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匠が集い、匠を知る、スクオーラ・ディフーザ 。 *エノガストロノミア&アトリエ n.2*

『フード&デザイン』をテーマに、アトリエや工房を見学しつつ、「ワインを飲みながら、食事も楽しみましょう!」というイベント。

今回は工房を訪れます。

イタリアの、田舎風ラーメンに出会う。 *エノガストロノミア&アトリエ n.1*


ちょっと時刻に遅れちゃった。待ち合わせの表示があいまいで、どこ?どこ?と見渡していると、人の声が聞こえてくるので、足早に向かうと、やっぱりそこだった。

みなさーん。ようこそ!
いまから工房見学へ行きますよー!
レオナルド、よろしくね。

レオナルドと呼ばれているのは、前回も登場したフードジャーナリストのレオナルド・ロマネッリ氏。グループ旅行のように、ぞろぞろと彼の後ろについて、ヴィッキオ村を縦断すること5分。

Scuola Diffusa

フィレンツェから約40キロ北上したところにある、ムジェッロ地方は、山があり丘があり、その自然のなかに、小さな村が点在するところ。

そのところどころで、伝統工芸の匠が、モノづくりをしています。

フィレンツェのような街には、職人地区があり、職人同士の横の繋がりもある。ムジェッロでは、それが難しい。同業者は知っているけど、隣街で活動している他分野の職人と交流する機会がない。

そこで立ち上げられのが、スクオーラ・ディフーザ [Scuola Diffusa]。[Diffusa]は、普及する。とか、拡散する。という意味。同じ単語を使ったものに、アルベルゴディフーゾというものがあります。

通常の観光コースから離れた、歴史ある、イタリアの小さな村や町の中心部を復活させるのが目的。訪れる人は、村や町の住民たちと暮らすように、旅をする。

日本語で「分散したホテル」と呼ばれる活動。スクオーラは英語でスクールで「学校」の意味。スクオーラ・ディフーザは、「分散した学校」という意味合いになるでしょうか。

職人同士の交流の場であり、ムジェッロへ訪れる人がモノづくりに触れられ、実際に体験できる場。

スクオーラ・ディフーザ近くの広場。
大きな木の下で。
糸を吊るして、織物体験中。
つづれ織り制作に必要なこと。
*アイデア
*デッサン
*原寸大の下絵
*糸と機織り

ムジェッロで活動している職人達が、自分たちの作品を披露し、デモンストレーションをし、興味を持った訪問者が、彼らのアトリエへと足を運ぶための、導線づくりの場。

職人を知り、かつ、知名度の低いムジェッロ地方に、人を呼び寄せる。職人支援と観光支援の両方の機能を持つのが、スクオーラ・ディフーザといえるかもしれません。

ムジェッロ地方に点在する村々のなかで、ヴィッキオ村の、この建物をスクオーラ・ディフーザとして使う、そもそもの理由もちゃんと持ち合わせています。

建物の中央にある石碑。読みづらいけど、ここは、ルネッサンス時代に大活躍したアーティストが10年間、住んでいたところ。

その名は、ベンヴェヌート・チェッリーニ。フィレンツェのシニョーリア広場にある、この銅像を作った人。

ペルセウスの像

わたしが訪れた時は、スクオーラ・ディフーザに、7名の職人が集い、それぞれの活動を説明してくれました。

ムジェッロ地方はナイフ職人も多い。
5世代目の若き職人が説明中。

わたしが、特に興味を惹かれもの。

銅板版画。

さきほど、5世代目の若きナイフ職人の後ろに、写り込んでいた人物。銅板版画の職人さんでした。

実演を見学したあと、ご夫妻としばらく雑談を楽しみ、その流れで、ランチ後に、工房に伺うことに。

ムジェッロが取り組む「導線作り」に、すっかりハマりました。

次回は、スクオーラ・ディフーザでの銅板版画の実演と、ほんの15分の距離なのに、山を越え、谷を越え、ようやく辿り着いた彼らの工房へとご案内します。

最後まで読んでいただきまして、
ありがとうございます。
また、お立ち寄り下さい!

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