藤井風が「かわいい」ってなんだろう?
「守ってあげたい?」
藤井風はファンの皆さんに「かわいい!」と、よく言われています。たしかに彼の仔犬のような表情や、モジモジしている仕草、舌足らずな話し方は成人男性にもかかわらず「かわいい」と感じる方も多いでしょう。
でも……
「かわいい」って、一体どういうこと?
実はその気持ちの裏には、必ず
「その相手を支配したいという欲求が隠れているもの」
なのです。
精神分析家のメラニー・クラインの著作集に「妄想的・分裂的世界」という一編があります。
極端な例かもしれませんが、植民地支配の大義名分が、大抵はその土地の住民を保護する、つまり「守ってあげる」ためであるのと似たようなものだったりします。
「お世話したくなる?」
「守ってあげたいタイプ」には、「自分が付いててお世話してあげないと、ダメなんだよね」と感じてしまうものなんでしょう。
ちょっと疲れた顔を見せると
「ちゃんとご飯食べてる?」
「さっきの車で送ってきた人、新しい恋人?」
って声を掛けてくるご近所のおばさんか、まるでオカンです。
ひとり暮らしの時は、そういうおばさんの存在も、ありがたいものです。それでも度が過ぎると「うっせーな、ほっといてくれよ!」とウザがられるので要注意ですね(笑)
「保護・理解・所有・支配」 そして征服という欲求
逆に、頼りがいのある人に「守ってほしい」「保護して欲しい」という欲求を持つ人もいます。
彼らは言い換えれば「支配して欲しい」「自分を征服して欲しい」という欲求を持つ人びとである、とも言えます。
何が言いたいのかというと……
人間は恋愛をすると互いに、相手を保護、理解、所有、そして征服したいという欲求を持つ生き物である
ということなのです。
そう考えると、互いに理解し支配したい、されたいという願望が満たされた時点で、愛し合う二人の恋愛感情は一体どうなるのか…ですね。
「推し活」と「恋愛感情」
わたしがnoteで、たびたび書いてきた「推し活」も然りです。推し活における心の動きは、恋愛にとてもよく似ています。
メラニー・クラインの著作を読むと、恋愛というものは、互いを完全に理解することもなく、保護や支配もされずに「付かず離れず」が理想的なのかも…と思ってしまいます。
恋愛と似ている「推し活」も然りですね。
なぜなら、自分の心も常に変化し続け、永遠に誰のものにもならないのと同じく、推しの心だって誰のものにもならないのですから。
すべてを知りつくそうとせず、アーティストとの適度な距離感を大切に、ミステリアスな存在に憧れ続けるのが、案外、長続きする秘訣なのかもしれません。
画像引用:藤井風公式Instagram
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