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脱炭素が当たり前になる瞬間を目撃したい

再エネの変動性を補う調整力・供給力として必要となる火力発電の脱炭素化が急務の中、燃えやすい水素はガス火力、燃焼速度が比較的遅いアンモニアは石炭火力の脱炭素化のカギとなる。

今年の5月13日に経済産業省産業技術環境局と資源エネルギー庁がまとめた「クリーンエネルギー戦略・中間整理」において、次世代エネルギーとして期待される水素とアンモニアの使い道が明確に示されました。

水素に関しては、以前に書いた水素バスの話でも触れましたが、燃料電池に留まらず様々な方面で「脱炭素」のキーワードとして登場しています。

世界中でクリーンエネルギーの実用化に向けた研究が進められています。こうなれば、もう遠い未来の話ではなくなります。これまでの常識が覆る瞬間を私たちは目撃することになるかもしれません。

今回は次世代エネルギー(発電)を題材に、世界中で取り組まれている「脱炭素」の計画について、話を掘り下げてみようと思います。

脱炭素に向けた技術革新

アンモニアについては、東京電力ホールディングスと中部電力が折半で設立したJERAが石炭火力発電の脱炭素化に向けた切り札として注目しています。アンモニアを燃料として使用し、混焼(最後はアンモニアによる専焼)することで、二酸化炭素排出量をゼロにします。

JERAに同じく、大手商社や化学・重機メーカーなどはアンモニアの調達や新たな製造法、大型タービンの開発に乗り出しています。

水素に関しても同じく、三菱重工は米国西海岸で安価に発電できる再生可能エネルギーで水を電気分解して、二酸化炭素を全く発生しない「グリーン水素」を製造を試みています。

グリーン水素は北米に豊富に存在する地下岩塩層の空洞に貯蔵され、電力の必要時に取り出しガスタービンで発電します。このプロジェクトは米国のユタ州のソルトレークシティーで進められています。

また、ジョージア州では今年6月、三菱重工が過去に収めたガスタービンで水素を20%混焼させる試験にも成功しました。

ここ最近は水素ガスタービンの需要が高まり、市場規模は全世界で年間で30〜50GWに到達するそう。燃料が天然ガスから水素に移行するのも、時間の問題かもしれません。

脱炭素に向けた水素に関する課題

クリーンエネルギーとして水素を利用する方法は、実に画期的なアイデアではありますが、同時に解決しなくてはならない課題もあります。

まず、水素は自然界には存在しないため、製造には大量の1次エネルギーを必要とします。特に再生可能エネルギーの価格が欧米に比べて高い日本では、安価な水素の組成自体が難しいとされています。

また、エネルギー密度が低いという問題もあります。水素は都市ガスのエネルギーの3分の1程度なので、輸送や貯蔵に多大な負担がかかります。

例えば、現在普及している都市ガスの配管(パイプライン)で水素を輸送するとなると、同じエネルギーを得るには3倍の太さにしなくてはいけません。

大量輸送や長距離輸送にはインフラが必要ですし、輸送や貯蔵には極低温にしたり、液化輸送する技術も必要になります。

ただ、これらの壁も時代と共に革新が生まれて、徐々に解決に向かいます。その時が楽しみですね。

おわりに

今回は「脱炭素」に向けた日本の取り組みと、現状課題について取り上げました。

現在はまだ旧式のエネルギーが使われていますが、これから先で新しいエネルギーの活躍が姿を現します。さらに時が経てば、それが新しい常識になります。

脱炭素の取り組みが日本の将来で成功することを、陰ながら見守りたいと思います。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに寄り添えたら幸いです。何卒よろしくお願いいたします。

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