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読書録📚学校はなぜ退屈でなぜ大切なのか


「学校って必要?」
子どもにそう聞かれたらどう答えますか?

私は学校が居心地良かったタイプで、もしこの質問をされたら、
友達と会えるし、勉強ってゲームみたいで楽しくない?
薄〜い答えしか出てこない予感🙄

どういう回答がベストなのか、答えを求めて読んでみました。

こちらの本は、
「学校ってどうせこんなもの」と諦めている学校の先生・そして中高生を想定して書かれたもののようですが、親としても興味深い内容でした。

本書によると学校の機能はざっくり3つ。
居場所(居場所のない子たちの犯罪・非行防止にもなる)
社会化機能(教育から世界の仕組みを、仲間集団から人付き合いを学ぶ)
選抜、分配機能(小作人の子が小作人にならないための教育)

一方で望ましくない学びも。

たとえば、「やっても無駄」と感じてしまう学習性無力感、すべての問題に正しい答えがあると思ってしまう正解主義

そして学校ならではの
「みんなと協力することの尊さ」
「先生の言うことはちゃんと聞きましょう」
「いじめられる子の気持ちを考えましょう」

学校において良いとされる道徳的刷り込み

学校への最適化が社会にも適用できるとは限らず、むしろ、社会に出てからアンインストールしなきゃいけないこともある。
特に正解主義。

じゃあそんなデメリットがあってなぜ、
学校は大切なの?
本書から考えてみたいと思います。

学校はなぜ大切なのか?

そもそも義務教育の目的とは?

教育基本法によると、

教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

教育基本法 第一条より

義務教育は本来、子どもたちを社会の一員にする、適応させる、無難に過ごさせる、ための教育ではないそうです!

自発的に社会を形成していく人ってことですよね。

もちろん学校だけにその責任があるわけじゃないですが、先生ってすごく重い使命背負わされてるんだなと思いました。
これを自覚しながら教壇に立たれている先生ってどのくらいいるんだろう?

学校知=世界の縮図

算数、国語、地理、化学…生きていく上で必要!?って、思うことありませんでしたか?

学校教育より、生活すべてが学び

というこの考え方は、羊飼いの子は羊飼いに、農民の子は農民に、この前提であれば問題ないそうです。

しかし、現代の子どもはそうはいかない。
みな親と違う生き方をする。
そこで必要になるのが「学校知
学校知とは、世界を再構成・縮約したもの
たとえば…
数学→世界を数量的に理解するための道具
歴史→時間軸で過去に遡って私達を知ること
美術や体育→人間が作り出した文化をコンパクトに縮約して身につけるもの

つまり学校で学べる知は、世界の縮図

これにより、子どもたちは生まれ育った狭い世界から抜け出してより広い世界(職業、生活の基礎)へ出ていける。

どうですか?
こう言われて、子どもは納得できますかね?

結局、学校教育のカリキュラムの本質は
世界の縮図
というところにあるようですが、子どもにとってみたら納得はいかない答えなんじゃないかな〜と思いました。

私が実際子どもに伝えるとしたら
「めっちゃやりたいこととかないなら、学校の勉強しておけば、とりあえず無難なんじゃない?
程度のことしか言えないかもしれません😇
だって、世界の縮図とか言われてもね〜

だからこそ学校は退屈

学校知は、普段の生活の中だけで到達できないからこそ意味があるそうです。

多くの子どもたちに「勉強がつまらない」というふうに映るのは、学校の知の本質です。つまらないと思った人は多いと思いますが、学校とはそういうものです。

本文より

開き直っちゃってますね。

先生方は、この必然的なつまらなさを子どもたちが乗り越えられるよう、試験や進学をエサにして勉強に取り組ませる。
結果、"お勉強"になってしまう。
ということなんですね。

いやホント先生って大変だな。

以上をまとめると

小作人の子は小作人に、農民の子は農民に、とならないための教育の場である学校。
算数、国語などの学校知は、世界の縮図を構成するものであり、子どもはその知識を身につけることで民主的な国家の形成者となり、その子どもたちを能力に応じて選抜・分配していく場が学校である。

そして個人の能力の底上げに伴い、社会全体の人的資本の底上げにもつながる。

所感

なんで学校に行かなきゃいけないの?
なんで勉強が必要なの?

本書を読んで、こういった疑問を抱くのは非常に健全なことだなと思いました。
だってそれだけ自分の人生についてちゃんと考えてるってことですもんね。

私のように何の疑問もなく学校教育に乗っかるのではなく、

  • 何のために勉強するのか?

  • どう生きていきたいのか?

  • 自分の人生に学校知をどう活用する?

  • 知そのものでなく、学び方のノウハウを身につける場?

子どもたちには大いに疑問を持って、学校生活を送って欲しいなと。
子どもたちが疑問を持とうが持たなかろうが、ありのままを受け止め一緒に考えていきたいなと思う読後でした。(子どもの課題?)

みなさんは学校教育について、どう思われますか?

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