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【詩】

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私の創作した詩を載せてゆきます
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#孤独

先に立たぬ後悔

先に立たぬ後悔

素数が頭から血を流して
死んでいた
死因を調べたところ
自分を嫌って
飛び降り自殺を図ったらしい

特別な存在だと
思われていたはずなのに
老後を思い悩んでいたらしい
素数のことをもっと
考えてやればよかった……

孤独の肖像

孤独の肖像

家族の笑顔に包まれながら
孤独を抱える人がいる
なぜそうなったのか
なにが悪いのか
ぼくにはわからない

祈るだけで
本当の力になっていない
それを悔やんでも迷っても
ぼくの内側をかき回すだけ
力になりたい!

なにが君を
そうさせているんだ
教えてはくれないかな?

発病直後

発病直後

「今日こそなんとかしてやる!」
そう誓いながら毎日登校していた
それが病気だとは信じなかったが
なにかおかしいとは思っていた
クラスの好きでもない女子が
異常に気になってその子を
始終見ていたら気づかれて
それからは下を向いて
授業を受けるようになっていた
その女子を見ずにいられなかったから

授業中ずっと下を向いているのに
「見てる」「見てる」と
ぼくを非難する声が聴こえる
ぼくがその子を
まだ

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十六歳

十六歳

夢を描いて真剣に生きて
誤解を受けて差別されて
そんなことを繰り返していた
十六の頃 すでに
統合失調症を発症していた

逃げたいのに逃げ場がない
友人はみな去り
孤独の中でうろたえていた
世間が化け物小屋に見えた
生きるのが地獄になった

差別を受けたのは
旧友からだけではない
いとこ、床屋のオヤジ、
宗教家、下級生、ただの知人
やけくそにもなるよ!

涙ながらに酒を注いだ
呑んで呑んで
吐いて

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