Asami

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記事一覧

花様年華THE NOTES⑬

ジョングク 22年5月22日 誰かに肩を揺すられて目を開けると 車窓いっぱいに海が広がっていた。 眠気が覚めていないせいか 海の風が冷たく感じられた。 僕は両腕を…

Asami
8か月前

花様年華THE NOTES⑫

ジミン 22年5月16日 ホソク兄さんの家は とても高い地帯にあった。 大通りからだいぶ上っていき 曲がりくねった狭い路地を過ぎると 行き止まりの道にたどり着く。 …

Asami
9か月前

花様年華THE NOTES⑪

ホソク 22年5月12日 非常口のドアを開け 階段を駆け下りた。 心臓が今にも張り裂けそうなほど ドキドキ鳴っていた。 病院の廊下で すれ違った顔は確かに母だった。 …

Asami
9か月前
2

花様年華THE NOTES⑩

ホソク 22年5月10日 ナルコレプシーは 場所を選ばなかった。 仕事をしている間に突然倒れたり 道を歩いている途中、一瞬にして 気を失ったりすることもあった。 心…

Asami
9か月前
1

花様年華THE NOTES⑨

ソクジン 22年5月2日 指がこわばっていくことに焦りを感じ 拳をぎゅっと握っては開いた。 ひよっとして失敗しないだろうか。 何度も繰り返したことだが、毎回怖かった…

Asami
10か月前
1

花様年華THE NOTES⑧

ホソク 22年3月2日 僕は人に囲まれているのが好きだった。 養護施設から独立したのに伴い ツースターバーガーで アルバイトを始めた。 大勢の人 に接し いつも笑顔で…

Asami
10か月前
3

花様年華THE NOTES⑦

ナムジュン 21年12月17日 早歩きをしていた 足取りをゆっくり緩め やがて立ち止まった。 バスさえあまり通らない 田舎の村の明け方。 夜通し降った雪に 村は白くかす…

Asami
10か月前
3

花様年華THE NOTES⑥

テヒョン 20年3月20日 廊下をバタバタと 音が出るほど走っては スーッと滑るように ブレーキをかけて止まった。 少し先に "俺たちの教室" の前に立っている ナムジュ…

Asami
10か月前
3

花樣年華 THE NOTES⑤

ジョングク 19年6月12日 海辺の駅に着いた時も 日差しはまだ熱かった。 影は足元をついて回り 日差しから身を隠しようがなかった。 波の音が聞こえたかと思うと す…

Asami
10か月前
1

花樣年華 THE NOTES1④

ソクジン 19年3月2日 父に連れられて入った 校長室からは 湿っぽいにおいがした。 アメリカから戻って10日目 学校制度が違うため 1つ下の学年に入るという話を 聞いた…

Asami
10か月前
2

花樣年華THE NOTES ③

ホソク 10年7月23日 そのことが起きたのは 数字を4まで数えた時だった。 僕はトマトだか、メロンだか とにかく何かの果物を数えていた。 「4」数字が 口からこぼれた…

Asami
10か月前
2

花樣年華THE NOTES②

ソクジン 9年10月10日 「行こう、 逃げなくちゃ」 僕は友達の手をつかみ 教室の後ろの戸に向かった。 廊下をつたって駆け出したが振り返ると 大人たちが後ろの戸から出…

Asami
10か月前
3

花樣年華THE NOTES①

花様年華noteの再販もなく もしかしたら近々 ドラマ【YOUTH】が 放送されるかもしれない Youthは 『花様年華シリーズ』の世界観を イメージして作られたドラマです。 そ…

Asami
10か月前
4
花様年華THE NOTES⑬

花様年華THE NOTES⑬

ジョングク
22年5月22日


誰かに肩を揺すられて目を開けると
車窓いっぱいに海が広がっていた。

眠気が覚めていないせいか
海の風が冷たく感じられた。

僕は両腕を抱えて外に出た。

いつの間にか
波打ち際まで行っていた
兄さんたちが振り向いて手を振った。

兄さんたちの後ろに海が広がり
その上に太陽が浮かんでいた。

まるで静止画のような風景だった。

その静止画の中に

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花様年華THE NOTES⑫

花様年華THE NOTES⑫

ジミン
22年5月16日

ホソク兄さんの家は
とても高い地帯にあった。

大通りからだいぶ上っていき
曲がりくねった狭い路地を過ぎると
行き止まりの道にたどり着く。

その一番奥にある屋上の簡易住居
そこが兄さんの家だった。

部屋が1つしかない家に入りながら
兄さんは、ここはまさに世界を
足元に置ける都会の最上階だと
得意げに言った。

兄さんが言うように
屋上の簡易住居からは実に

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花様年華THE NOTES⑪

花様年華THE NOTES⑪

ホソク
22年5月12日

非常口のドアを開け
階段を駆け下りた。

心臓が今にも張り裂けそうなほど
ドキドキ鳴っていた。

病院の廊下で
すれ違った顔は確かに母だった。

振り返った瞬間
エレベーターのドアが開き
人が溢れ出た。

一瞬、母の姿が視野から消えた。

必死に人をかき分けていくと
母が奥の非常口に入ってくのが見えた。

焦って階段を2段飛ばしで下りた。

休まずに数

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花様年華THE NOTES⑩

花様年華THE NOTES⑩

ホソク
22年5月10日

ナルコレプシーは
場所を選ばなかった。

仕事をしている間に突然倒れたり
道を歩いている途中、一瞬にして
気を失ったりすることもあった。

心配してくれる人の前では
平気なふりをした。

数字を10まで
数えられないという事実は
誰にも打ち明けられなかった。

そんなふうに倒れた日は
母の夢を見た。

いつも同じような内容だったが
母とバスに乗ってどこかに

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花様年華THE NOTES⑨

花様年華THE NOTES⑨

ソクジン
22年5月2日

指がこわばっていくことに焦りを感じ
拳をぎゅっと握っては開いた。

ひよっとして失敗しないだろうか。
何度も繰り返したことだが、毎回怖かった。

ゆっくり深呼吸をしながら
ユンギの状況を思い浮かべた。

今頃、ユンギはすっかり
酒に酔ったまま片手で
ライターをカタカタいじり
もう片方の手では
携帯電話を握っているだろう。

あるいはソファーに横になり
自分が

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花様年華THE NOTES⑧

花様年華THE NOTES⑧

ホソク
22年3月2日

僕は人に囲まれているのが好きだった。

養護施設から独立したのに伴い
ツースターバーガーで
アルバイトを始めた。

大勢の人 に接し
いつも笑顔で、いつも活気に
満ちていなければならない仕事だった。

そんな仕事が僕は好きだった。

僕の人生には笑うことも
活気に満ちたこともあまりなかった。

これまで、いい人より悪い人を
見たことの方が多かったのも事実だ。

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花様年華THE NOTES⑦

花様年華THE NOTES⑦

ナムジュン
21年12月17日

早歩きをしていた
足取りをゆっくり緩め
やがて立ち止まった。

バスさえあまり通らない
田舎の村の明け方。

夜通し降った雪に
村は白くかすんで輝いていた。

木々は白く巨大な獣のように
たたずんでいたが
風が吹くたびに毛をなびかせた。

振り返らなくても分かった。

村を横切るのは
俺の足跡しかなかった。

靴底が破れたスニーカーのせいで
とっくに

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花様年華THE NOTES⑥

花様年華THE NOTES⑥

テヒョン
20年3月20日

廊下をバタバタと
音が出るほど走っては
スーッと滑るように
ブレーキをかけて止まった。

少し先に
"俺たちの教室"
の前に立っている
ナムジュン兄さんの姿が見えた。

俺たちの教室。

俺は倉庫の教室をそう呼んでいた。

俺と兄さんたちとジミン
ジョングク、俺たち7人の教室。

息を殺して近づいた。
驚かせるつもりだった。

「校長先生!」

少し

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花樣年華 THE NOTES⑤

花樣年華 THE NOTES⑤

ジョングク
19年6月12日

海辺の駅に着いた時も
日差しはまだ熱かった。

影は足元をついて回り
日差しから身を隠しようがなかった。

波の音が聞こえたかと思うと
すぐに砂浜が広がった。

夏の始まりだった。

気の早い避暑客の
パラソルの花が
あちこちに咲いていた。

海はなぜか人を
胸がいっぱいになった
気分にさせる。

テヒョン兄さんと
ホソク兄さんが
叫び声を上げながら

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花樣年華 THE NOTES1④

花樣年華 THE NOTES1④

ソクジン
19年3月2日

父に連れられて入った
校長室からは
湿っぽいにおいがした。

アメリカから戻って10日目
学校制度が違うため
1つ下の学年に入るという話を
聞いたのは昨日だった。

「よろしくお願いいたします」

父が僕の肩に手をのせると
無意識のうちに体がぎくりとした。

「学校は危険な所です。
規制が必要なんですね」

校長は僕をまじまじと見た。

黒い背広姿の校長が

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花樣年華THE NOTES ③

花樣年華THE NOTES ③

ホソク
10年7月23日

そのことが起きたのは
数字を4まで数えた時だった。

僕はトマトだか、メロンだか
とにかく何かの果物を数えていた。

「4」数字が
口からこぼれた瞬間
子どもの頃の僕が
誰かの手を握ったまま
目の前を通り過ぎた。

あの日だった。

母と初めて遊園地に行った日。
色とりどりの旗と店を
僕は我を忘れて見ていた。

滑稽な衣装をまとった人たちが手を振り
どこに行っ

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花樣年華THE NOTES②

花樣年華THE NOTES②

ソクジン
9年10月10日

「行こう、 逃げなくちゃ」
僕は友達の手をつかみ
教室の後ろの戸に向かった。

廊下をつたって駆け出したが振り返ると
大人たちが後ろの戸から出てくるところだった。

「待て、捕まえたら、ただじゃおかない!」

大人たちの声が
首筋につかみかかるように
追いかけてきた。

階段を駆け下りながら
どこに行こうか考えた。

真っ先に思い浮かんだ所が
学校の裏山だった

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花樣年華THE NOTES①

花樣年華THE NOTES①

花様年華noteの再販もなく
もしかしたら近々
ドラマ【YOUTH】が
放送されるかもしれない

Youthは
『花様年華シリーズ』の世界観を
イメージして作られたドラマです。

そんな中で
小説を読みたい方が
沢山いるとの事なので

小説内容をまとめていきます。

読んでる中で
点と点が繋がった時の
鳥肌を共有したいので
考察なしで書いていきます。

読みながら
色んな考察をしてみるのも
楽しい

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