見出し画像

現役戦略コンサルタントが語る!面接でみているポイント(後編)

戦略コンサルタントのアップルです。

戦略コンサルタントの採用面接で面接官がどういうポイントを見ているかを紹介する記事の後編です(前編はこちら)。

前回は、採用面接で何をみるかの前提として、活躍する戦略コンサルタントの特徴についてお話しました。

【活躍する戦略コンサルタントの3つの特徴】
特徴①:地頭が良いこと。特に「深さ」と「回転」が強い
特徴②:メンバーと協働できる協調性がある
特徴③:行動力と勇気がある

この3つを持っていることが、入社後にコンサルタントとして活躍する傾向にあるという確かな経験則をアップルはもっています。

そのため、面接では、この3つを持ち合わせているかをチェックすることを念頭に質問を投げかけたり議論するようにしています。

その具体的なアップル流のやり方を今回の記事ではご紹介します。

コンサル業界を志望されている方にとっては「こんなところを見られてるんだ」「こういうことを聞かれるんだ」という気付きががあると思いますのでぜひご覧ください!

戦略ファームの面接の特徴:ケースディスカッション

まず、戦略コンサルタントがどんな感じで面接をしているのかという大枠をお話します。

面接の時間は1時間ですが、最大の特徴はその中で「ケースディスカッション(ケース面接)」というものをやる点です。コンサル業界を志望されている方は良くご存じだと思いますが、一般の方にはなじみがないと思うので簡単に説明します。

ケースディスカッションとは、面接官がその場で何らかの「お題」を出し、そのお題を応募者に考えさせ、答えさせ、地頭をチェックするというものです。出すお題は、多岐にわたりますが、

・日本のゴルフ場の数を試算してください
・カーテンの市場規模を試算してください
・日本の最も大きな社会課題は何か、理由とともに整理してください
・このオフィスに入っているイタリアンレストランの売上拡大策を考えてください

といったようなお題を即興で出し、5~10分くらいで考えてもらうというものです。面接官も答えを知らない問題を出すので、答えが正しいかどうかというよりは、ロジックや思考プロセスが妥当か、大枠で答えに近そうか(例えば、市場規模の試算なら、桁はあっていそうか)、といった点を評価し、コンサルタントとしての適性を判断するのです。

アップル流面接術

それでは本題です。私自身がこのケースディスカッションも含め、面接をどのようにやっているか、その意図はなにかをお話します。

キーポイントは2つです。

・ケースディスカッションでのお題の出し方、議論の仕方をどうするか?
・協調性や行動力・勇気をどういう質問で探るか?

 アップル流面接術①:地頭のチェックは「なぜ?」を問うケース問題で

先ほど話したケースディスカッションも使いながら、地頭をチェックしていきます。特に深さと回転があるかどうかがポイントになるので、そこをチェックすることにフォーカスします。

<回転の見極め>
これは正直、会話がストレスなくできるかどうかで直ちにわかります。こちらの質問に素早く適確に答えてくるか。ケースディスカッションで議論のキャッチボールができるか。これで見極めます。

<お題の出し方>
深さを問うお題を出すことがポイントになります。つまり、なぜなぜ思考ができるかどうかをチェックするための、因果関係やメカニズムを考察するようなお題です。

これをチェックするには、市場規模の試算のようないわゆるフェルミ推定のお題ではなく、次のような「なぜ?」を問うお題が有効です。

・ノートパソコンの市場規模は、10年前と比べて拡大しているか、縮小しているか?その原因として何が考えられるか?

・なぜ電気自動車は今一つ普及していないのか?原因は何か?

・あなたが今所属している会社の経営課題をどうとらえているか?その課題の背景にある要因は何か?

このように「なぜそうなのか?」という切り口でお題を出し、それを考えさせるわけです。こういうお題を出すと、深い思考ができる素養を持っているかどうかがクリアに分かります。

<ディスカッションの仕方>
応募者の方に考え答えてもらった後、時間の許す範囲で、私は出したお題についてディスカッションをするようにしています。議論の中で「なぜそう考えるのか?」「別の考え方やアイデアはないか?」「ほかの可能性はないか?」と様々な角度から突っ込みを入れます。

そのような突っ込みに対し、
・どれだけ素早く打ち返すことができるか(回転のチェック)
・突っ込みを踏まえ、咀嚼し、考えを深めることができるか(深さのチェック)
という観点で反応をみることで、さらに回転と深さがあるかどうかをチェックしています。

 アップル流面接術②:協調性・行動力・勇気は、仕事”以外”の質問でチェック

これは、いわゆる人物面接に当たる部分の質問で探りますが、私の場合、仕事以外の話で探るようにしています。

仕事でどんな行動をし、どんな成果を上げたかは、想定問答も準備してきているでしょうし、いくらでも取り繕うことができます。そんなことを聞いても、あまり意味はないと思います。

むしろ、その人の本質は、プライベートでの活動や、学生時代の活動にあらわれるとアップルは考えています。

部活やサークルでリーダーをやっていた人は、おそらくリーダーシップがあるでしょう。

バイトを20個した経験がある人は、好奇心旺盛で、フットワークも軽いことでしょう。

だからこそ、仕事以外に対する質問で、その人の行動力やリスクテイク力を探るわけです。

具体的には、次のような質問をぶつけます。

「大学生のとき、勉強以外で打ち込んだことは何ですか?」
「サークルは何をやっていましたか?そこでどういう立ち位置でしたか?」
「仕事以外でリーダーシップを張ったエピソードを教えてください」
「何らかの組織や団体を率いたことはありますか?」

こういう質問をぶつけると、結構その人の本質が窺える回答が返ってきて、単純にコミュニケーションとしても面白いです。

まとめ

今回の記事のまとめです。

・戦略コンサルタントの面接では、ケースディスカッションという特殊なことをやる。これを通じて地頭をチェックする

・頭の回転は受け答えのスムーズさで、思考の深さはケースディスカッションで「なぜ?」を問うお題を出すことでチェック

・お題についてのディスカッションで、さらに回転と深さをチェック

・協調性や行動力は、仕事以外で取り組んだ/取り組んでいることから推察

参考になりましたでしょうか?

コンサル業界志望者の方は、
・なぜ、なぜと突っ込まれることを想定の上ケース面接対策をしておく
・協調性や行動力を問う質問に対し、自分なりの回答を用意しておく
と良いと思います。

今回はここまでです。
最後までご覧頂きありがとうございました!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?