歌集を出します!その告知と短歌作品
こんにちは、雨とランプです。
告知が出ましたので、こちらでもお知らせいたします。
書肆侃侃房主催の新鋭短歌シリーズ第5期メンバーとして久石ソナが参加します。
初めての歌集となります。発表は来年になります。
改めて、自己紹介させていただきます。
久石ソナです。
北海道札幌で生まれ育ちました。短歌と詩を主に書いています。早稲田短歌会に所属とともに短歌を書き始め、その後、北海道大学短歌会の創設に携わりました。
2015年に第一詩集『航海する雪』を発表。
2016年に第一詩集で北海道新聞文学賞大賞を受賞させていただきました。
2018年、短歌研究新人賞候補作
2019年、短歌研究新人賞最終選考通過
2019年11月に札幌にカルチャー×美容室『雨とランプ』をオープンしました。
美容室には多くの本があり、短歌や詩の本はもちろん、今は手に入らない詩歌の同人誌まであります。他にも漫画やビジネス書、小説などもご用意しております。
店内には画家の小林舞香さんの壁画作品などもあります。髪質改善や縮毛矯正を得意としています。
【作品】
『ひかりはスローモーションのように』2018年短歌研究新人賞の候補作
朝焼けに体を預けてゆくときのカーテンレールのにぎやかな声
足裏にまとわる砂を認めれば地元の海はあわい輝き
ピンボケの写真に写る両親のたしか笑顔であった冬の日
狸だと思う足跡 雪原と曇天の地平線へと駆ける
薄氷に包まれている湖の白さ続いていく乱反射
故郷という名前の景色に変わるのか防風林の続く平原
起きぬけの故郷のひかり あ、鳥だ蛇口をひねるような鳴き声
バターを伸ばすバターが溶けるトーストのさくさくという音に囲まれる
エンジンをつけに行く父 あたたまるまでに時間のかかる車の
背を伸ばし(冬のひかりへ進むのを)見送る母の揺れる手のひら
防風林に祈りのようにささやかれ旅立つ日に何度も振り返る
ハンドルを握った父の剃る前の白髪交じりの髭がきらめく
誰もいない駅のホームで手をかざす朝月が剥がせそうなほど薄い
遠のいてゆくのは故郷 指先に結露を長く長く集めて
[まもなく ツ$ MOU %Q"]大きく揺れて駅へと入る
ビル風に当てられている無防備に グーグルマップに現在地あり
コンビニの数軒先にコンビニがあって開け放たれた自動ドア
古書店でページをめくるたび波の遠のくような音が羽ばたく
回るのはあたためるため夕暮れのようなライトにミルク照らされ
ベランダに干された服はひとり分で海の気配を秘めて漂う
新しく住む街はすでに春だった生きていくためスーパーへ寄る
故郷には届かぬ台風この街を通過しのちに夏を知らせる
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