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RENEWのボランティアスタッフになった理由。【会社をやめて、伝統工芸に出会った話】

こんにちは、森あんじゅです。

みなさんはRENEWを知っていますか?福井県鯖江エリアで行われる産業観光のイベントです。

「RENEW(リニュー)」は、持続可能な産地づくりを目指して2015 年に福井県鯖江市河和田地区でスタートした産業観光イベントです。会期中は普段出入りできないものづくり工房の見学を通じて、作り手の想いや背景を知り、体験しながら商品の購入が楽しむことができます。コンセプトは「来たれ若人、ものづくりのまちへ」。最近では担い手として移り住む若者が増えてきていることから、RENEWでは「移住EXPO」など、産地の未来を醸成する様々なイベントも同時に開催し、地域内外に気づきの輪を広げています。*RENEW公式サイトより引用

普段入れない工房を見学でき、職人さんと話をしたりものづくりの現場を体験できる、そんなイベントです。RENEWをもっと知りたい方はこちらから

*カナエナカさんの素敵なRENEW2018レポート


わたしはこのイベントに東京から来て1週間ほど滞在し、当日ボランティアスタッフとして働きました。2年連続で。今回はそのきっかけと理由について書き記します。

RENEWという素晴らしいイベントを知ってもらうため、そして過去の自分と同じように生き方・働き方に悩む人たちへ当てた文章です。

RENEWのスタッフになったきっかけ

「RENEWのボランティアスタッフを募集しています!」2017年8月、facebookに流れてきた記事にふと目が止まった。学生時代の知り合いだったRENEW事務局森一貴さんの投稿でした。確かアツい長文だったと思います。

男尊女卑 年功序列 セクハラ 「常識」 「当たり前」

溜まりにたまった理不尽に対する感情が爆発し、2年と4ヶ月勤めた会社を辞めた直後のことでした。この頃、大げさに聞こえるかもしれないけど正直社会ってどこもこんななのか?って絶望していました。

もしそうだったらどうしよう、どうやって生きていこう。やりたいことなんてない、ただ毎日しあわせに暮らしたいだけなのにどうしてこんなに難しいんだろうって。考えて、悶々として。

そんなときに先ほどの投稿を見かけたのでした。福井のこと知らないし、時間はあるし、ものづくりは好きだし、何かヒントがあるかもしれない、行ってみようかな。

そんなふわっとした気持ちとなんだか行かなきゃいけない気がする直感が福井を訪れたきっかけでした。

いざ、福井へ。

東京から福井へはちょっと行きづらい。新幹線と特急を乗り継いで4時間、夜行バスだと10時間ほど。

河和田にあるRENEWの総合受付、うるしの里会館へは福井駅から電車で鯖江駅。そこからバスです。電車は1時間に1本バスは2時間に1本くらいなので特に都心から来る人は気をつけないと。

2017年、10月。初めて降り立った河和田にはどこもかしこもRENEWのトレードマークの赤丸だらけ。のぼり・看板・窓のシール、それにスタッフの法被やTシャツ。とってもお祭りモードでわくわくしました。

RENEWで出会った人々。

4日間本当に刺激的でめまぐるしい日々の中、共に過ごした人を紹介します。

まず、地域の人々。きっと色んな人がいるんだろうけど、ここで出会った鯖江の人たちはみなとてもやさしかった。

会社のこと、これからの事を話しても、否定もせずうんうんって話を聞いて一緒に考えてくれたり、経験談を話してくれたり。

知り合ったばかりなのにお宅にお邪魔して夕飯をごちそうになったり、バス乗り遅れちゃってロータリーで困ってたら車に乗せてもらえたり、蕎麦食べてたらお店の人と仲良くなって賄いのワッフルもらったり。人のあたたかさをとても感じました。


それからボランティアスタッフ。アルバイトしたことのないシャイな高校生。福祉系の大学生。会社員として働いている社会人。

みなイベント慣れしているわけでなかったけれど、自己満足の楽しいではなくお客様目線の楽しいを大切にして働いていたと思います。 

これはまた後述するけど事務局の人たちの熱意や想いが伝わって、それがボランティアスタッフの意識を作っていたのだろうなって。

同じようにこれからの生き方・働き方を悩む子達と話す中で、様々な物の見方を一緒に考えるすごく有意義な時間でした。

ボランティアスタッフとして働いて最も嬉しかったことは、辞めた会社で身につけた人材育成の考え方が生きたこと。

たとえばもともとコミュニケーションが得意なのもあり、どうやったらお客さんに上手く話しかけられるのかとよく聞かれました。

【自分がお客さんだったらボランティアの22歳の女の子にどうやって話しかけられたら嬉しいかを考えて接してる事】を伝えたところ、本人が考えて行動し、徐々にお客さんの反応も良くなり、彼の硬かった表情が終わりの方には明るくなってニコニコ働いてたりして。とても嬉しかった。

会社員の経験は決して無駄じゃなかったと、すこし自信になりました。

最も印象的だったのは、何よりRENEWを中心になって作っている人達。

RENEW事務局、中川政七商店(2017年のRENEWは政七商店とのタイアップでした)、各工房の人々。

このイベントを良いものにしたい。いつも作っているものの良さを知ってほしい。そこにいる全員で協力して、作り上げたい。

そんな気持ちが事務局の人たちから周りの関わる人全てに、そしてお客さんに伝染しているような雰囲気。

出会う人全員が初対面でしたが、みな楽しげにイベントへの想いを語ったり、ものづくりのこだわりや難しさを語ったり…そんな素敵な人ばかりで力になりたいと思いました。

それと同時に情熱と愛があって、こんなにも楽しそうに目をキラキラさせながら働き、仕事の話をする大人たちがいることにそれはとても感動したんだよね。(だれもいない帰り道でスキップするくらいでした。笑)

RENEWで出会った人々は本当に素敵だった。知らなかっただけで社会にはこんなに素敵な人たちがいたんだと。自分の世界がちょっと明るく広がった瞬間でした。

RENEW2018もスタッフとして参加した。

そんな物凄い影響を受けた2017年。帰路につく時にはまた来年も必ずスタッフで来ようと思っていました。このイベントがとても好きで勉強になる上に、また会いたい人がたくさんいたから。

今年は特別展「まち/ひと/しごと展」が開催され、北は山形、南は鹿児島からその地域で熱く活動されている21団体が鯖江に集まりました。正直ものづくり関係の情報にまだまだ疎く、知らなくて申し訳なかったと心底思うくらい素敵な人たち。

ものづくりへの想いと情熱の話が聴けて、それが形になっているプロダクトをその場で購入できるなんとも贅沢な展示でした。

そんな展示で購入したものは別記事にまとめました。checkしてみてね。

今回のRENEWで特に印象に残った事。

うなぎの寝床・白水さんがトークイベントでおっしゃっていた「伝統だからといって必ずしも継承しなければならないわけじゃない。」との一言。

継承も大事だけれど、技術の記録などアーカイブをしっかり残して綺麗に終わることへの手伝いも大事だと。当時のわたしがあまり耳にしない考え方でしたが、これは確かに間違いなくそうだと思いました。伝統工芸を作っている当事者の思いと向き合いサポートしていく。共に歩むことを忘れてはいけないですね。

②「去年、RENEWに来てこんなに目のキラキラした大人がたくさんいることに感動したんです。」と言ったら「それは私たち出店者も同じだと思いますよ!」と言われたこと。

ボランティアのわたしと出店者の方が同じ気持ちを抱いてることに驚きました。そして世の中、目をキラキラ働いてる人はやっぱり少ないのかもしれない。すこしでも増えていったらいいなあ。そう思いました。


2017年と2018年。

ボランティアスタッフとして参加したRENEWでは、それぞれ学びがあって
世界が広がり、見かけるお客さんがニコニコしていて楽しそうで(いやな思いをした人がいないか心配になったりするけれど)RENEWでの経験はかけがえのないものだと感じています。

RENEWとわたし。

RENEWのボランティアスタッフになったきっかけと理由。いかがでしたでしょうか。

さっとまとめるなら、きっかけはひょんなことから。2年連続でスタッフになった理由は、そこにアツくてやさしくて会いたくなる人たちがいるから、集まるからです。

スタッフならより近い距離でその人たちの仕事や考えや価値観を見ることができます。そのような経験が刺激的で楽しいからです。

だから、この記事を読んでくださっているあなたもぜひRENEWに行って体感してほしい。

そこにいるアツくてやさしい人たちに出会ってほしい。
そんな人たちが作り上げるイベントを知り、楽しんでほしい。
イベントをきっかけに日本のものづくりに触れてほしい。
願わくば日本ってこんな素敵な側面があることを知ってほしい。

その想いでこの記事を書いています。もし出来るならスタッフとして作る側にまわり、より作り手に近い距離で楽しんでほしいです。特にものづくりが好きな人、2017年の私と同じように働き方や生き方を悩んでる人はぜひ。

きっと、ちょっと新しい自分に出会えると思います。


ではまた。読んでくださりありがとうございます。

シンプルに、心地いい。そんなモノと暮らしが好きです。

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