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他人への批判は《的を得た》と得意顔/自分への批判は《的ハズレ》だと不満顔 【憂世で生きる智慧】

他人への批判は、的を得たと得意顔
自分への批判は、的はずれだと不満顔

他人への批判をするとき、多くの人は自分が正しいと確信し、得意げな顔をする。まるで真実を見抜いた名探偵のような気分になるのだ。だが、自分が批判される側に回ると、その評価がどれだけ正当であろうと、「それは的はずれだ」と反論し、不満顔を見せる。

この現象には心理学的な背景がある。「自己奉仕バイアス」という心理学用語がそれを説明してくれる。このバイアスにより、人は自分に都合の良い解釈をしがちである。他人の欠点には敏感である一方、自分の欠点には盲目になるのだ。これが私たちの心の中で繰り広げられる無意識の自己防衛メカニズムだ。

さらに、人間関係の中でこのバイアスはしばしば摩擦を生む。友人や同僚との対話において、批判が行き交うたびに、お互いが「自分は正しい」と思い込み、議論が泥沼化することも少なくない。そこで一歩引いて、自分のバイアスを自覚することが、より健全な対話を生むための鍵となる。

つまり、自分が批判されるときにこそ、一呼吸おいてその批判に耳を傾けることが大切だ。そうすれば、得意顔も不満顔も和らぎ、建設的な対話が生まれる。人は完璧ではない。批判を受け入れ、それを成長の糧にすることで、より成熟した自分へと近づくことができるのだ。

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