ブラジルのピアノ曲名曲紹介

皆さんこんにちは。
本日はブラジルの作曲家による素敵なピアノ曲を紹介します。
ブラジルの作曲家によるギター作品やギタリストは知名度が高いですが、ブラジルのピアノ曲はヴィラ=ロボスのもの以外あまり知られていないのではないでしょうか。
今回はヴィラ=ロボスの作品はあえて割愛して、隠れた名曲にスポットを当てていきます!


・C.ゴメス作曲 華やかな大円舞曲
https://youtu.be/NnJO_ZDHln8
ゴメス(1836-96)は19世紀ブラジルを代表するオペラ作曲家で、ブラジル国内のみならずヨーロッパでも評価され活躍しました。
オペラに比べると演奏機会が少ないですが、ゴメスはピアノ曲も作曲しています。
「華やかな大円舞曲」は、際立った個性や特徴がある訳ではないものの、サロン風のお洒落で綺麗な作品です。

・H.オズワルド作曲 6つの小品 Op.14より、子守歌
https://youtu.be/GRtxzaeeMi8
オズワルド(1852-1931)は作曲家・ピアニストとしての他に外交官としても活躍しました。
両親がヨーロッパからの移民だったことや、16歳から51歳までヨーロッパで過ごしたことからか、ブラジルのナショナリスティックな要素はあまり感じられない、洗練された作風です。
オズワルドの楽曲は、ピアノ曲"Il neige!…”(雪が降っている…!)の演奏頻度が高い印象ですが、ここでは「子守歌」を紹介します。穏やかで物憂げな作品です。

・ミニョーネ作曲 コンガーダ
https://youtu.be/MRKBRm8-pjo
ミニョーネ(1897-1986)はブラジルを代表する作曲家の一人で、ピアノ曲では「街角のワルツ」などが親しまれています。
コンガーダとは、アフリカ系ブラジル人に古くから伝わる祭りで、太鼓の音や掛け声などが聞こえてきそうなリズミカルな小品です。

・R.ニャタリ作曲 パポ・ジ・アンジョ(Papo de anjo)
https://youtu.be/awhmX8kc86U
ニャタリ(1906-88、ジナタリ、ニャターリとも表記されます)はクラシック音楽の作曲に加えて、ブラジルのポピュラー音楽の編曲も行いました。
パポ・ジ・アンジョとはお菓子の名前のようで、この曲はピアノソロの他に、ギターと管楽器など様々な編成で演奏されています。
開放的でリラクシングな曲調からはブラジルの景色が目に浮かぶようです。

・A.プラド作曲 ピアノソナタ第4番
https://youtu.be/UuCXermGlPA
・同 夜想曲 13番
https://youtu.be/IZB9bwA-eAk
プラド(1943-2010)はブラジルでピアノや作曲を学んだ後、パリに留学してメシアンやN.ブーランジェなどに師事しました。
プラドの作風は「様々な要素を自在に用いるスタイル」のように自身が述べた通りで、メロディックな楽曲から無調音楽まで色々な曲調の作品を残しています。
プラドはピアノ曲のほかに、オーケストラ作品や声楽曲などを数多く作曲しました。
ここで紹介する2曲は、ピアノの高音域の美しさと複雑なリズムが際立った、どこか神秘的な雰囲気の作品です。


ブラジル人作曲家のピアノ曲に関して、ブラジルのほか日本国内でも、専門で演奏・研究されており、そうした情報がネット上に沢山アップされているのが特徴です。
以下、主なサイトやチャンネルです。

・中南米ピアノ音楽研究所(http://pianolatinoamerica.org/
このサイトには、中南米各国の作曲家に関する、人物紹介・曲目リスト・曲目解説・楽譜やCDの一覧などが詳細に書かれています。
この記事で紹介できていない作曲家たちも網羅しているので、ご興味が湧いた方はぜひご覧になってください。

•Instituto Piano Brasileiro
https://youtube.com/@InstitutoPianoBrasileiro
こちらのYouTubeチャンネルは、ブラジル人作曲家による楽曲(ピアノと他の楽器のアンサンブルを含む)や、ブラジル人ピアニストによる演奏を、1日複数本というハイペースで紹介しています。
ブラジル人作曲家の名前を入れてYouTubeで検索すると、だいたいこのチャンネルの動画がヒットします。笑

・musica brasilis(https://musicabrasilis.com/
このウェブサイトでは、作曲家の紹介やブラジル音楽に関する記事の紹介、楽譜の販売などがされています。
英語のページがあるので、ポルトガル語が分からない方でも情報収集が可能です。

楽譜や音源へのアクセスがしやすいので、お気に入りの曲が見つかった方はぜひ演奏してみてください!
次回は中国のピアノ曲を紹介する予定です。お楽しみに。

参考資料:
https://www.newconsonantmusic.com
(2023年2月26日閲覧)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?