見出し画像

藤井風 HAPPY HOLIDAYS 2023 - ねそべり配信 ”耳福”ポイント

自分用のメモから、特に好きな箇所や耳に留まったフレーズを書き出しました。
はじめは視聴しながら
「ここ!」
「これ、これだってば!」
とブツブツ言っていたのですが、自分が聴き直す時のガイドを作ることに。

聴きながら書いていくうちに、驚きや感動、感激が噴出。
いつの間にか、あきれるほどに長くなっていました。


聴けば聴くほど「やっぱり只者ではない、藤井風」


藤井風が2年ぶりに行った弾き語りライブ配信。
彼の「元気な姿が見られるだけで幸せ」な人もいれば、「普段聴けないトークを楽しむ」人、そして「音が聴けるだけでも満足」な人もいます。

視聴する人たちの目と耳、そして心まで温かくしてくれるパフォーマンスの数々。
久しぶりに「鍵盤を操る手元がよく見える」のもうれしかったです。年末で仕事納めもまだなのに、彼の音楽にどっぷり浸ってしまいました。


My耳福ポイント(演奏順)


がん‐ぷく【眼福】
貴重なものや珍しいもの、美しいものなどを見ることのできた幸福。また、そういう幸福に会うこと。目の保養。

精選版 日本国語大辞典


「眼福(がんぷく)」
という言葉がありますが、日本語では「耳福」という言葉は、一般的に、まだ定着していないようです。

人は好きな音楽を聴くと、気分が良くなったり、幸せを感じたりします。これはまさに「耳が喜んでいる」状態ではないでしょうか。

わたしは藤井風の楽曲や演奏はまさに「耳福」だと思っています。
以下に演奏順に「耳福」ポイントを並べました。

・SEVEN / jungkook

左手ベースのリズムとグルーヴ感が完成している。以前から弾き込んでいた?ような感じがする。
2ステップ、ガラージュ風のサウンドをピアノで再現するには、左手のベースラインと右手のコードバッキングのコンビネーションが肝。つまり両手の打鍵タイミングが命なのだ。藤井風のアレンジは、こんなダンサブルな曲でも原曲のグルーヴ感を損なわない。激しく打鍵してもリズムが狂うことのない彼の左手(特に親指と小指)は、すごいと思う。

「SEVEN」はいわゆる「丸サ(Just the Two of Us)進行」で、メロディーにはペンタトニックスケール(ヨナ抜き音階)が使われている。この2つは藤井風の楽曲にもよく使われており、彼も気になっていたのでは?と思う。

・やば / 藤井風

カバーではないが、ピアノ弾き語りで聴けたのがうれしい!自曲なのに歌詞がグダグダなのもご愛敬。

・OMG / Newjeans

きっと大好きな曲で、自分でも音を採って練習していたのだと思う。
左手ベースのアレンジ(刻み方)と右手でトップノート(メロディー)を弾く時、必ず装飾音を弾くのがたまらない。

さすが藤井風だと思うのが「もう、その音が有るのと無いのとで全然違うの、わかってる」ところ。つまり楽曲のツボを押さえているところ。

持続音(同じ音量で伸ばせる音)で音程の切り替えがスムーズな声のニュアンスを、減衰音(だんだん消えていく音)で音程が分割されているピアノで表現するのは難しい。けれどもボーカルがしゃくったり、ポルタメント気味に歌ったりする音も、ちゃんと拾って弾くの、最高!となっている。

小指を駆使し、黒鍵から白鍵へすべらせて弾くのもすごい。強拍と弱拍のタイミングも、欲しいポイントにカッチリはめてくる。

そしてピアノを弾く人ならわかると思うが、リズムに乗ってくると拍子と身体が連動して自然な揺れ方をする。
藤井風も後半「Oh my oh my God~」のところから自然と身体が横揺れになってくる。「そこからはレイドバック気味に裏拍でリズムを取りながら弾きたくなるよね!めっちゃわかる……。」となるポイントだらけだった。

・ ETA / Newjeans

これも「OMG」と同じく。サビの部分では「SEVEN」と同じように左手のベースラインのうねるグルーヴ感に圧倒される。リズム感もだが相変わらず左手、すごい。

・Nigit Dancer / Imase

鍵盤のタッチがまた独特。ジャジーさが増している。原曲は軽やかなボーカルがPOPな雰囲気だが、藤井風が演奏すると超ブルージーに聴こえる。 ブルーノートスケールでポロポロとアウトロっぽく弾くところが、またカッコよくてしびれる。これを聴いていると、彼が2022年に急きょRSR(ライジングサン  ロックフェスティバル)でVaundyの「napori」をカバーした時のことを思い出した。


・ Kill bill / SZA

リハーモナイズでより美しいコード進行に。
Taylor Swift / Shake It Offの弾き語りアレンジのようなしっとり感
が加わっている。
元コードとコードの間の裏コード、フレーズ終わりの裏拍などがフックになり、より洗練された雰囲気に。経過音の入れ方がツボ。こういうコード進行でアレンジしてしまうところが藤井風らしさだと思う。


・日常 / Official髭男dism

「ここでイントロに戻るの神」
POPで甘く、キャッチーでおしゃれ。多くの老若男女の心をわしづかみにしつつ、セールスも好調な国民的バンドOfficial髭男dismの音楽ですもの。当然、意識するでしょう。それにしても、こういった楽曲構成に関する話をしてくれるのは、とてもうれしい。

・Have Yourself A Merry Little Christmas / Judy Garland

このような良質な音楽を、数多く聴いて育ってきたことをうかがわせる安定の歌唱。キーが高いと思い、C→♭Bへ瞬時に2度下げて歌い出せるところ。変わらぬ移調能力と相対音感も素晴らしい。


・何なんw / 藤井風

彼がどんなに嫌がろうとも、わたしは「何なんw」を偏愛していると言ってもいい。渋公ライブのピアノにむしゃぶりつくように弾く「何なんw」のピアノが好き過ぎて、ステイホームの間、なんども何度もピアノで弾いたものだ。

「何なんw」は毎回、欠かせない彼の代表曲。なのでおそらく、”お家芸””持ちネタ”的に嫌がっている。何かしら趣向を変えたい気持ちの表れなのでは。
嫌がるポーズは、マンネリ化を避けたいがピアノ一本の弾き語りだと、なかなかそうもいかない→どうしよう→でも最高の演奏を楽しんでほしい→まぁなんかやってみるか……のジレンマからくる”嫌がり”なのではないかと見た。
「何なんw」は、彼にとって大切で大好きな誇るべき曲のはずなので。

「何なんw」弾き語りver.では左手のスイング感がカッコ良過ぎる。これは彼が「何なんw」を弾き語りするたび、繰り返し言っている。スウィングしながら左手でウォーキングベースを弾く様子が、リアルタイムで観られるのがたまらなかった。

「何なんw」は、オリジナルver.が素晴らしいのは言うまでもない。だが今回のライブ配信では、いつもと違うver.(クリスマスっぽいアレンジ?)を披露して皆を楽しませたい、という彼の心意気が伝わってきた。

 迷いながら鍵盤を探る中、思わずミスタッチ(と思われる)をして「気持ちわるっ!」となるのも彼ならでは。ゆる~くアバウトなようでいて、音には一切妥協を許さない職人気質な一面を見た。

 こういうところは生粋のエンターテイナーであり、確固たる技術と音楽性を併せ持つ”藤井風ならでは”。それが彼の魅力でもあるんだよだなぁ。

確かなピアノの技術、音に対する感受性の高さ


彼の動画ではおなじみ”打鍵が強くて鍵盤ガタガタ音”も健在だったのがうれしい。指と鍵盤の動きを通して、彼がどこでビートを感じて、どのタイミングでリズムを叩き出しているのかが”見える”のだ。目と耳で手に取るようにグルーヴを体感できるのが楽しい。音楽が楽しすぎて時間が溶けてゆく……。


誰もが仕事や家事などの日常に追われる毎日。
そんな中、わずかな時間でも「好きな音楽に没頭できる」って”最高の贅沢”だと思う。

今年も残り10日ほどとなった。
少し早いけれど、2024年も素敵な音楽と出会えますように。


藤井風さんの記事は、これで55本目。
これまでの記事は こちら ↓


#藤井風 #藤井風ねそべり配信  #nesoberi #fujiikaze #Vaundy #JungKook_Seven #NewJeans_OMG
#わたしの仕事 #私のプレイリスト #音楽 #音楽レビュー #邦楽
#コラム #何なんw #心理学 #記者 #ライター #日記

この記事が参加している募集

私のプレイリスト

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?