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女の子と、キス
起業家という道を経て、今は二作目の出版を目指している橋本なずなです。
おはようございます!
きっとこれを朝に読むあなたは、立派な社会人なのでしょう。
朝から何を書いてんだ、と思われそうなタイトルですが、残念ながら私の中では今はまだ夜。
昨夜の酔いが抜けておらず、数時間眠った後にnote書きてぇとうずうずしたので書いています。
これを書き終わる頃には太陽はきっと顔を出しているけれど、私は再び眠りにつくことでしょう。
立派な社会人の皆さん、一足先に今日もお仕事ファイトです…!(私もあとから頑張ります)
女の子と、
誤解を生みそうなタイトルですが、女の子とキスをした話ではありません。
『 女の子と、』と『 キス 』、別々のお話が2つあります。
昨夜、一人で飲んでいた時に、韓国アイドル『 Billlie 』のリール動画を観ていました。
韓国アイドルと言えど、Billlieのメンバー・ツキちゃんは日本人。
いつも、可愛いなぁ、お人形さんみたいだなぁ、と思っています。
時折ツキちゃんのメイクを参考にしたり、彼女がモデルを務めるカラコンを使ってみたりしています。
そんなワケですが、この動画を観て私が思ったことは全く別のことでした。
「 女の子が音楽にノッて、踊って、そんな風に楽しめる時代で良かった 」
ふと、何故そんなことを思ったのかは自分でも不思議です。
予測でしかないけれど、古い日本の時代や、今もなおどこか遠くの国、宗教観念の根強い場所なんかでは、こうして女の子が踊ったりはしゃいだりすることを良しとしないこともある(あった)のではないかと思うのです。
約一年前。
『 10歳で私は穢された 』を出版した際、そのオファーのきっかけとなった記事を書いてくださった朝日新聞社の記者さんに献本をお送りしたところ、お返しとして『 女の子がいる場所は ( 著者:やまじえびね ) 』という本を頂戴しました。
“女の子だから” というだけの理不尽なジェンダーギャップを取り上げた内容で、読み易さも兼ねた素敵な一冊でした。
いま、私は令和の日本に生きていて、ジェンダーによる不平等さを全く感じないわけではないけれど、いつかの時代、どこかの場所に比べたら、きっとより良い時代になっていると思う。
だって、女の子でも音楽にノッて踊っていいんだもん!はしゃいでいいんだもん!
なんか、幸せだな、と思った夜でした。
キス
そんなことを考えながら飲んでいると、お仕事終わりの彼がやって来て、1杯、2杯と飲んだところで一緒にウチに帰りました。
程々に酔っていた私と、クタクタに疲れていた彼。私たちは歯磨きだけしてベッドに飛び込むと、ものの数分で眠りにつきました。
目が覚めたのは夜中3時頃。
夜中に目を覚まさせるものなんて、性欲しかありません。(※そんなことはない)
身体に残る酔いが程良く開放的にしてくれて、私は彼の寝込みを襲い、無事にセックスをいたしました。
事が終わった後、彼の腕のなかで眠るのが大好きです。
伸ばされた彼の左腕に頭を乗せて、私を包むようにして覆う右腕。
折り返すように、私の肩に添えられる彼の左手の平は、取り立てて存在感があるわけではないけれど、無いと寂しい。
今日も彼の腕のなかはあったかいなぁ、と思いながらもなかなか寝付けずにいて、私は過去のことを考えていました。
——— 私、キスしなかったんです。
ワンナイトの相手や、セフレの殆どに。
彼と付き合い始めた頃にその話をすると、「 えっ、なんで? 」と驚かれたのを覚えています。
「 なんでって… キスしたら好きになっちゃうじゃん 」
私はそう答えました。
もちろん、キスされたら何が何でも好きになる、なんてことはないですよ。
ただ、なんか、ワンナイトやセフレ相手にはしたくない。
絶対にしたことがないかと言われると、全くないわけではないけれど、そういう関係において私が “主体的に” キスをする場合には、それなりの気持ちがある証拠。
好きになっちゃうかもな~と思いつつ、その小さな恋心が実る、実らないにかかわらず、自分の気持ちに責任を取れると思う時にはキスをしていた気がします。
でも、思いました。
どうして私は “キス” にこだわっているんだろう。
・・・暫く考えた後、答えが出ました。
そして、それを明日(というか再び眠って起きる)まで心に留めておくのが辛抱ならず、ベッドと愛しい彼の腕のなかを抜け出して今に至ります。
“キス” にこだわっていた理由は、
“キス” だけが、私が唯一守り抜いた純潔だったから。
10歳で受けた性的虐待と、18歳の頃に遭ったアルバイト先でのセクハラ。
どちらも身体を穢された経験だったけれど、キスだけはされませんでした。
正確には、キスをされようとしたが、拒んだ。
性的虐待で色々なものを奪われてしまっていたので、私にとってセックスは、10歳にして既に特別なものではなくなっていました。
だからビッチにもなったし、自傷行為にセックスを用いる人間だった。
けれどビッチだった頃、行為中の勢いでキスをしてくる男性が嫌いでした。
身体に触れられることよりもナーバスに感じられたし、するならするで丁寧に、より優しくして欲しいと思っていました。
今思うとそれは、私にとって “キス” は特別だったから。
唯一穢されなかった、私のあどけなさを残した、苦しみを背負う前の9歳の少女に戻れるような気がしたから。
だから、愛撫よりも、繋がることよりも、彼とするキスが一番好き。
私はそっと重ねました、彼の唇に特別を。
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