まったくの素人が彫塑(ちょうそ)で藤井風フィギュアに挑戦する<第20回>
彫塑での藤井風フィギュア、週1回で記事を更新し続け、気が付けば連載20回目を迎えました。今週は頭髪の仕上げと両腕の接着、本番用の靴の制作です。
腕を接着するにあたり、角度を決めなければなりません。風さんフィギュアにはトイピアノの鍵盤に手を置いて固定することにしました。
モノクロで撮影すると何となくリアリティが。KAWAIのトイピアノは10年前に娘が生まれた時、実家の両親がプレゼントしてくれたもの。ただいま風さんフィギュアが練習中(笑)
このフィギュアは渋公のステージでGrand stageを弾いている時の風さんのイメージなのですが、まだキーボード制作までは手が回らず。
渋公ライブで弾いていたKORGのキーボード、Grandstage
長年連れ添った楽器は、もう苦楽を共にしてきた相棒というか、家族のような存在。風さんと沢山のステージやライブ、練習を共にしてきたこのキーボード。風さんフィギュアにも、ぜひ作ってあげたいと思います。
ちなみに鍵盤弾きのわたしは、藤井風さんとおソロで、このキーボードが欲しくてたまりません。でも、このタイプのキーボードってスピーカー内蔵ではありませんし、他の楽器に比べて場所を取るんですよね…。
取り急ぎ、風さん本体が完成してからGrand stageの制作に取りかかります。それまではトイピアノで練習してもらう予定です。小さくても一応、正確な音程で音が鳴りますし。夜中にホントに弾いてくれてもええんやで、風さん…(笑)
植毛作業も最終工程に
頭髪の植毛も仕上げの段階です。おでこやこめかみの生え際、頭頂部などが自然な感じに見えるよう、毛束を少量ずつ取り、木工用接着剤とヘアアイロンを使って植毛しました。
くるくるカールスタイルの印象が強い藤井風さんですが、写真でよく見るともともと少しクセのある毛質のようですね。「青春病」のころのストレートヘアも魅力的ですが、豊かな毛量と地毛のくせを活かしたウェーブスタイルが、彼の顔立ちに一番しっくりきているような気がします。
こういうショットを見ながら生え際の研究
髪の生えている方向などを拡大して観察
ある程度、毛束を不揃いにしながら植毛していきます。あまり整然と植えてしまうと不自然でカツラのようになってしまう。
毛の生えている方向や流れ、毛束感は結構、大切
水で溶かした木工用接着剤を毛束に塗り、ヘアアイロンでカールを固定します。束感とツヤをキープした毛束を植える作業は梅雨時でも暑い!本格的な夏が来る前に、この作業が終わってホッとしています。
靴の制作も最終仕上げ
足の形も結構、複雑です。先週作った型紙通りに布をカットし、靴ひもの通る穴には目打ちで穴を開けました。靴ひも代わりにレース編みのコットン糸を通しています。つま先部分は電気絶縁用の白いビニールテープ、靴の布地と足との接着は布用の両面テープを使いました。
裁断した生地の裏側に両面テープを貼り、足の形に添わせていく
靴のサイド部分のゴムは、アイロンで接着できるお名前テープ(無地で白色、100円ショップで購入)を細く切って使用
コンバースの赤と紺のラインは手描きするか悩みました。下書きしたところ、うまく色が出なかったので電気絶縁テープの赤色と黒色を細く切って貼り付けています。
白色テープの上から、赤色テープを貼り付ける
ALL★STARのロゴマークは、パンツの裾でほぼ隠れて見えなくなります。どうするか迷ったのですが、手描きしました。
小さくて見えませんが、ロゴの下にMADE IN JAPANも一応書きました(半分消えかけている)
拡大すると粗が目立ちますが、ほどよいユーズド感(笑)ということで
いよいよ両腕の接着
「さて、髪の毛もいい感じになったんじゃない?腕を固定したら、そろそろ風さんともお別れね」
「え?お別れって!お嫁に出すわけじゃあるまいし(笑)」
「風さん作りとは、いよいよもうお別れかな?ってこと。まぁ、第2弾もあるのかもしれないけれど?!しかし…こうやって見ると、やっぱり風さんに見えるし似てきたわ。もうほぼ完成形よね」
「ほんとですか!うれしい…」
「さて、腕のポジションは決めてきた?」
「はい、キーボードを弾いている角度で、肩の開き具合はこんな感じです」
「じゃ、カットソーのえり部分を少しほどいて。取り合えず先に袖を通しておいて、えりから肩を接着したほうがいいわ」
「木工用接着剤がよくなじむよう、断面には水分を含ませて柔らかくしておいてね」
肩の断面と鎖骨に当たる骨に木工用接着剤を塗り、差し込んで固定
腕の重みで外れそうになるので、乾くまでヘアゴムで縛って固定しています。上半身には何も着ていませんが、一瞬、この白タンク写真を思い出しました(笑)
同じ白タンクでも「帰ろう」と「へでもねーよ」では雰囲気がガラリと変わりますね
今後の課題は「爪をどう細工するか」
「指は後から鍵盤に合わせて少しずつ広げたり、動きを付けるといいよ」
「そうですね。実際にキーボードを作った後で指を乗せて調整します」
「爪をどうするか。わたしは最初、ペンチで型を付けたりしてたけど、指先が平たくつぶれちゃうんだわ。最終的には、爪の輪郭に沿って自分の爪で型を付けるだけにとどまったかなぁ。まぁ、あんこさんみたいに手の甲に筋を付けたりするほど、手にはこだわってなかったからだけど(笑)」
「いや~、風さんは顔より手を見てる時間が長いくらいですから(笑)手にはこだわりましたよ!しかし爪の表現が難しいですね…。ちょっと色々、研究して試行錯誤してみます」
「うん、そうしてみて。しかし、よくここまでたどりついたもんだ!キーボードの材料はドールハウスを作っていた時の木材が残ってるから、よかったら使って。あともう少しだから、がんばって!」
というわけでGrandstageのキーボードとスタンドを作り、手を乗せてみて指の位置を調整しないと完成しないことがわかりました。まだ先は遠い…。
まったくの素人が彫塑(ちょうそ)で藤井風フィギュアに挑戦する企画。2021年事始めの第1回から第20回まで、お付き合いくださった方も、今回初めてご覧くださった方も、お目通しくださりありがとうございます。完成までもうしばらく…引き続き、温かい目で見守っていただけると幸いです。
定期的に”藤井風フィギュア”が完成するまでの歩みを綴ります。これまでの記録はこちら。
藤井風さんのこと、いろいろ書いてます。
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画像引用:藤井風公式アプリ、藤井風公式YouTube
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