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普通じゃなくても胸を張って生きていいことを学んだ日。【大人の発達障害】

こんにちは。
現在、大学3年生の天音。と申します。
2024年に入ってからうつを経験、その際ADHDとASDの傾向が強いことが原因であることが判明しました。
私の自己紹介は以前、記事にまとめているので、興味がある方はぜひ読んでいただければ嬉しいです。

こんにちは。
天音です。

今回は、私が「大人の発達障害」の検査を受けた日に思ったことを書いてみようと思います。

正直、この内容の記事を書くかとても悩みました。

発達障害という言葉。
自ら検査をしに行って、どのような結果になっても受け入れるという覚悟はできていたのに、実際に検査を受けてみると、やっぱり心のどこかで、自分は社会不適合者だからダメなんじゃないかって思ってしまうんです。

また、こんなに悩んでいるのに、傾向がなかったらどうしよう、これから先、生きていけるんだろうか、といった不安もとてもありました。


今思えば、二次障害としてのうつ病の診断をもらってから日もあまり経っていなかったので、なおさら自己肯定感が低い時期に受けてしまったことも関係しているかもしれないと思います。

それでも、時間がたった今思えば、検査を受けてよかったな、と思う点も多かったので、今回はそのお話を綴ってみようと思います。

自分の中で発達障害の傾向があるな、それが原因で苦しい思いをしているかもしれない、という方の参考に少しでもなれば嬉しいです。

発達障害の検査を初診で勧められた

まずは、私がなぜこの検査を受けるに至ったのか、という経緯を軽く書いておこうと思います。

簡潔に言うと目次のタイトルの通りなのですが、私がうつ症状に悩んで精神科の門を叩いた日、初診の時に、自分の過去の経歴などを話しました。

そこでどのような子ども時代を送ってきたのか、うつ状態に陥るまでにどのような生活をしていたのか、などの話をしました。

その中で、先生に最後にされた質問。

「過去に発達障害、いわゆるASD、ADHDといったことを疑われたことはありますか?」

私は拍子抜けしながらも、幼稚園時代に自閉症を疑われたことがあることを話しました。(当時は問題なしということで通常学級への進学が決定した)

そのことを話すと、やはり私の過去の話から発達障害の特性が見受けられたのか、
「本来初診でする話ではないんですけど、、、」
と、大人の発達障害の検査のパンフレットを渡されました。

強制ではないし、ある程度自覚もしているようだから、やってもやらなくてもいいけど、検査を受けることで、自分の特性をより理解することができるきっかけになるというお話でした。

その話を聞いて、とても悩みつつも、昔から「自分は何者なんだろう」と思い続けてきたこともあり、自分の特性を知るため、これからの生活の工夫につなげるため、検査を受けることを決意しました。


検査に対する親の反対

私が精神科でこのような打診を受けた、という話をすると、

「あんたなんかより大変な人なんていっぱいいる」

「障がい者なんかじゃないから受けなくていいよ」など、

特に母親から猛反対を受けました。

今考えれば、当時の母は私のうつ症状に対しても「甘え」だと捉えていて、精神科に通うこと自体にも反対派だったため、さらに自分の娘が「発達障害の検査を受けたい」と言い出したら、それは多少なりともショックを受けるだろうな、ということは予想できます。

それでも、今まで唯一人生相談のできる人が私の中で母のみだった自分にとって、その母すらも味方をしてくれなくなったことへのショックで、唯一の頼み綱は精神科の先生。

これに関しては、大好きだった母の意見よりも、心の専門家である先生の話を信じようと思い、検査を予約しました。(今は母との仲も修復して、母として尊敬しています)


こんな検査を受けた

私が受けたのは、「大人の発達障害診断補助検査セット」という、
とあるカウンセリングルームの検査でした。

内容は

WAIS−Ⅳ(一般的なIQテスト)←色々やった。大変だった。
AQ(ASDスクリーニング検査)←アンケートみたいなやつ
CAARS(ADHDスクリーニング検査)←同じくアンケートみたいなやつ

全部やるのにまるまる2時間かかりました。

値段は約3万円。これも母が猛反対する理由の一つでした。

私が通い始めたクリニックには心理検査をしてくださる心理士さんなどはいないため、外部のカウンセリングルームと提携しての検査で、自費での検査。

流石に高いなぁとは思いつつも、それ相応の覚悟を持って臨むことができました。

これらの項目以外にも、普段の悩み事や、小さい頃からどんなことで困ってきたかなどのお話をしました。

「他の方はこんなことを言っていましたよー」

というお話があるあるすぎて、“あぁ、悩んでいるのは自分だけじゃないんだ“と少しホッとできたのを覚えています。

久しぶりの集中する感覚

私がこの検査を受けた時期、丁度うつ病の初期から急性期にかけての絶妙な体調で、なかなか集中できない日が続いていました。

この時期、私はかなり体調がすぐれない日が続いていたのですが、たまたま予約していたその日は少し体調がよく、夕方の予約だったため、久しぶりに「集中する」という感覚がありました。

普段なかなか使わない四字熟語がたくさん出てきたり、言われた数字をたくさん覚えたり。

とにかく難しくて大変だったけど、久しぶりに集中して少し達成感を感じた記憶があります。

検査で分かったこと

約1ヶ月で結果を教えてもらえました。

検査の結果と、心理士さんとのお話を踏まえて、自分にはどのような特性が強く、どのような特性は弱いのか、というところを教えてもらいました。

私の場合は、スクリーニング調査から、ASDの傾向も、ADHDの傾向も、点数的には高いこと、でも心理士さんとのお話している感覚では、ASDっぽさは感じないけど、ADHDっぽさは感じるとのこと。

ADHDの傾向は、不注意、多動性の傾向が高いとの事でした。

知能検査の結果は、

言語理解        100
知覚推理        101
ワーキングメモリー     94
処理速度          87

全検査IQ                          95

加えて、検査結果からのアドバイスということで、日常で実施できる工夫が項目別にいくつか書かれたプリントをいただきました。

このプリントの内容をできる限り取り入れつつ、うつの治療を並行して行なっているため、少なくとも以前に比べれば生きづらさは軽減しました。

私は小さい頃から色々な人に、「IQ高そうだね」、「高IQの子はこう考える傾向がありますよね」、、、
と言われて育ってきたので、少なくとも100よりは高いのかな、とか思っていたのですが、結果は平均すると2ケタ。

なんとも言えない気持ちではありつつも、グラフを見てみると、自分の得意不得意が数値化されているようで、とても納得しました。

言語理解に関しては、ずっと苦手だった国語を一生懸命頑張って、苦手だった漢字や熟語の意味を覚えたり、本をたくさん読むことで伸びてきたことが予測できます。

知覚推理に関しても、幼少期から頭を使って遊ぶことが好きだったので、積み木やパズルをやったりすることで伸びてきたのかな、と考えられます。

ワーキングメモリーと処理速度に関しては、昔から要領が悪い方であったので、平均より低いことは予想済みではあったものの、実際に結果を目の前にすると、そこそこショックを受けました。

あぁ、だからメモをたくさんとっても、そのメモをどこにやったのか忘れちゃうんだなぁ...とか。

メモとりながら話を聞くことが苦手なのも、この能力が相対的に低いからだということがわかりました。(できないほどでもない)

また、小さい頃から口頭指示で重要な連絡をされた際、文字での情報がないとすぐ忘れてしまう癖がありました。(なんなら今日も口頭で出されていた課題の提出期限を過ぎていたことが判明し、焦り中💦)

というわけで、自分の中での日常生活における苦手なことの因果関係の一因が判明し、少しスッキリしました。


今考えれば、自分の努力で伸ばせる能力は頑張って必死に生き延びてきた、ということが結果から分かった気がして、バカ真面目な自分を少しだけ肯定できるようになったのかな、と思っています。


心理士さんからの学び

また、この検査を受けるにあたって大切なのは、心理士さんの存在。
2時間も密室で2人きり。そんな中テストを受けるわけですから、緊張しないわけがありません。

そんな中でも、お話をしていく中で、初対面とは思えないほどの話やすさに驚いたのが特に印象に残っています。

そんな心理士さんからのアドバイス。

「この検査によってADHDであるとか、ASDであるとか、そういうことを言っているのではなく、自分がどのような特性を持っているのかを理解することで、今後の生活に役立てていってほしいと思っています」

また、

「このような特性があっても、社会不適合者だとは思わないでほしい。あくまで傾向から生まれる生きづらさを改善するための1ステップであることを忘れないでほしい」

ということもおっしゃっていました。

この話を聞いた当時は、正直ASDとADHDの傾向があるという話で頭がいっぱいいっぱいで、へーと聞き流していたのですが、半年経った今になってこの一言が印象的で、改めてこの記事を書くに至ったのでした。


検査を受けるか迷っている方へ

現在、もしかしたら今自分が抱える苦しみが、発達障害の特性からくるものかもしれない、と思っている方。

主治医から検査を薦められた方。

その他にも、まだ検査を受けていないけど、検査を受けようか迷っている方が沢山いると思います。

とても悩みますよね...
私も上に書いたように、とても悩みました。

ちなみに、私の検査に対する意見は、結論から言うと、

『検査を受けても受けなくてもどちらでもいい』と思っています。

ここまで来て無責任に思われたらすみません。
でもこれにはきちんと理由があります。

その理由は、単純に2時間という長時間の検査を受ける心身の負担はもちろん、自分を知るということは少なからず精神的なダメージを伴うからです。

私は検査を通して、
やっぱり自分は普通じゃなかったけど、それでも胸を張って生きていいんだ、ということが分かったし、

何より鬱から回復していくにつれ、自分の生活を見直す[最も分かりやすい指標]を手に入れたことで、とても生きやすくなりました。

特性から生まれる困りごとは今後も絶えないだろうけど、それに対する対処法を学ぶきっかけにもなったし、
未来に起こりうる困りごとも、先人達の知恵により、ある程度予測して生活することができるようになりました。

でも、うつ状態がひどくて視野が狭まってしまった状態で現実を突きつけられて苦しい思いをするのは、素人目でも良い状態だとは言えないと思います。


多少苦しい現実でも、事実は事実です。

そこに感情や情けはありません。

検査を受けた1ヶ月後には、良くも悪くも、現在のありのままの自分が数値化されて現れます。

それを受け入れられるかどうか。

その結果を今後の生活に活かすことが出来るかどうか。

これが検査を受けるかどうかの最大の決め手だと思っています。


堅苦しい話をしましたが、単純に自分の考え方の傾向を知る、という意味でも大変参考になりますし、心理テストぐらいのノリで受けても全く問題はないと思います(笑)


大変長い文章になってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。

少しは参考になったでしょうか...

私自身、うつの治療が終わった訳ではなく、これからも再発のリスクも少なからずあります。

それでも、前を向いて生きていきたい、と改めて思い、今回は発達障害の検査を受けるかどうか悩んでいる方に向けて、拙い文章ではありますが綴らせていただきました。

この文章が少しでも参考になれば幸いです。

ではまた!

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