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#小説

『顔のない裸体たち』(作者:平野啓一郎)を読んで

『顔のない裸体たち』(作者:平野啓一郎)を読んで

 平野啓一郎さんの本は「分人主義」に会ってから遡るように読むようになりました。
 今回読んだ「顔のない裸体たち」は、その分人主義を出したとされるより以前の作品になります。
 が、その考え方の一端は見え隠れしており、分人主義を考えるうえでも一読の価値有な作品だったと感じました。

作品情報

作者:平野啓一郎
刊行:2008/7/29
出版元:新潮社
ページ数:194ページ(文庫版)

あらすじ

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『Colorful』(作者:森絵都)を読んで

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あらすじ

生前犯した罪により、輪廻のサイクルから外れてしまったぼく。
そこへ天使のプラプラがやってきて、ボスがときどき行う抽選で当たったラッキー・ソウルに選ばれた、と言う。ラッキー・ソウルは一定の期間、下界にいるだれかの体を借りて修行をつみ、修業期間に前世で犯した罪を自覚すれば輪廻のサイクルに戻れる、と言う。
その申し出を断るも、ぼくに拒否権はないとして、下界の「小林真」の体に入って修行を始める

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『どうかこの声が、あなたに届きますように』(作者:浅葉なつ)を読んで

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概要

本作のメインストーリーは、過去に地下アイドルをやっていた「小松奈々子」が、ある事情からアイドルを辞め、とある出会いから「小松夏海」としてラジオパーソナリティになるところから話は進んでいく。そこに近くも      遠くもの様々な登場人物が、時には救われ、時には苦しめられ、それでもラジオと一緒にいたいという人たちを描いた群像劇である。

ラジオの良さ

作中でも一部言及があるが、ラジオは読書と

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