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かたはらいたきもの

インパクトとわかりやすさが命のツィッター

最近面白いなぁと思っていることがあります。わたしの文章はインパクトとわかりやすさが命のツィッターでは全くバズりません。

それはなぜか?…面白くないから(笑)もう、身も蓋もありません。ワンセンテンス自体は短くを心掛けているのですけどね。しかしユーザー層の違いからかnoteでは、そこそこ読まれているようです。ありがたき幸せ。

何が「かたはらいたし」なのか 

ところで、「かたはらいたきもの」って何だと思いますか?清少納言は「枕草子」で「かたはらいたきもの」の例えとして

「才ある人の前にて、才なき人の、ものおぼえ声に人の名など言ひたる。ことによしともおぼえぬわが歌を、人に語りて、人の褒めなどしたるよし言ふも、かたはらいたし。」

<現代語訳>

教養のない人が学問・教養のある人の前で、知ったかぶりをして得意げに「〇〇は~」と有名な人名(歴史上の人物とか学者とか)を出して語っている。ことすらよいとも思えないような自分の歌(ここでは記事や文章)を人に話して「こんな風にほめてもらったんだよ!」なんて語っているのも、そばで見聞きしているとみっともないものだなぁ。

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学研全訳古語辞典Weblioより

清少納言にバッサリ斬られたい

さすが元祖ブロガーで随筆家の清少納言パイセン!誰もがモヤッとしていることを的確に言い当ててしまうところに、視点の鋭さを感じます。

ちょっと意地悪なことも書いている(とも感じる)のですが、言いにくいこともバッサリ斬ってくれそう。彼女とは話題のカフェでダラダラとどうでもいいトーク(笑)に花を咲かせる…なんてできたら楽しいでしょうね。

SNSにおける「かたはらいたし」現象

それにしても、あぁ、わたしはなんとみっともないことをしているのでしょう。トップ画像にこんなものを貼り付けて「こんなに読まれました!」とアピールするなんて!まさに「かたはらいたし…」と思って見ておられる方がいらっしゃるのではないでしょうか。

これには言い訳します。noteのシステムってスゴいんです。運営さんから「あなたの記事は先月、今月、今週、最も読まれた記事です」「ランキングに入りました」「これだけたくさんの数スキされました」「皆さんにTweetしませんか?」と怒濤のようにお知らせが届きます。

PVとスキ♡の数は随時カウントされています。どのぐらい読まれているかも視覚化されていて、その上noteへアクセスするたびポップアップで「うれしいお知らせ」が通知されるのです。全部スクショしているわけではありませんが、一部はこんな感じです。

記事ごとのPVとコメント、スキの数が一覧できる

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2021/10/9 現在はこんな様子 

ふだんは大したことがないのですが、ショパンコンクール記事のPVが飛躍的に伸びました。まさかそんなに読まれるとは思っておらず…驚いています。

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こちらはショパンコンクールの記事ツイートのアナリティクス

ツイッターの通知表示がバグっているのでしょうか?20件以上リツイートされているにも関わらず、アナリティクスでは7件の表示です。しかも45いいねしかありません(笑)
noteとは、PVの落差がすごいです。

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あと「うれしいお知らせ」のポップアップはこんな感じ。

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まさに“あおり運転”ならぬ“あおり運営”さんです(笑)

あおられる”ユーザーの承認欲求”

で、本当は何が一番面白いか。noteでちょっとバズったからといって「これだけの人に読まれました。ありがとう!」って記事をupするかどうか躊躇していたことなのです。

まさに、これこそが「かたはらいたし」行為だと自分でわかっているだけに心が痛い。それなのになぜこの記事を書いてupしてしまうのか。その理由とは…

だってnoteの運営さんが「うれしいお知らせです。この記事をみんなに教えてあげましょう!」って言ってきたんだもん

このnoteからの「うれしいお知らせ」「読まれてます=読んでください!」と”合法的に”アピールしたいという自分のショボい承認欲求をダイレクトに刺激してくるんですよね。自己顕示欲をふんわりとオブラートに包んでくれます。

「読んでね!」と言えない奥ゆかしい人には、うってつけの「うれしいお知らせ」。バズりたい、注目されたいという欲望をむき出しにせず、アピールできます。何よりほめてもらえるのは、うれしいものですよね。


こじらせるとやっかいな承認欲求と自己顕示欲

Twitterでこんなつぶやきを拾いました。アメリカの心理学者アブラハム・マズローの欲求5段階説です。人間の欲求の中でも「承認欲求」は高次の欲求と考えられています。

ばく@夢で食べる人さん@baku2008skyのtwitterより引用

欲求5段階説のピラミッド 

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http://marketing-trend.net/maslows_hierarchy_of_needs/より

ヒトは衣食住が満たされ、社会の一員として生活していても、自分が集団から価値ある存在と認められたいのですね。そしてさらに権力や名誉、注目を得ることを求めます。

・「注目されたい」という欲求に固執するあまり「映え」にこだわる。

・過激な発言や画像が増えると、反応として「いいね」がつく。

・注目されたいがためにSNSにのめり込み、客観的な言動を欠いてしまう

これは問題です。

でも、承認欲求と自己顕示欲は誰にでもある自然な感情です。うまく付き合えれば、自分の能力を最大限に伸ばすことができる可能性を秘めています。

「ほめて育てよ」はまさにこのシステム。相手の能力を認めることで自信を持たせて伸ばしていこうという考え方です。

「かたはらいたし」と向き合ってみる

いやはや、さすがnoteの運営さん、よく考えておられます。やられました。たかだかこの程度のPVごときでバズっていると思うのは「かたはらいたし」ことです。

それでも心の声(承認欲求)が「もう一生バズらないかもしれないから、noteの運営さんに乗っておけば」ってささやくんですよ。もう認めて一生の記念にupします。

こんなこと書いたらフォロワーさんもPVも激減するかも。でも音楽をやってたり、文章書いたりする人間で承認欲求低めのヒトなんていません。もうええわ~♪


インターネットの海は広くて深い
藤井風というフィルター越しに見える世間


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