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機械力学から見る剛体運動論 -3-

様々な剛体運動について考える「機械力学」ですが、その内容は高校物理の範疇から高度な数学の知識を使うところまで。長いスパンで関わるであろう、機械工学系の基礎になる学問です。

今回は数回に分けて、機械力学の話を深掘りしていきます。前回は機械力学では重要な概念となる質点や剛体の意味、動力学の観点から運動方程式を立てる手順について取り上げました。

今回は実際にある問題を対象にして、運動方程式を立ててから動力学の特性を把握する手順を見ていきます。また、実際に地震などの事象で使われる振動計測系の原理にも触れます。


1自由度の強制振動モデル

単純な「1自由度の減衰自由振動モデル」について、強制振動を付与した際の挙動を考えてみます。減衰自由振動モデルは以前別の記事でも扱いましたので、そこまでの過程はこちらをご覧ください。

今回はここからの続きになります。前の場合は運動方程式の右辺がゼロ(斉次方程式)でしたが、今回は有値です(非斉次方程式)。

非斉次方程式を解く方法としては、斉次方程式で導出した一般解とは異なる形の特殊解を見つけることです。今回は右辺の形が正弦波の式なので、係数が未定状態の正弦波の形の特殊解を導出します。

今回の微分方程式(非斉次方程式)は前回と同様に線形です。そのため、斉次方程式で出した一般解に今回の特殊解を足し合わせます。やり方はそこまで複雑ではありませんが、計算過程は長いので、ひとつずつ着実に解き進めます。

最終的に求めた非斉次方程式の一般解から、定常状態について考えます。定常状態は時間が十分に経過した際の挙動を意味します。

自由減衰振動の項は定常状態を考える際はゼロになります。そのため、非斉次方程式の状態から予想して求めた特殊解が残ります。

振動計測系の原理

実用的な例題として、振動計測系の原理について見ていきます。剛体箱の中に先ほどの1自由度の減衰自由振動の系を内包させます。

1自由度の減衰自由振動の系の変位(x)は剛体箱内部の質点の変位(y)と振動面の変位(u)と一定の関係があります。そこを噛ませた上で運動方程式を立てています。

運動方程式を立て終えたら、前節の強制振動(正弦波入力)の時と形が同じであることを確認して、一般解を同様に求めます(定常状態のみを形として抽出)。

振動計測の原理ですが、振動面の変位(振幅)と1自由度の減衰自由振動の系の変位(振幅)の比率を算出します。ここで比率が1に近似できる形でシステムを構築して、振動面の変位(振幅)を定量的に計測します。

おわりに

今回は質点の扱いに留まりましたが、実際に運動方程式を立ててから解くまでの過程を見ていきました。一般解を求めるまでが普通ですが、運動方程式の形から特性を把握できることもあります。

運動方程式を立てる際に有用な方法としてLagrangeの方程式があります。

これは中でも解析力学と呼ばれる分野になりますが、可能であれば次回で扱いたいと思います。

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最後まで読んで頂き、ありがとうございます。この記事があなたの人生の新たな気づきになれたら幸いです。今後とも宜しくお願いいたします♪♪
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