が、本を開くと同時に向かいに女性が座る。気づいた要は顔を上げ一瞬眉間に

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第85回フリーワンライ 消しゴムじゃ消せない

#深夜の真剣文字書き60分一本勝負

お題:消しゴムじゃ消せない

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風に揺られる前髪を見上げ、そっと手でおさえる。
しかし手を離せば、また前髪は舞い上がる。
風の入り口となる窓が目の前にあるのだから、当たり前のことだ。

私は窓を閉めたくはないのだけれど、同乗者が寒そうに顔をしかめるものだから、仕方なしに窓を閉めた。

「そんなに寒い?」

私の問いに彼は首を

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過呼吸は君のキスで(フリーワンライ)

#深夜の真剣文字書き60分一本勝負
テーマ:過呼吸は君のキスで

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初恋はかなわない、という。しかし、それが本当かどうかは誰も知らないはずだ。もちろん、わたしも。

「新しいリップクリーム?」

前の席に座る乙葉がパックジュースを机の上に置きながらわたしにそう尋ねた。

昨日買ったばかりのリップクリーム。まだ高校生だから化粧はしなくていい、といわれるけれど何もしないのはなんとなく味気ない気

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古本屋で雨宿りを

#深夜の真剣文字書き60分一本勝負
お題:雨宿り

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 春が過ぎ、夏にさしかかる前。梅雨、というのが浅香は苦手だった。雨の匂いは好きだが、実際に降られると足は濡れる、かばんは濡れる、プリントなんかを入れようものなら無残な形になる。

「雨の日は閉じこもるに限る!」

浅香は窓の外を一瞥した後、カーテンを勢い良く閉めた。今日は休日だが、両親はでかけており、部屋の中には彼女だ

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第52回フリーワンライ ひとりでいる理由

伸ばした手
偶然、3回続けば必然
#深夜の真剣文字書き60分一本勝負

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僕は、いつからか一人だった。
いや、最初から一人だった。

記憶というものは本当に不思議で、
覚えているはずのことを忘れていたり、
忘れたとばかり思っていたことを覚えていたり――忘れたいと思っていることをずっと覚えていたりする。

だから、君が僕に笑ってくれた時、体の中で何かが音を立てた。

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好みのタイプ

小説お題:僕のこと、好きでしょ?

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自信さえあれば、もっとむねをはって生きていけるのだろう。でも、私にはそんな自信などない。

いつも、自分のしたこと、言ったことを一日の終わりに振り返っては後悔して自己嫌悪に陥る。

寝て忘れられるようなおおざっぱさがあれば、まだ良かったのかもしれない。残念ながら、私はどちらかといえば几帳面すぎて、益々気にしてしまうたちだった。

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新しい世界への通り道

小説お題:扉の向こうは別世界

不思議の国のアリス、といえば、だいたいの人は「うさぎをおいかける女の子の話」を思い浮かべるだろう。

もちろん、それは何も間違っていなくて、正解だ。

だが、不思議の国のアリスには続きがある。
「鏡の国のアリス」だ。

さて、「鏡の国のアリス」を知っているという人は、「不思議の国のアリス」を知っているという人に比べてどの程度の人数か、知っているかい?

「――ってい

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月夜の下で

お題:月明かり、星の向こう側

――夜、真っ暗闇の中に光があるとするなら、それはお月様のあかり。

「今日も月を見てるの?」
「うん、今日は満月なんだ」

ヒナタは窓辺に座るカゲロウに近付き、彼の隣に座る。

名前に“カゲ”という字が入っているからなのかは分からないが、彼はいつも黒い服装をしている。

月の光が、2人をぼんやりと照らす。

「月を見て、何を考えてるの?」
「何も。ただ、夜だなあって

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