《某駅北口にて》 デパートの入口でバルーンを配るお兄さんと選挙演説の掛け声をばら撒く被選挙者。体感気温30℃の真夏日陽気に、汗ばむ両者はその点において違いは無い…
「不滅―滅ぼし得ざるもの」 〈プロローグ〉 「前向きな死というものは果たして存在するのでしょうか」 ベッド横の丸椅子に座った彼は、私に問いかけるというより…
間について疑問を持つようになったのは、ちょうど3年くらい前の夏、ハイデガーの「存在と時間」を読み始めたことがきっかけであった。今思えば前提知識も無しに良く読み…
やっさん
2022年6月23日 19:29
《某駅北口にて》 デパートの入口でバルーンを配るお兄さんと選挙演説の掛け声をばら撒く被選挙者。体感気温30℃の真夏日陽気に、汗ばむ両者はその点において違いは無いが、後者の方が真剣に見えるかも知れない。だが前者の方が社会の歯車である点において、好感度の高い印象がある。無論バルーン配りの好青年が金持ちの道楽や社会経験の一貫で、当該の行為を行っていた可能性は無いとも断言出来ない。またwithコロナが
2022年6月5日 00:32
「不滅―滅ぼし得ざるもの」 〈プロローグ〉 「前向きな死というものは果たして存在するのでしょうか」 ベッド横の丸椅子に座った彼は、私に問いかけるというより、宙に向かってイマジナリーフレンドに話しかけるようにそう呟く。私は引き出しから真っ新なコピー用紙を二枚ほど取り出し、一枚を彼に手渡した。「ありがとうございます」 彼が礼節をわきまえた人間であることは、私と過ごす共通の時間において、
2020年9月12日 00:14
間について疑問を持つようになったのは、ちょうど3年くらい前の夏、ハイデガーの「存在と時間」を読み始めたことがきっかけであった。今思えば前提知識も無しに良く読み始めたものだと思う。ちょっと前にはシュタインズゲートというアニメのなかで「人間は根源的に時間的存在である」という言葉が出てきたこともあり、思ったよりも哲学は身近になりつつあるのかなと感じた。まぁ精神的に近づいたからと言ってより深く理解し