続・全くの素人が彫塑で藤井風フィギュアに挑戦する<第4回>
「破壊と構築」な毎日
石粉ねんどでの藤井風フィギュア、彫塑に取り掛かってからというものの、ダラダラしているうちに夏休みも後半に突入してしまいました。
粘土作業で一番困るのが「手が汚れること」
そんなの当たり前じゃないか!といえばそうなのですが、何かと並行して作業することができません。
石粉ねんどは、前回のフィギュアを作ったときに使った彫塑用ねんどに比べると、さらさらしていて匂いもありません。溶剤の代わりに水を使うので油っぽさもない。テクスチャーはちょうど泥です。泥だんごを作った手が、乾いてガビガビになった状態に近いかもかも知れません。手をせっけんでていねいに洗いさえすれば、すぐに次の作業に取り掛かれるのが便利です。
ところが、それが度重なると、なかなか面倒くさかったりします。
特に子どもの学習などに付き合いつつ「ちょっとここ見て!」などという時、真っ白でガサガサになった手では鉛筆も持てません。これが、夏休みも後半になると頻繁に起こるように。しょっちゅう洗面所まで手を洗いに行くのが面倒くさい。無精者なので、ついついヘラだけでできる作業に偏りがちでした。
で、ようやくお盆にかけて学習監督が増員したのを良いことに(笑)、少しずつ手を入れた結果がこちら。
胸から上の胸像 音楽室のベートーベンをイメージ
なんだかちょっとしょんぼり見える。夏バテか?
角度とライティングを変えると、また表情が違って見える
頭部の直径は約3cm。前回のフィギュアよりかなり小さいこともあり、なかなか苦戦しています。横顔はずいぶん雰囲気が近付いてきましたが、まだ正面から見ると何か違和感を感じます。何より、自分で納得のいくお顔になっていません。
実はこの顔に至るまで4回ほど、のっぺらぼうにして作り直しました。前回と同じ人物、しかも顔の特徴を覚えるほど見ているというのに、頭部を小さくするだけでこんなに苦労するとは!
義母に言わせれば
「頭部なんて最初は一体につき、何十個作ったことだろうね。何回でも、何個でも作っては壊すことの繰り返しだってば。まさに『破壊と構築』だからね。どんどんやれば。そんな急いで完璧なものを作ろうと思わなくてもいいから(笑)」
うーん、お気軽に破壊と構築してればいいんでしょうね。粘土は再利用できますし。
胸から上の胸像、いわゆる音楽室にいたベートベンの石膏像的に、風さんを石膏像風に作ろうという試みです。最終形は洋服を着た胸像になるのですが、解剖学的に骨格や筋肉のベースを正確に作っておくほうが、服を着せた時もシルエットが自然な美しさになるということで、鎖骨の位置や胸、背中の筋肉も肉付けしながら作っています。
藤井風さんも将来、著名な彫刻家の手によって胸像作品となり、いつか母校の音楽室(校庭?)に飾られる日が来るかもしれません?!
しかし、可能な限り自然で本人に似たお顔にすることのハードルの高いことよ…。精巧なフィギュアを作っておられる方の作品に触れるたび、平面を立体に起こすって、すごい技術だなぁと驚いています。
Twitterで偶然見つけた糸島製作所さんの作品
わたしも大好きな横溝正史シリーズ「犬神家の一族」
制作過程も載せてあって、その精巧なつくりに驚きました。頭髪もヒゲも全部粘土で作っているのにアニメっぽくない。何よりこんなに小さいのに、細部まで作り込んでいるのが素晴らしいです。周辺小物へも愛情をこめて作っておられるのに親近感。個展もされていたようです。
フィギュア制作はYouTubeやtwitterでランダムに情報収集して勉強中です。アニメキャラ以外で、リアルな人物フィギュアを制作されている方は、案外少ないように思います。
もうすぐ8月も終わりですが、パンデミックの収束が見えない状況が続いています。夏休みが明けるのかどうか、保護者としては心配でもありますが、仏を彫るような邪念のない心で(笑)彫り続けたいものです。納得がいく、もしくは妥協できるまで、がんばってみようと思います。
これからの藤井風フィギュア、続編を綴ります。
藤井風フィギュア、第一作の制作過程、全22回の記録はこちら
藤井風さんのこと、いろいろ書いてます
画像引用:藤井風公式HP
#フィギュア #2021チャレンジ #コラム #ライター #記者 #美術 #アート #彫塑 #粘土 #人形 #ピアノ #キーボード #音楽コラム #音楽 #藤井風 #藤井風フィギュア
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?