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臨床心理士&公認心理師として

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精神疾患やパーソナリティー障害を専門にする臨床心理士/公認心理師です。60回以上の講師経験があります。
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#臨床心理士

「精神的健康」とは

「精神的健康」とは

お久しぶりです。荒井です。

メンタルヘルスの目指すべきところについて何年もずっと考えてきたのですが、これもやはり「これだ!」と思った瞬間に違うものになる質のもので、なかなか掴みきれません。

それでも、大切なヒントは周囲の人からもらっていて、今回はあえてそれをまとめず箇条書きで書き出してみます。

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”自分語り”の本質

”自分語り”の本質

臨床心理士の荒井です。いつもご購読をありがとうございます。

さて、「私は○○だから」「この間もこんなことがあって…」というコミュニケーションの多い方がいます。ちょっと失礼なのですが、そんな時に私は、話の内容よりも<なぜ、この人は今私にこの話がしたいのだろう>ということに関心が向きます。一般的に、これらのような”自分語り”は、上手いコミュニケーションとは言われませんよね。おそらく相手の方も知識とし

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心理カウンセリングを活かすために

心理カウンセリングを活かすために

こんにちは。臨床心理士の荒井です。いつもご購読をありがとうございます。

今回は「心理カウンセリングを活かすために」というテーマでお話しさせていただきます。私は現在、臨床心理士として心理カウンセリングの業務を行っておりますが、その経験の中でクライエントさん(心理カウンセリングを受ける方)側にもできるだけ持っておいてほしい「姿勢」があることに気づきました。「持っておいてほしい」とは、その方がより良い

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自分を知る―3タイプの欲求を指針に―

自分を知る―3タイプの欲求を指針に―

こんにちは。臨床心理士の荒井です。いつも応援をありがとうございます。

今回は「自分を知る」ことの大切さについてお話させていただきます。途中で”パーソナリティ”という言葉が出てきますが、パーソナリティとは「人格≒性格」を意味する英語です。

私たち対人援助を専門とする職業に就く人、特に臨床心理士のトレーニングの大部分は、自らと向き合うことに置かれます。

「対人援助なのだから、自分ではなく他者を考

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対人不信との闘い①

対人不信との闘い①

他人不信。

私が1年前(2018年2月)から現在まで、いや、おそらく一生をかけて自身に問いかけていくであろうテーマです。

最初に定義すると、「対人」の指すものは「自分と他者」です。
つまり、私がこれから使う対人不信という言葉には、自己不信と他者不信が含まれます。

「私は自分のことは信じていないけれど、人のことは信じているな。だから半分当てはまるな。」と思われた方もいるでしょう。

しかし実は

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感情をコントロールするには

感情をコントロールするには

荒井です。

少し間が空いてしまいましたが、今回は感情のコントロールについて触れたいと思います。

まず初めに、私は臨床心理士・公認心理師ですが、感情のコントロールが苦手でした。

今回は私の例を使いながらお伝えします。

私のこと(他人事)と自分のこと(自分事)を行き来するようなイメージで読んでいただければ幸いです。

他人事は理解のために、自分事は行動変容のためにです。

過去の私最近の私を知

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自己紹介 (2019.12.13更新)

自己紹介 (2019.12.13更新)

今更ですが、自己紹介を。

荒井 陵(あらい りょう)

臨床心理士/公認心理師/認定心理士/修士(心理学)/柔道初段/乙種第4類危険物取扱者

1982年、千葉県生まれ
2012年、障がい者支援団体「NPO法人あすぴれんと」設立(理事長)
2018年、「福祉でエンタメしよう!」をスローガンにする団体「一般社団法人臨床心理福祉協会CPWAA」設立(理事長)

元千葉県臨床心理士会代議員(第3期)

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『"過去・現在・未来"の自分を考える』

『"過去・現在・未来"の自分を考える』

(9年前に書いたコラムです。)

人は、過去の自分を羨んで、現在・未来を絶望しがちだと思います。

「学生時代は楽しかったな」

「若い頃は肌がきれいだったのに」

『あの頃に戻りたい…』

でも実際は、過去は過去なりに悩み、苦しみ、もがいていたはずですよね。

しかしそれらは今考えると本当に「ちっぽけな悩み」なのです。

今のあなたは強くなり、過去に悩んだことくらいでは悩まない「力」を得たのかも

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臨床心理士の在り方を考える

臨床心理士の在り方を考える

2018年4月1日、NPO法人あすぴれんとで「臨床心理士×臨床心理士」というプログラムを行いました。 このプログラムは臨床心理士資格を持つスタッフが対談を行うというものです。
今回は理事長の荒井と、ちょうどこの日に臨床心理士となった副理事長の菊地が行った対談の一部をご紹介します。

臨床心理士としての抱負

荒井:じゃあ今日から臨床心理士になったうちの副理事長の菊地にですね、抱負を教えてもらおうか

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監視社会

TAKAみちのく選手、KAIENTAI DOJO退団。

特別好きな選手ではないのだが、やはり自分で作った団体を離れるということには立場上敏感になるし、センチメンタルな気持ちにもなる。

監視社会がどれほど人の人生を狂わせてしまうかという、私の専門に通じる部分も改めて考えさせられる。

ミスを許さない社会は、誰のためにもならない。
誰もがミスをするからだ。

ニュースサイトのコメント欄は、ミスをし

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「できることを夢にしなさい」

ある著名な方が、こんなことを言っている(要約)。

「才能のある人は色々なことができる。でも働き出せば、一つのことができていれば良い。つまり才能のある人もない人も、結局一つのできることにたどり着くのだから同じなんです」

「できることを夢にしなさい」

特別なことを言っているわけではないのに、ハッとさせられる言葉だった。

現在の社会は、常にオールラウンドが求められるように思う。オールラウンドでな

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