むずかしい形を巧みに使いこなしたiPod nano(第4世代)のデザイン
この記事では、iPod nano(第4世代)のデザインについて書きます。
第4世代では、まったく新しいデザインが採用されました。
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本体形状
iPodは、ディスプレイ、コントローラー、筐体の3つの要素で構成されています。
その中でも筐体は、ディスプレイとコントローラーを乗せるための台のようなものです。
この構成に大きな問題があるわけではありませんが、ディスプレイやコントローラーの大きさに関係なく、台の大きさが決められていることも多かったわけです。
また、台の上に別の要素が載っているという見方は、要素同士のつながりを薄くするものです。
そうした状況を踏まえてiPad nano(第4世代)を見ると、このデザインの価値が分かります。
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まず、ディスプレイサイズは、第3世代から変わりありませんが、縦長の配置になりました。これによってシルエットは縦長になり、デバイスの表面からは余白がほとんどなくなりました。
そして、筐体は、楕円に高さを持たせた楕円柱で、ディスプレイガラスとコントローラーも、この楕円柱の表面に沿うようにカーブしています。これによって、ディスプレイとコントローラーが筐体にただ載っているという印象が緩和され、筐体との一体感が高まっています。
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サイズについて
第4世代では、再び縦長のシルエットに回帰しました。サイズとしても第1世代、第2世代とほぼ同じです。
参照するデザインがなくなり、独自の道を歩むことになったときに、この縦長のシルエットとサイズを選んだのは、このシルエットとサイズこそがnanoらしさだと考えたからでしょう。
楕円柱は正しいか
nanoの楕円柱のような筐体は、Apple製品の中ではかなり珍しい形状です。
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製品としてはApple Remoteに近い形状が採用されていますが、あとはiPhoneの試作機くらいです。この2つにしても、側面が平らになっているので、正確には楕円柱ではないですし。
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楕円柱のメリットは、手になじみやすく、また、ディスプレイが光を反射してきらめくので非常に美しく見えるという点にあります。
ただ、手になじませるだけなら、エッジを丸めるだけでもよいはずです。
また、ディスプレイについては、筐体のカバーガラスは湾曲していますが、ディスプレイモジュール自体は平坦であるという点でズレが生じてしまいます。これはディスプレイモジュールを湾曲させると映像がゆがむので、平らにする必要があることによるものです。
この楕円形の筐体は非常に魅力的な形状ですが、シンプルさという観点からは、なかなか使うのが難しい形状です。
iPod nanoでは、ディスプレイとコントローラーを筐体に統合するという別の目的があったことによって、デザインが正当化されていると見るべきでしょう。
意味もなくこの形状を用いることは簡単ですが、シンプルさの文脈の中でこの形状を使ってみせるのは、さすがはAppleといった感じです。
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