my select50 vol.26 「panama hat」
my select50 vol.26 「panama hat」
第26回目は「夏の帽子」です。
夏の帽子といえば、キャップからハットまで色々とあります。
その中でも、今回は気障(きざ)な帽子、良く言うと大人のアイテム「パナマハット」をご紹介します。
長期に渡って私たちの生活に影響を及ぼしてきた新型コロナ感染症。2023 年に入ってからマスク着用が個人の判断になり、更に、類型も5類に移行し、人々の生活が今までと同じ状態に戻ってきています。(※2023年6月時点)
些細なことでありますが、ファッションが好きな人にとって、マスクは少なからず影響があったかと思います。私個人としては、マスクをしてると、ハットやサングラスを合わせるのが難しかったなと。
帽子もキャップやニット帽などは、マスクしてても大丈夫ですが、パナマハットなどのタイプは、マスクしてると結構怪しい人に見えてしまいます。
パナマハットにサングラスをかけ、さらにマスクを付けると、顔がほとんど隠れてしまい、職質を受けかねないレベルです笑。
というわけで、暑くなる季節ですし、コロナも落ち着いたので、気障ではありますが、これからガンガン使いたいメンズファッションの古典的アイテム「パナマハット」を遠慮気味にオススメしていきます。
まずはパナマハットについて簡単に説明します。パナマハットといえば高いイメージがあるかと思います。値段はピンキリですが、安いのが2万円くらいで、高い物は10万円以上するものもある。
帽子の世界だと王様ですね笑、
これは、素材の違い、作業の工程、ブランドなどで差がつきます。そして、見れば分かりますが、良いパナマハットはやはりそれなりに高いカテゴリーに多いです。
パナマハットは、南米のエクアドルで主に産出されるトキヤ草(パナマ草)という植物の葉を使っています。椰子っぽい植物です。形状ではなく素材がアイテム名なんですね。
この草の葉を煮沸し、乾燥させ、細く裂いたものの中から美しい物を選びだし、手作業で編み上げます。
素材も限定されていますし、繊細な手作業をともなうので、ある程度高いのは納得できます。
夏のいわゆるハットの形状をした帽子の素材としては、麦わら帽や麻の帽子などもありますが、パナマハットは、上記のように素材と工程にこだわっているので。「白さ、美しさ、軽さ」に優れています。
そして、この優れた点が、優美さ・エレガントにつながり、ドレススタイルやジャケットスタイルといった大人のスタイルに合わせられる帽子としてその地位を揺るぎないものにしているわけです。
※確かに、スーツに麦わら帽子は変ですけど、パナマハットだとクールですもんね。
パナマハットは検索していただくと色々なブランドが出てくると思います。
私は、定番中の定番「Borsalino(ボルサリーノ)」にしています。今使っているのが2代目
映画スターなども着用する帽子なので名前だけでもご存じの方が多いかと思います。
ボルサリーノは、1857年にイタリアで創業した老舗の帽子ブランドです。その特徴はやっぱりイタリアブランドらしい色気があり洗練されたデザイン
一言で表すとセクシー。フォーマルなスタイルに合います。
最初の画像にあるとおり、真ん中に窪みがある「中折れ」が代名詞です。また、リボンの結び目に施された「Borsalino」の金の刺繍があまり主張しないながらも、高級感を漂わせています。
種類は、エントリーモデルからあり、価格があがるごとにグレードも上がっていきます。ボルサリーノは、パナマハットのブランドの中だと値段が高いブランドになります。
私のボルサリーノはそろそろ買い替え時ですね。
あまり真っ白過ぎても恥ずかしいので、少し経年があった方が良いのですが、それにしても、全体に傷んでるし、色も焼けてきています。
私はボルサリーノが好きですが、ちょっと色気が嫌な方や、値段が高いと思われる方に、下記に幾つかブランドを紹介します。
Tesi(テシ:ブランドを紹介するサイト)
1850年にイタリアのフィレンツェで創業した老舗の帽子メーカー
パナマハットはもちろん、カンカン帽やフェルトハットなども扱っています。どちらかというとクラシックなモノづくりだと思います。
Homero Ortega(オメロ オルテガ:ブランドを紹介するサイト)
本場であるエクアドルのブランドです。クオリティの高さに比べて価格が最適なのと、バリエーションの多さが特徴です。このブランドをオススメする人も結構いますので、私も気になっています。
BERNAL(ベルナール)
こちらも本場エクアドルのブランド。パナマハットの一大産地として有名なエクアドル中南部の都市「クエンカ」で高級ブランドとしての地位を確立しています。家族経営で規模は小さいらしいのですが、その代わり、高いクオリティを誇っています。完成されたデザインだと思います。
STETSON(ステットソン)
ヨーロッパのボルサリーノに対して、アメリカの代表ともいえるブランドです。1865年の創業で、ウエスタンハットなども作っています。ワイルドなアイテムも多く、アメリカンな雰囲気を出すにはこのブランドが良いかもしれません。ウエスタンは気になります。
最期にパナマハットのスタイリングについて。
パナマハットなどの帽子は、リアルクローズというより、俳優がかぶっているイメージが強いのではないでしょうか。
実際かぶるとなるとそれなりに勇気が必要なのは事実です。
パナマハットは、ファッションアイテムの中では、上級者向けというか、なかなかに難しい。
雑誌や映画スター、おしゃれな人のスタイリングを参考にして、徐々に自分のものにしていくのが一番良い気がします。
外国人俳優で個人的に好きなのはアラン・ドロン
世紀の美男といわれたフランスの映画俳優です。この悲しい瞳が良いんですよね。ハットやコートが良く似合います。
でも、海外の俳優を真似しても土台が違うので参考にならないでしょうかね笑
まず、頭の大きさが小さい。次に外人の方は一般的に、後頭部の襟足が短く、キュッと持ち上がっています。頭の形も少し違うんだと思います。だから、帽子が良く合うんですよね。
そこで、パナマハットの似合う日本代表をここでご紹介します。
故白井俊夫さんです。創業1866年、横浜の馬車道にある日本最古の洋品店「信濃屋」で長く仕入れを担当されていたメンズファッション界の重鎮です。
この風格とスタイリング。
言葉に出さなくても分かっていただけるかと。凄いです。
白井さんは撮影用にこういう恰好をしているわけではなく、常日頃からいつもちゃんとした服装をしていました。
鎖国から最初に開港した横浜の関内
明治の雰囲気の残るこの界隈の古い街並みに、ちょっと堅気じゃないっぽいクラシックなスタイルが合うんですよね。まさに、横浜スタイル
白井さんが歩いていると「Mr.YOKOHAMA」っていう感じがしていました。
信濃屋の白井さんを中心に友人や知り合いが集まる時は、全員がネクタイをして、ハットをかぶる人も多く、歩いている人達が振り返るほど壮観だったのを思い出します。
白井さんは2023年1月にお亡くなりになりましたが、そのスタイルは今も語り継がれています。
こちらもハットの似合う御仁「松山猛(中央)」さんです。横浜にお住まいです。
松山さんは、作詞家・ライター・雑誌編集者・時計評論家として多彩なジャンルで活躍される著名な方です。
伝説のバンド「サディスティック•ミカ・バンド」の作詞や雑誌「BRUTUS」の編集などで活躍されました。今は、時計評論家として数々のメディアに出演しています。
松山さんはスーツスタイルの白井さんとはまた違った、高い感性による自由な着こなしが素晴らしい方です。
赤いポロシャツにベージュのパンツにパナマハットのカジュアルスタイル
シンプルでカッコ良いです。
※パナマハットとポロシャツは相性が良いのでオススメ
ちなみに、右端でこちらもハットをかぶっているのが、山下町でデザイン事務所をやっている「小山飛鳥」君
若いですけど(とはいえ中年でしょうか笑)、ハットにサマースーツとノーカラーシャツを着こなしていますね。このスーツは麻が入ってますでしょうか。シワも良い感じ。さすがおしゃれさんです。
最後に私の写真
上に出した9年前よりは少し様になってるかもしれませんが、白井さんや松山さんに比べたらまだまだお恥ずかしい限りです。
ちょっと派手ですかね、、、
今回はパナマハットをオススメしてきました。
先ほども少し触れましたが、おそらく今まで紹介した中で最もハードルがあるアイテムじゃないでしょうか。
かぶるとカッコつけてると思われるかもしれないし、着る服もそれなりじゃなきゃいけない。
また、ボルサリーノのようなエレガントなパナマハットだと結構目立ちます。
しかも機能的には、日差しは多少防げますが、正直いって暑い。
あと、昔は日本でもハットをかぶる文化が多少あったのですが、今はないので、カフェやレストランでハットを脱いで置く(かける)場所がない。
※机や椅子に奥にはかさばります。
そしてお値段が高い、、、
良いことあまりなさそうですが、かぶると、なんか引き締まりるので取り上げてみました。
大人が似合うアイテムなので、歳を重ねるほど、良い按配になっていく楽しみもあります。
街にジャケット着てパナマハットかぶる人が増えると良いなと思っています。
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※こちらは秋冬用のフェルトでできたハット。これもボルサリーノです。色がネイビーかブラウンが定番なので、落ち着いていて、パナマハットほどあやしい雰囲気ほど出ません。
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