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本のこと

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本が好きです。小説も 漫画も その他も。 ときどき思い出したように語ります。
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記事一覧

『チ。』文字は奇跡みたいなもの

『チ。』文字は奇跡みたいなもの

〝チ。〟という、地動説に関する漫画を読んだ。
すごくすごく、面白かった。
その読書感想文です。※微ネタバレあり

物語のあらすじは、こんな感じ。

大々的に発表しなくても、秘密裏に研究をするだけで処罰の対象。つまり、〝調べること〟〝知ろうとすること〟が すでに罪である。それでも。
地動説に魅了された登場人物たちは、命を賭けて研究を続けていく。

登場人物の1人が、地動説の研究者に 怖くないのか?と

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面白さのあまり記憶から消えた小説の話をしよう

面白さのあまり記憶から消えた小説の話をしよう

好きな本はなんですか?
最近面白かった本は?

聞かれたら、ちゃんと答えられる。
ところが その答えを口にするとき。決して名前を挙げることはないけれど、頭の奥に ちらと浮かぶ小説がある。そういう話です。

「気持ちが昂っているときに観たものは記憶に残りにくい」という研究結果をご存知でしょうか?
推しの舞台やライブの内容をすぐ忘れてしまう理由として紹介されていることが多いけれど、それだけではないよう

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BL漫画を人生の教本にしているはなし

BL漫画を人生の教本にしているはなし

BL漫画って読みますか?って あまり聞いたことも聞かれたこともないけれど、私は結構読む。
単純におもしろい というのももちろんあるけれど、生き方の参考にしている という部分も大きくて。そういう話です。

異性間の恋愛を描いた漫画や小説。それらを読んだことがない、という人はかなり少ないのではないだろうか。
それどころか、アクションとかコメディとか はたまたホラーにすら自然に盛り込まれている「恋愛」と

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ゴールデンスランバーと積読の日

ゴールデンスランバーと積読の日

タイトルで「あぁ、あの本か」ってなった方もいらっしゃるでしょうか。伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」という小説。
この小説、1月に読み始めたにも関わらずまだ読み終われないでいる。
面白くないからじゃなくて、面白すぎて 読み終わるのがもったいなくて読めなくなったのだ。
なのでなんとかして また読み出すきっかけを掴みたくて。そういう話です。

ちなみにネタバレはありません。私がまだ1/3も読んでいな

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古本屋ラビリンス

日本が誇る三大迷所。東急ハンズ、オツキミやま、そして古本屋さん。
迷ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
というかそもそも、古本屋さんの陳列を完璧に把握している人って存在するんですか?そういう話です。

探していた漫画が絶版になっていたことを知り、久しぶりに古本屋さんに行くことにした。

私の地元には 家から自転車で行けるくらいの距離に大きめの古本屋チェーンがあって。
小学生、中学

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図書館、最近行きました?

図書館、最近行きました?

あなたの住んでいる地域に図書館はありますか?
最近、図書館って実はめちゃくちゃすごい施設なのでは?と思って。そういう話です。

私の地元には小さな図書館がある。
よく言えばこじんまりしたかわいらしい雰囲気の建物で、休みの日は(おそらく家から追い出された)お父さん方が窓際の椅子でまどろみながら新聞を読んでいたりする。
私も学生の頃は課題や受験勉強などでかなりお世話になったけど、最近はめっきり行く機会

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「読書=真面目」の風潮が嫌だ

「読書=真面目」の風潮が嫌だ

「最近何してるの?」とか「趣味は?」「何が好き?」って聞かれたとき、「読書です」「小説読んでるよ」って答えると一気に話が弾まなくなる。というか、むしろ距離がひらくのすら感じることがある。
これが「漫画読んでるよ」だと盛り上がるのに。

私は小学生の頃かなり引っ込み思案で友達も少なかった。なので休み時間は大体図書室にいるか、図書室で借りた本を教室で読んでいた。友達がいない子によくあるパターン。
徐々

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続・村上春樹が気になる

続・村上春樹が気になる

村上春樹作品、あれからまだ黙々と読んでる。
「村上さんのところ」かなり面白くて、目からウロコが落ちたり落ちなかったりして、やっぱり手元に置きたくなって コンプリート版を電子で購入した。
3716問の回答を全て収録って、もう読み終わった頃には思考が村上春樹に寄ってるんじゃないか、とか思ったりもした。

あと、図書館でたまたま目に入った棚に「パン屋再襲撃」が置いてあるのを見つけ、読むことにした。借りて

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村上春樹が気になる

村上春樹が気になる

きっかけはSNS。あるイラストレーターさんが「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」をおすすめしていた。

私は中学生の頃 親の本棚から「ノルウェイの森」を勝手に拝借し、な、なんだこのエッチな本は…!と思ってすぐやめてしまったという経歴を持っていた。
それ以来彼の本は読んでいなかったので、まぁまたエッチな話でも短編みたいだしいいか。と思い、その話が収録されている「カンガ

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