ニッチなクラシック音楽紹介

某国立大文学部・文学研究科出身。学校の音楽の教科書に載っていないような、玄人好みのクラ…

ニッチなクラシック音楽紹介

某国立大文学部・文学研究科出身。学校の音楽の教科書に載っていないような、玄人好みのクラシック音楽を紹介しています。

最近の記事

スペインの名作曲家紹介〜マヌエル・フォント・デ・アンタ

皆さんこんにちは。今月はスペインの知られざる名作曲家として、マヌエル・フォント・デ・アンタ(Manuel Font de Anta, 1889-1936, Manuel Font y de Antaとも表記されます)を紹介していきます。 フォント・デ・アンタはセビリア生まれの作曲家で、トゥリーナから作曲を教わりました。 ピアニストや指揮者としてスペインのほかアメリカ大陸などでも活躍しましたが、共和国派の讃歌を書くことを依頼されていたことや、息子が共和国派だったことを理由に

    • イタリアのピアノ曲名作曲家紹介〜F.マルゴーラ

      皆さまこんにちは。 今月はイタリアの作曲家、マルゴーラ(Franco Margola,1908-92)について紹介していきます。 今年6月に「近現代イタリアのピアノ曲名曲紹介」という記事を出しましたが、そこでは取り上げていない作曲家です。 マルゴーラはロンバルディア州のブレシア県出身で、パルマで作曲を学んだ後故郷やボローニャ、ミラノ、ローマなどの音楽院で教鞭を取りました。 交響曲やオペラのほか、ピアノ、ヴァイオリン、ギター、マンドリンなどのための作品を残しており、軽やかな響

      • 再生リスト【ピアノの隠れた名曲たち】

        中の人のYouTubeチャンネルにて、「ピアノの隠れた名曲たち」という再生リストを作りました。 https://youtube.com/playlist?list=PLd2ShB-ZNS0T5yZd_CGawU4-6HoXMsd8e&si=2WwOk8YFiSfxfGgR 中の人の演奏動画から、ベインズ、フラゴーソ、プラドの楽曲をリストに入れています。 今後ぼちぼち更新していきますので、よろしければ覗いてみてください!

        • 東南アジアのピアノ曲名曲紹介

          皆さんこんにちは。今月は東南アジアのピアノ曲を紹介していきます。 まだまだ暑い日が続くので、せっかくなら熱帯の風情を感じられるものをと思いこのテーマにしました。 皆様のお気に入りの曲が見つかれば嬉しいです。 ・L.カシラグ(Lucrecia Kasilag)作曲 ピアノソナタ ト短調 https://youtu.be/uJq9veecpyc ピナツボ火山のエレジー https://youtu.be/uxWlF7LQUlA カシラグ(1917-2008)はフィリピンの女性作曲

        スペインの名作曲家紹介〜マヌエル・フォント・デ・アンタ

          整形外科で半年リハビリした話

          皆さんこんにちは。 今月の記事は、昨年末から書いていた「ピアノ愛好家の身体のケアについて」シリーズの続編で、今年の2月から7月まで整形外科で背中などのリハビリを行っていた話です。 上記のシリーズを読まれていない方は、先に目を通して頂くと話が分かりやすいかと思います。以下記事のリンクです。 ①小指の不調をだましながら練習したら、首も痛めた話 ②効果的だった/そうでもなかったケア方法 ③愛好家特有の痛めやすさについて 正直大っぴらにしたい内容ではありませんが、読者の皆さんが私の

          整形外科で半年リハビリした話

          近現代イタリアのピアノ曲名曲紹介

          皆さんこんにちは。 今月は、20〜21世紀にイタリア人作曲家が書いたピアノ曲を紹介します。 今回紹介するのは、過半数が存命の作曲家の楽曲です。今後新しい曲が発表されたら、続編の記事も書いていきたいですね。 イタリア人作曲家は、オペラの作曲家や、鍵盤楽器では古典派までの時代の作曲家の知名度は高いといえます。 しかし近現代の作曲家においては、レスピーギ(1879-1936)の「リュートのための古風な舞曲とアリア」は日本国内で演奏される機会が多いものの、レスピーギの別の作品や、他

          近現代イタリアのピアノ曲名曲紹介

          中国のピアノ曲名曲紹介

          皆さまこんにちは。 今回は筆者が最近ハマっている、中国のピアノ曲を紹介していきたいと思います。 中国のピアノ曲にどんな曲があるか思い浮かばない方、ピアノ協奏曲「黄河」(https://youtu.be/YYGJ8asKiII)だけは分かる方、など色々いらっしゃると思いますが、この記事が魅力をお伝えする手助けになれば幸いです。 以下、目次です。 1.本記事を書くにあたって参考にしたもの 2.中国のピアノ曲の特徴 3.おすすめの楽曲 4.楽譜や音源に関する情報 5.今後さらに調

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          J.-M.ダマーズ全ピアノ作品演奏会

          こんにちは。この記事は曲紹介ではありませんが、中の人が出演する演奏会の告知をさせてください! ダマーズは現代フランスの作曲家で、没後10年の今年、全ピアノ作品を一度に演奏するという異例のコンサートを行います。 「幻影」「序奏とアレグロ」など4曲を演奏します。 本番まで1週間を切りましたが、まだお席あるようなので、お時間ある方、ダマーズに関心がある方などぜひお越しください!

          J.-M.ダマーズ全ピアノ作品演奏会

          ブラジルのピアノ曲名曲紹介

          皆さんこんにちは。 本日はブラジルの作曲家による素敵なピアノ曲を紹介します。 ブラジルの作曲家によるギター作品やギタリストは知名度が高いですが、ブラジルのピアノ曲はヴィラ=ロボスのもの以外あまり知られていないのではないでしょうか。 今回はヴィラ=ロボスの作品はあえて割愛して、隠れた名曲にスポットを当てていきます! ・C.ゴメス作曲 華やかな大円舞曲 https://youtu.be/NnJO_ZDHln8 ゴメス(1836-96)は19世紀ブラジルを代表するオペラ作曲家で、

          ブラジルのピアノ曲名曲紹介

          ピアノ愛好家の身体のケアについて③愛好家特有の痛めやすさについて

          皆さまこんにちは。このnoteの趣旨から逸脱したシリーズも最終回です笑 本シリーズの①②の記事をお読みいただいていない方は、そちらもぜひご確認ください。 今回は愛好家特有の、故障の原因になりやすい習慣・心持ちなどを、自身の経験を元に説明していきます。 ・練習時間が日によってバラバラ/少ない練習時間でハードな練習をしてしまう 楽器の練習とは別に本業で仕事や学業があると、当然ながら練習に費やせる時間は限られます。 数分しか練習できなかったり、何日も練習しない日があったりする中

          ピアノ愛好家の身体のケアについて③愛好家特有の痛めやすさについて

          ピアノ愛好家の身体のケアについて②効果的だった/そうでもなかったケア方法

          皆さま明けましておめでとうございます。 今年もぼちぼち記事をアップしますので、お読みいただけると嬉しいです! 今回は、筆者が昨年夏に指や首を痛めた後、行ったケアの中で個人的に効果があったもの・そうでもなかったものを説明していきます。 故障の経緯については一つ前の記事に書いているので、まだ読んでいない方はそちらもご覧下さい。 【効果があったもの】 ・身体を温める ケアというまでもないですが、薄着をしすぎない、湯船に浸かるといった基本的な対策で、軽い症状であれば改善しますし、

          ピアノ愛好家の身体のケアについて②効果的だった/そうでもなかったケア方法

          ピアノ愛好家の身体のケアについて①小指の不調をだましながら練習したら、首も痛めた話

          皆さんこんにちは。 もはや作曲家の紹介でも曲の紹介でもなくなってしまいますが、今後3回の記事に分けて「楽器愛好家の身体のケア」について書いていこうと思います。 このシリーズでは、今年(2022年)7月以降に筆者が経験した故障の話を取り上げます。 筆者は基本的に自分の話をするのが嫌なので(!)記事を出すか迷いましたが、愛好家ならではの痛めやすい事情があると感じたので、参考もしくは反面教師になればと思い記事にしています。 以下、3回分の概要です。 あくまで予定なので、書いてるう

          ピアノ愛好家の身体のケアについて①小指の不調をだましながら練習したら、首も痛めた話

          フランスのピアノ曲名曲紹介〜①J.クラ

          皆さまこんにちは。 今月はフランス近代音楽における隠れた名曲として、クラ(クラーズと表記・発音される場合もあります。Jean Cras, 1879-1932)のピアノ曲を紹介します。 同時代のフランスには沢山の有名な作曲家がいる中で、彼の作品は演奏頻度が低いので、本記事を通じて魅力が広まり演奏頻度が上がることを願っています。 クラは作曲家であると同時にフランスの海軍士官で、発明した作図装置が海軍で使用されるなど多才な人物でした。 ピアノ曲のほかに声楽曲、室内楽曲、オペラなど

          フランスのピアノ曲名曲紹介〜①J.クラ

          マイナー作曲家の楽譜をどこで入手するか

          皆さまこんにちは。今回は、知名度・演奏頻度が低い曲の楽譜を手に入れる方法を紹介します。 筆者が知っている方法を、便利な点、不便な点あわせて書いているので、参考になれば嬉しいです。 ちなみにこの記事は、筆者がピアノ曲の楽譜を探す際の方法を書いており、他の楽器や声楽をされている方も基本的に使えると思いますが、古楽器をされている方などには当てはまらない内容もあると思うのでご了承下さい。 また、他に便利な方法をご存じの方も当然いらっしゃるでしょうから、良い方法をコメントなどでご紹介い

          マイナー作曲家の楽譜をどこで入手するか

          ポルトガルのクラシック音楽名曲紹介

          皆さんこんにちは。本日はポルトガル人作曲家によるクラシック音楽の名曲を紹介します。 (1)ルネサンス〜バロック音楽 この時代にポルトガルで作曲された楽曲の多くは、1755年のリスボン大地震とそれに伴う火災で失われてしまいました。今日残っている作品の中から、ここでは3人の作曲家の楽曲を取り上げます。 ポルトガルのルネサンス音楽を代表する作曲家として、M.カルドーソ(1566-1650)、D.ローボ(1565頃-1646)、ポルトガル国王のジョアン4世(1604-1656)が

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          「ニッチなクラシック音楽」にハマったきっかけ

          皆さまこんにちは。 今までの記事では筆者が好きなイギリスのクラシック音楽を紹介してきましたが、今回は私がこのように人と違う、ニッチな楽曲を好むようになった背景を書こうと思います。 本ブログの中の人が自身について発信する機会は稀ですが、どんな人が風変わりなクラシック音楽マニアになるか、一例として参考になればと思い(なるのか?)投稿することにしました。 ①小学3〜4年:「邦人作品縛り」の発表会 私は5歳頃〜小2まで自宅で母からピアノを教わっており、小3から地元の教室に通い始めま

          「ニッチなクラシック音楽」にハマったきっかけ