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採用に苦労したマーケティング支援会社がTwitterから採用できたってよ

*この記事は5分で読めます

株式会社DEECH(ディーチ)の佐藤です。2021年6月1日より社名変更いたしました。

コロナ禍の現在。企業の人材採用の考え方・取り組み、そして求職者の意識がさらにさらに変わってきたと実感しています。我社はこれまで採用に相当苦労してきました。しかし、採用に関する考え方と方法を変えることで一定数の効果を得られることが分かってきました。変更当初は時間が掛かるのかと思っていましたが、本格的に運用してみて約2か月で成果が表れ始めました。

特に中小・中堅企業、ベンチャー企業にはこの取り組みが転用できると考えていますので、参考になる個所がひとつでもあれば幸いです。

これをお伝えするにあたって、僕らの会社の状況を時系列でお話ししたほうが良いと思ったので、

①コロナ前の採用状況

②2020年5月の緊急事態宣言中の採用状況

③2021年1月の緊急事態宣言中の採用状況

④現在の採用の考え方

の4構成でお話しいたします。


とにかく応募数が少なかったコロナ前

まずは①コロナ前の採用状況についてです。コロナ前の採用状況を覚えていますでしょうか。バブル景気後をも上回る有効求人倍率で、中途も新卒も超!が付くほどの売り手市場でした。

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※出典:一般職業紹介状況(職業安定業務統計)|厚生労働省

このグラフの推移を見ても、求職者が仕事を選べる状況が長々と続いたのがお分かりになると思います。DEECH社もお陰様で仕事が好調でしたので優秀な方の獲得は至上命題と考えていました。WEBマーケティングやWEB広告、SaaSなどを開発している会社なので、その方面に明るい25~32歳ぐらいの即戦力になる中途社員を特に欲していました。しかし、他の多くの企業も同様だったと思いますが、とにかくこの時期は応募自体が少なくて量も質も担保が出来ず、当然採用に繋がらないという循環が数年続いていました。

採用費もかなり投下して有名どころの求人媒体はほぼ使っています。それによって一番反響があったのはHR系の営業攻撃ですかね(笑)。採用担当者欄に名前が書いてあるので、掲載初日ともなれば各社の営業から連絡が入りまくるのが常となるぐらい採用業界は活況を呈していました。人材紹介会社も利益を出すために未経験で採用してくれる企業を優先する方法を取っていたと思われます(求人票だけ出してその後一切連絡が無くなる会社もザラでした)。

このころの採用の考え方は「網を広げる」こと。これがベストだと信じていました。今から考えればそもそもそれが間違っていたと思えるんですが、にぎやかな宴の中にいると自分たちも同じようにしなければと冷静さを失っていたんだろと思います。マーケティングを支援する会社であるにも関わらず、自分たち自身が一番見えていなかったという滑稽な状態でした。

コロナ禍で応募数が凄まじいことに

次に②2020年5月の緊急事態宣言時の採用状況のお話しです。

そんななか、状況が一変します。新型コロナの話題が大きくなり、ニュースではGDPの下方修正、企業の売上減、雇用問題が深刻になる時期に突入してきました。一方このころは我々の業績にはほとんど影響がなく、引き続き若者が多く登録していることがウリの媒体に3月~5月も掲載していました。ここで驚きの結果が出ます。

応募数が300件超え!

これまで媒体に掲載しても応募が数十件程度だったのに、コロナになっていきなりこの応募数です。コロナの不安は採用マーケットをも一変させるほどすごいものなのかと実感しました。ちなみにこのときの採用数は2名です。

こうした状況から、「密になる仕事がしばらく敬遠されて、オンラインでも仕事ができる会社に人が集まる」と確信したので、コロナ禍でも採用が継続出来ていることやリモートワークをウリにして、「安定と働き方」に焦点を絞り求人をさらに強化することにしました。

それから2回ほど掲載して、いずれも150~200名を超える応募をもらえるようになります。しかし応募数は満足するものの、面接をして採用にまで行きつくケースがほとんどありませんでした。大幅にミスマッチが続くのです。このミスマッチをどうにか解消しようと媒体の取材に力を入れたり、原稿を自分たちで大幅に修正したりと色々と手を尽くしましたがまったく手ごたえを感じずに、徐々に「本当にこれが正解なのか」ということが頭をよぎるようになりました。

仮説を証明するために

③2021年1月の緊急事態宣言中の採用状況です。

この状況下で応募数は確保できることは理解しました。そして、仕事内容とDEECH社の働き方もなども今の世相には競争力があって求職者には魅力的に見えることも分かりました。しかし、ミスマッチを起こしている根本の原因を解消しない限り、一緒に働きたいと思う方と出会う確率が低いことが続くわけです。それを確認するために最後の回数券チケットを活用してSaaSのカスタマーサクセスを募集してみることにしました。

やはり応募数は三桁を超えるほど多くいただき、中には素晴らしい経歴の方にもご応募を頂戴することもありました。が、ここでようやく?!やっと?!真理にたどり着きます。

この章の「仮説を証明するために」。とは、

「自分たちが何者であるか。どのような想いで仕事をしているのか」

を伝えるには不完全な状態だったよね、を知ることでした。いわゆる採用広報の考え方がすっぽりと抜け落ちていたために条件に終始した文言だけでマッチングしないという状態になってしまっていて、原因は応募者にあるのではなく、我々自身の問題じゃん!と猛省するに至りました。そして、それを伝えていくには、今の自分たちのブランディングや情報発信だけでは不足していて、結果既存媒体での求人は上手くいかない、と結論付けました。

自分たちが何者なのかを発信

続いて、④現在の採用の考え方です。流行り言葉で言えばダイレクトリクルーティングに近い形でしょうか。色々な書籍やメディアで書かれていますが、旧来の採用方法というのは年々崩れてきていると実感します。企業が募集して選ぶという形から、企業と求職者はフラットな状態から結婚(入社)に向けて価値観を擦り合わせていく、という流れです。そう考えるとWantedlyやYOUTRUSTが流行っているのも理解できます。

我々は現時点では採用のオウンドメディアを作るまでには至っていませんが、取り組んでいることは下記の流れです。まずSNS上に採用広報を置きました。転職検討者が面接に進みたいと思う前に、気軽な接点を設けて転職の動機を双方で共有し、ちょっと興味があるかな、と思ってもらえたらカジュアル面談に繋げていくという流れです。

採用広報

ここでポイントとなるのは、事前にQ&Aができる採用広報の存在と、会社の考え方や働き手の考えに触れることができるnoteの存在です。

前項で触れた「自分たちが何者であるか。どのような想いで仕事をしているのか」は、ここで出来るだけ解消をします。逆を言えば、本面接に至る前に採用広報、note、カジュアル面談の3つ接点で、ビジョン・ミッション・バリューを明確にして、それについてどう考えるか、そして会社と言う船に乗る以前に求職者の生きる価値観、働く価値観と接点が導き出せるか、などを確認することに費やせます。

最後に。結局どこに力を入れるのか

「どういう人を採用したいですか」

求人広告を掲載する時に必ず聞かれる質問ですが、これには「素直で性格の良い人」と答えています。え?スキルとかではないんですか?と言われますすが、必ずしもスキルの高い人が組織に貢献するわけではありません。これは過去、組織運営をしてきたなかで間違いなく言えることです。

基本的なことですが、スキルが高くて仕事が出来る人でも、自分が属している組織の悪口を吹聴する人は採用してはいけないんですよね。これは採用する前の入り口時点である程度抑えることができます。ほかのnoteに書きましたが、「よい会社に入りたい」という人よりは「よい会社を一緒に創っていきたい」と考える人と一緒に働きたい、は絶対に共感したいメッセージだと考えています。

会社にはビジョン・ミッション・バリューがありますが、それが浸透されている組織は驚くほど少ないですよね。入社後はもちろんですが、入社前にここを擦り合わせることが、良い組織を作っていく条件だと確信しています。むしろ、ここを拘れれば採用は成功と考えることもできます。

2020年の12月から採用広報をスタートさせましたが、予想以上のカジュアル面談の実施と、これまで求人媒体では出会えなかった方とのご縁から、弊社の仲間になっていただいています。

今後も、企業としての価値観と求職者の価値観のすり合わせに重きを置いて、共に市場にバリューを提供できる会社を目指します。

普段はTwitterやLinkedInによくおります。何かお役に立てることがございましたらお気軽に!DMを頂ければ幸いです。


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