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7月下旬〜8月中旬に読んだ図書館本

図書館で借りて読んで面白かった本のストックがたまってきたので、今回は7月下旬から8月中旬に読んだ本を一気に紹介します。夏休みスペシャル…ってわけではないですが、今回は5冊といつもよりちょっと多めです。


小説!

ルルとミミ

乙女の本棚シリーズの新作があったので、早速借りました!作者は夢野久作、イラストはねこ助さんです。奇妙な風習のある村に暮らす兄妹の儚い物語。タイトルが可愛いですが、内容はなかなかにエグいです。

村のために湖へ飛び込み、命を落としたルル(兄)。複数の童話を彷彿とさせるようなストーリーから目が離せず、ミミ(妹)が湖の中の世界で見た幻想的な風景が文章とイラストで印象強く伝わってきました。

ルルとミミはなんとか再会できたけど、ラストシーンが…って感じの読後感。更にはねこ助さんのイラストによって、物語が持つ残酷さがより増しているような…。バッドエンドに見えて、兄妹の視点からすると1番のハッピーエンドだったのかもしれませんね。

怪談

夏なので怖そうな本を!と、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の有名作品を読んでみました。私は円城塔さんの翻訳で読みました。

海外の読者の視点で翻訳されているところがこのバージョンの特徴で、「ミミ・ナシ・ホーイチの物語」、「ユキ・オンナ」といった聞き馴染みのある言葉もカタカナで表記してあるとどこか異界の話のようで不思議でした。

夜も眠れなくなりそうな怖い話が多いかと思いきやそうでもなく、単に不思議な話として読める作品もたくさんあり、予想以上に面白かったです。作品をもっと理解するために、他の人が翻訳した『怪談』も今度読んでみようかなと思います。

シェイクスピアの誘拐

トクマの特選!では初登場の笹沢左保作品の短編集。暗号解読からの衝撃的な事実が待ち受ける表題作をはじめ、長編に負けないくらいの濃厚な内容の短編が充実していました。結構男女の関係がカギとなる話が多く、ひとつひとつの作品がちょっと大人っぽいドラマを見ているような感覚で楽しめました。

収録作でも私は『年賀状・誤配』が特に好きでした。日常の謎的な短編かと思いきや、だんだんと雲行きが怪しくなっていくストーリーに一気に引き込まれました。主人公の職業を活かしたオチのやりとりも最高でしたね!

いろんなジャンルのミステリーが楽しめるかつ、どんでん返しも印象的な作品が多いので、意外性のある内容の本を求めている人にはもってこいの1冊かと思います。

今回の益田ミリさん

最近図書館でもぼちぼち借りて読んでいる益田ミリさんのエッセイ本。今回は『小さいわたし』『小さいコトが気になります』の2冊の感想です。どちらもタイトルに「小さい」と入っていますが、テーマも出版社もまったく別です。

『小さいわたし』

ある程度成長しないと見えない世界もあるけど、一方で小学生までの小さいうちにしか見えない世界もあることを思い出せた1冊でした。特に夏休みの楽しかった時間を思い出す今の時期に読むと、より小さい頃の自分に出会いやすい内容だと思いました。

人生で大切なことは、小さい頃の(個人的に思う)大きな成功と小さな失敗が教えてくれるのかもしれないと、この本を読んで気付かせてくれました。それにしても妄想多めの益田さんの幼少期の話にはハズレなしです。

『小さいコトが気になります』

各エッセイ「〇〇の確認」といった形のタイトルで、益田さんが日常で気になった些細なネタを追求していくエッセイでした。感じとしては、前に読んだ『かわいい見聞録』に近いかも。

前書きでも触れていたように食にまつわる話が多めですが、好きなお店(商品)だからこそ何度も行きたくなる(食べたくなる)のはもちろん、過去にどんなメニューがあったのかも調べたくなる気持ち、私も凄くよくわかる!と思いました。

また食に限らず、普段何気なく使っているグッズや毎週見ているテレビ番組にも深い歴史があることも益田さんの調査から感じられ、日常を再発見できる内容で興味深いエッセイでした!

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