東伊豆町のワーケーションが想像以上に奥深かった〜「まちまるごとオフィス」に偽りナシ
2023年9月29日(金)、静岡県東伊豆町の「ワーケーション月間」にあわせて開催されたレクチャーワーケーションイベント(NPO法人ローカルデザインネットワークさん企画・運営)にゲストコメンテーターとして参加しつつ、現地視察とワーキング体験をしてきました。東伊豆町は「まちまるごとオフィス」を掲げ、町をあげてワーケーション環境の整備と促進に力を入れている自治体の一つです。
1.イベントの背景
8月のオンラインでのプレイベント(以下の記事)に続き、今回のイベントは東伊豆町でのリアル開催。既にオンラインで東伊豆町役場の皆さんをはじめ、企画・運営そして参加者の皆さんと交流していたのもあり、僕も当日お会いしてお話しできるのがより一層楽しみでした。
当日のゲストコメンテーター(松下慶太さんと僕)の現地集合時間は11時30分。ですが、僕は別件の重要なオンラインミーティングが10時開始で入ったため、9時30分前に現地入りすることに。
出張時のオンラインミーティング。普段は道すがら、高速道路のSA/PAや、道の駅の車中で対応することも多いのですが、せっかくの機会なので「まちまるごとオフィス」の恩恵に預かろうと現地に向かうことにしました。
ワーケーションで地域活性している地域は全国各地にありますが、その割にまるで利用者(ワーケーター)の行動が分かっていない残念な地域や施設も僕は多数経験しました。
(具体例と改善策は、著書『新時代を生き抜く越境思考』にたっぷり書きましたので宜しければご覧ください。講演も喜んでします)
さて、東伊豆町はいかに?
2.試される「まちまるごとオフィス」
浜松を朝6時前に出発し(眠い(苦笑))一路、伊豆稲取へ。静岡県内のドライブを東西南北に存分に楽しみつつ、朝まだ早い天城峠を越え、現地には9時少し過ぎに到着。静岡県、広い、広いっす!
ところでクルマ出張は、道すがらの他の地域も体験しつつお金落とせるところが僕は好きです。
今回は、函南町、伊豆市、河津町にもお金落としながら行き来しました。県内各地の経済活性に貢献している!
やって来たのは、伊豆稲取の港に佇むEAST DOCK。
東海汽船さんのフェリーターミナル(現在は定期運航はなく季節運航のみ)の建屋をリノベーションした、海の見えるワークスペース。
今回のイベントの主催者であり、東伊豆のワーケーションの推進役でもある市川美和さん(NPO法人ローカルデザインネットワーク)のお取り計らいで、僕はここでオンラインミーティングに出席できることになりました。ありがたや!
ちなみに駐車スペースは、道を挟んだ向かい側の堤防沿いです。
2階のシェアスペースは大きく2区画。明るく窓越しにそよぐ海風が心地よい空間。到着早々、僕はテンション上がりまくりです。早起きし、峠越えして来た甲斐があった!
美和さんは、僕たちが浜松・佐久間町で冬に実施した第2回 #ダム際ワーキング 越境学習ツアー に参加され意気投合。今回のご縁に至ります。ワーケーションから生まれた共創!ワーケーションの連鎖!
3.ワーケーターの気持ち「わかっていらっしゃる!」
そうこうしているうちに、オンラインミーティングの開始時間に。
今回秘匿性の高い内容のミーティングであったため、コワーキング空間で参加する訳にはいきません。ありがたいことに、1階にオンラインミーティングブースがありました!
さすが「まちまるごとオフィス」を名乗るだけはある。ワーケーターの気持ちをわかっていらっしゃる!
おかげさまでセキュアかつ快適にオンラインミーティングを終えることができました。相手方(東京の大企業の人たち)も安心してくれました。ありがたや! そして、僕は相手方にも東伊豆町のワーケーションをオススメしました。
安心してオンラインミーティングできる環境が整っているからこそ、オンラインミーティングの相手にも自信をもってその土地をオススメできる!
こうして、その土地の体験人口が増えていくのですね。
そうこうしているうちに11時。東伊豆町 企画調整課 課長 森田七徳さんと、鈴木祥子さんのご案内で、美和さんと一緒にクルマで伊豆稲取駅に向かいます。
伊豆稲取駅は伊豆急行線の駅。有人駅で、観光案内所やお土産コーナーも併設しており、この日も観光客で賑わっていました。
そして、この駅舎にもワークスペースを(リノベーションして)設置する計画があるそうです。素晴らしい!
最近は空港など、その都市のゲートウェイとなる場所に明るいワークスペースを創る事例が増えていますが(南紀白浜空港が図書館兼ワークスペースを開設したり)ワーカーには嬉しいですね。浜松駅も見習ってほしいぞ(ぼそっ)。
行政が力を入れているのももちろんですが、伊豆急行さんは東急さんのグループ企業であり、そこも大きいのかもしれません。
(個人的な主観ですが東急さんが関係している地域は、来訪者目線の気の利いた動線の工夫やサービスが提供されていると感じることが多いです。静岡県西部地域にももっと進出してください!)
もう一人のゲストコメンテーター、関西大学 社会学部 教授 松下慶太さんが東京発の特急列車で到着。東京や横浜からの直行便があるのは強いですね。
(というより同じ静岡県内の浜松から来るより、東京・横浜から来る方が近い(苦笑))
そして一行はまずは腹ごしらえ。
向かった先は、かっぱ食堂さん。地元民おススメのソウルフード、肉チャーハンをいただきます。いわゆる観光地の食事もいいけれど、こういうのがイイのよ! こういうツウ好みな味を体験できるのも、現地の皆さんと、来訪者の越境・共創型のワーケーションならではかもしれません。
次の特急列車で東京から到着した佐々木正紀さん (新規事業創出や地方創生がご専門)が合流。東伊豆町役場のお二方によるドライブで、町とワークスポットをご案内いただきます。
稲取の町並を車中から眺めます。古くからの飲食店あり、古民家をリノベーションしたカフェやレストランあり。温泉街を中心に、歩いて楽しむことができ、公共交通機関での来訪者にも優しい町だと思いました。
4.芝浦工業大学のOB・OGや現役生との共創
EAST DOCKしかり、町のあちこちに古い建物をリノベーションした施設やワークスポットが点在しています。あるものを活用する。素晴らしいですね!
(私たちが推進している #ダム際ワーキング もダム近くの公共施設など、既存の施設のワークスペース転用(解放)が基本理念にあり、大いに共感します)
そして、そこには芝浦工業大学が大きく関わっています。
火付け役とも言えるべき人が、守屋真一さん。
micro development inc.の代表で、森本健介さん、荒武優希さんと一緒に東伊豆町にリノベーションによる新しい景色を創ってきました。
守屋さんは在学中に東伊豆町に関わるようになり、建築・デザイン会社を経て創業。東伊豆町に移住され、空き家改修を中心とした町の活性化の中心的な役割を果たされています。
守屋さんが中心となり、芝浦工業大学のインターン生や、卒業生の地域おこし協力隊を経て東伊豆町で創業した人たちが集まり、リノベーションの実施と運用が回り始めました。
クロスカントリーコース敷地内にある、湊庵(so-an) morieもその一つです。
行政(東伊豆町)は学生さんの滞在費を負担したり、東伊豆で創業する人を支援する。こうして地域の関係人口増、および地域経済が回る仕組みが、行政・大学生・民間企業の越境と共創により出来始めています。
行政・学校・民間企業の役割分担と共創……とこう書くとシンプルですが、ここに至るまでの行政内の調整と合意形成も相当大変だったことでしょう。
そのような大変さを行政間で越境して共有するのも、(越境学習型)ワーケーションの価値だと僕は思います。悩みをイチ組織内で抱えず、他地域のワーケーションイベントなどに参加して、その自治体の人と関係構築して相談すればいい。あるいは一緒に悩めばいい。越境しよう!
こうして「場」が創られ、(人の)「輪」が広がる基盤が東伊豆町に整ってきました。現地の人と、他都市から訪問する人の交流も行われるようになりました。
東京の大企業からの問い合わせもあり、この秋も数十名規模が参加する業務合宿が東伊豆町にて行われるそうです。
僕も、顧問先の企業に東伊豆町でのワーケーション合宿をお薦めするつもりです。
(ちょうど東伊豆町滞在中に、顧問先の一社(日系大企業)から「ワーケーションについてお話を聞きたい」と相談のメールが入りました。なんとタイムリー!)
続いて、東伊豆町のジオスポットの一つ細野高原をご案内いただきました。
ここは毎年山焼きが行われ、美しいススキの草原が維持されています。
その面積は、箱根の仙石原の7倍とのこと!
雄大な景色を見て対話しているだけで、新たな発想や共創が生まれます。
ちなみに細野高原は、人気アニメ・コミック『ゆるキャン△』の舞台の一つ。同じく『ゆるキャン△』聖地である、我らが三ヶ日町ともワーケーションコラボしたい……
5.「まちまるごとオフィス」看板に偽りなし!東伊豆町の本気を見た
続いて奈良本けやき公園に。一般的な公園ですが、ここにも公共施設(県が管理している施設)をリノベーションしたカフェ&ワークスポットがあるのです。
けやきCaféさん。
このお店も地域おこし協力隊の卒業生が創業して運営。
まずはカフェスペースから。素敵な癒しの空間。
本を読むのにも良さそうですね。あ、そうそう、僕「読書ワーケーション」なる文化創りたい、広がって欲しいと思っています。
読書(知識のインプット)も立派な仕事のうちですし、景色を変えて本を読むのも立派なワーケーション。一人でも気軽にできる。本を読む文化の醸成にもなる。
皆さんも、読書ワーケーションをしてその様子を発信しませんか?
そして、なんとここにもワークスペースが!
これまた一日いたくなる空間です。ワーク向きのチェアも気が利いていますわかっていらっしゃる!
ちなみに、このカフェの隣には足湯があります。手足が凝ったら足湯に浸かる。ヘルシー!健康経営!
この後は、熱川エリアをご案内いただきました。
伊豆熱川といえば温泉地として名高いですが、リゾートマンションも多く居住者や滞在者(ビジネススキルやマインドの高い方、人的ネットワークをお持ちの方も多い)の新たな動線や共創を仕掛ける余地があると思いました。
実際に、リゾートマンション居住者・滞在者をターゲットにした新たな地域モビリティサービスがまもなくスタートするとのことです。
その仕掛け人が、うさぎ企画代表の 森田創さん。
森田さんは東急出身で、東京渋谷・海外・伊豆などでモビリティを中心にした都市設計を手掛けて来られたプロフェッショナル。
現在は静岡県内に移住および創業され、焼津市、湖西市など県内各地で新たなモビリティを軸にした地域活性と関係人口増をプロデュースされています。
(僕も懇意にしてもらっています。森田さんと僕の絡みについては、以下の記事もご覧ください)
ワーケーションイベントは夜から。
いったん宿にチェックインします。今宵のお宿は稲取の銀水荘さん。
銀水荘さんのお部屋です。入った瞬間にテンション上がりまくり!
お迎えの時間まで1時間半以上あるため、ひと仕事します。
マリンビューのテーブル席に直行。この絶景は……仕事が捗るヤツ!(笑)
海景色以外何もない。それがイイのですよ。
5分~10分絶景に見とれた後に「じゃ、仕事しよう!」となる。他に気を散らせるモノがないから、めちゃくちゃ作業に集中できる。疲れて、顔を上げたらそこにはまた絶景。しかも、さっきとは少し景色が違う。なぜなら、自然の景色は日々刻々と変わるからです。それが楽しく、脳を刺激する。
僕くらいワーケーション慣れしてくると「ううむ。最高の景色だ!」→「じゃ仕事するか」の切り替えもはやくなります。ワーケーションも慣れが大事なのです。
という訳で、たまったチャットメッセージやメールなどをめちゃくちゃ集中してさばくことが出来ました。
いや、まさかお宿までが「まちまるごとオフィス」を体現しているとは!
東伊豆町、恐るべし!
6.デザインされた越境・共創の場が、関係人口の質を高める
今夜のイベント会場は、旧稲取幼稚園の教室。最後の最後まで、リノベーション空間!
イベントは早々に30名満席御礼! 美和さん、そして黄瀬真理さんほか企画・運営と協力の皆さんのおかげです。感謝!
今回の参加者は、およそ半分が地域の人、半分が地域外(東京など)で企業勤めしている人やスタートアップの経営者など。このバランスもイイですね。
地域の人には移住者も含まれ、まさにさまざまな属性の人が集まった越境と共創の場。
美和さんの明るいファシリテーションでイベントスタート。
このイベントまでのプロセス(道のり)設計もさすがの一言です。
今回はパーソナリティだけが喋りまくるのではなく、皆で対話するスタイル。どんなワードやメッセージが飛び交ったか、それは以下のグラレコをご覧ください!
ちなみに、このグラレコは守屋真一さん作です。イベントが終わったと同時に出来上がっていました。多才すぎます、守屋さん! マジで尊敬です。
この後は、町のカフェ&レストランで懇親会。大いに盛り上がったのち、参加者の何人かと一緒に(最後は松下先生と僕とサシで)宿の露天風呂に浸かりながら振り返り。最高の越境・共創の場でした。
しっかりとデザインされた共創の場は、関係人口の質を高める。
リピーターが増え、さらにリピーターに惹かれた質の高い仲間が新規参加者としてその土地にやってくる。
そのサイクルが、東伊豆町ではワーケーションを軸に回り始めていると僕は実感しました。ワーケーションの奥深さと本質に対する、僕の思索と理解が深まりました。本当に良かった!
今回のイベントのような、テーマを決めた学びや共創の場が、地域にもっとあっても良いのではないかと僕は思いました。
ここまで力を入れたイベントでなくても、たとえば地域のコミュニティスペースやカフェなどで、定期的(または不定期)に読書会イベントが開催されるとか(ある意味、グループ型の読書ワーケーション)。
その本のテーマに興味を持った人(あるいは既に読んでいる人)で、たまたまそこに宿泊している(あるいは近隣の宿に泊まっている)人たちが集まって対話をする。もちろん、地域で興味のある人たちも参加する。
ワーケーションをキメ込んでいない人でも、たまたま近くに居合せた出張者や旅行者がその場で参加し、意気投合すればその後一緒に食事にも行く。
そんな景色が広がったら楽しいし、出張先や旅先が偶然の出会いや共創の場になるのではないでしょうか。
あるいはビジネスホテルのラウンジなどでやってもいい。コミュニティマネージャー的な人がいて、越境学習や共創を仕掛ける宿泊施設があっても、差別化になって良いのではないかと僕は思うのです。
(僕もどうせ泊まるならそういう宿や地域を選びたいです!)
7.組織開発・地域開発とワーケーション
ここから少し、僕たちの専門領域(組織開発)の話。
組織開発(組織をより良くすること)も地域開発(地域をより良くすることも)も、いわば「お互いの違和感を言語化し、解決または発展する」営みです。
「お互い」とはたとえば、組織とメンバー(個)、既存メンバーと新規メンバー、プロパー社員と中途入社の社員、地域の人と移住者や訪問者など。
「違和感」というとネガティブなイメージを持つ人も多いかもしれません。僕はそうは思いません。違和感にはポジティブな発見や気づきも含まれると捉えています。
たとえば相手との対話で新たな見方や考え方を発見する。これらはポジティブな違和感でしょう。 そのような違和感は、いつものメンバーと、いつもと同じ景色を見て、いつもと同じ行動をしているだけでは生まれにくい。越境が良いきっかけになる。そして、ワーケーションとは普段とは景色を変え、普段と違う人と対話(つまり越境)をし、ポジティブな違和感を得るための最高のプロセスの一つなのです。
違和感は変革の源泉。ポジティブな違和感の仕入れを習慣化しよう。
そして、組織開発•人材開発を生業とする人たちこそワーケーションを実践して欲しい!
組織•人材開発に関するテーマの考察が体験を通じて深まりますし、同じテーマに向き合う仲間同士の越境と課題解決、ひいては関係人口増につながる。
今回もプロティアンキャリアの実践者が多く集まり、たいへん有意義な対話ができました!
ワーケーションを、組織開発•人材開発の専門家や実践者のカルチャーにしましょう!
(#ダム際ワーキング もしかり)
8.小さな町、小さな組織の方が新しいカラー/カルチャー創りやすい
もう一つ、僕は今回の東伊豆町でのワーケーション(というより越境と共創)体験を通じて、改めて以下を確信しました。
小さな町のほうが新しいカラー/カルチャーを創りやすい。
大きな都市、および/または既存のカラーやカルチャーの色が強い(※)地域では新しいことを始めにくいと感じています。
※特定の産業が強すぎる、支配的な企業があるとか、歴史や伝統文化が強すぎる、など
僕たちの実体験も一つ。 #ダム際ワーキング は当初、浜松市内(のダムのある地域)で始めようとしました。行政関係者、地域の経営者含めて思いある人たちと一緒に動き回ったのですが、なかなか話が前に進まなかった。
浜松市くらいの大きな規模の都市になると、行政組織もスピーディーかつ柔軟に動ききれない部分もあり、かつ地域の既得権益構造なども災いして抵抗されたりとコトが進まない。
(そもそも市域が大きすぎるが故のやりにくさもある)
そうこうモヤモヤしているうちに、小規模な自治体である川根本町(長島ダム)が手を挙げてくれ、行政・国土交通省などとの共創が進み、日本発の #ダム際ワーキング スポットが2022年4月に誕生。その実績をもって、浜松・佐久間地区(佐久間ダム)で2022年12月の #ダム際ワーキング 越境学習プログラム実施に漕ぎつけました。
いまでは、他県の自治体からも #ダム際ワーキング の相談が来始めています。
川根本町の #ダム際ワーキング の取り組みは以下のニュースサイトの動画(2分6秒以降)をご覧ください。
小さな町、なおかつ既存の色が強すぎない地域のほうが、しがらみも少なく新たなコトを始めやすい。新たなカラー、新たなカルチャーを創りやすい。
そういえばここ数年で移住者や関係人口が増え、新たなカラーやカルチャーが生まれた都市は、北海道の東川町、徳島県神山町、香川県三豊市(の父母ヶ浜)などが挙げられると思いますが、いずれも決して大きな自治体ではなく、なおかつそれまで個性控え目だったと感じています。
僕の主観ですが、東伊豆町もその条件が揃っていたのではないでしょうか。
そして、これは企業組織にも当てはまるでしょう。
本社より、支社や離れ事業所のほうが小さくかつしがらみなくコトを起こしやすかったり。なんていうか「本社毒」が回りにくいというか(苦笑)。
(そういえば僕も大企業勤務時代、わりとそういう環境でやりたいこと始めていたのを思い出しました)
小さな地域や組織で、小さくコトを興す。
あるいは
大きな地域や組織を小さくかみ砕いて、小さくコトを興す。
それがカルチャー変革の王道なのかもしれません。
来週、浜松市の産業部(含 観光•プロモーション課)の責任者とミーティングする予定があるため、今回の東伊豆町での体験に基づいた学びを共有しようと思います。僕たちのホームフィールドもより良くしたいし、浜松の皆さんにも東伊豆を体験してもらいたい。越境!
9.東伊豆町のカラフルさに驚いた
今回、東伊豆町をはじめて訪れて僕は「カラフルだ」と思いました。良い意味で、期待を裏切ってくれた!
従来の地域産業の色もありながら、ワーケーションのような新しい色も受け入れられ着実に進化している。観光客もビジネスパーソン(ワーケーター)も共存している。地域の人も、他地域からの移住者や来訪者も輪に加わって共創が行われる。
いろいろなカラーがあっていい。そうして、新しいカルチャーが生まれる。
それこそが僕はダイバーシティ&インクルージョンの本質であると確信しています。
(ほんとうのダイバーシティ&インクルージョンについて、ここでは語り切れず……講演や顧問します! 『組織変革Lab』でも解説しています)
10.文化度を上げよう。文化度の高い組織・地域に良質な関係人口が生まれる
僕はカラフルであること、イコール、その地域や組織の文化度が高い状態であると考えます。
加えて、ワーケーションのような取り組みも文化度の高い所作である。
そう確信しています。
目先の成果を出す仕事しか評価されず、ワーケーションのような発想や創造や学びを創発する仕事、中長期の関係性構築をする仕事が評価されない。それはあまりに近視眼的で野暮ってもんです。文化度が低い。
(この点、新刊『「推される部署」になろう』のあとがきで図説しているので、是非ご一読を!)
そして、文化度の高い地域や組織に、意欲的な人、イノベーティブな人や面白い人が集まるのです。すなわち、文化度の高さが良質な関係人口を生む。文化度については以下の記事をご覧ください。
仮に日本が先進国であり続けたいならば、国ぐるみで文化レベルをもっと上げていく必要があるでしょう。世界では、ノマドワーカーのようなカラフルな働き方をする人たちへの理解度や受容度が高い国も多く。それは文化度の高さを示します。正直、日本はまだまだモノトーンだと思います。
そんな中、今回僕は東伊豆町に文化度の高さと希望を感じました。
素晴らしい体験を、ほんとうにありがとうございました!
ワーケーションは文化的かつ崇高な取り組みなのです。
文化度あげていきましょう!
あとがき
ところでこのブログ記事も浜松に帰着後、ワーケーションしながら執筆しました(三ヶ日ワーケーションオフィスにて)。
記事の構成や核となるメッセージは、東伊豆町からの帰り道である程度考えてまとまりました。でもって、帰ってからひたすらアウトプット。
(毎度、ワーケーションの帰り道は内省と思索が捗ってアタマが忙しいのです。まめに道の駅やSA/PAに立ち寄ってメモしまくり)
という訳で、ワーケーションの道のりも含めてバッチリ仕事しています。成果出しています。
だからワーケーションは遊びだなんて僕は決して言わないし言わせない。
(「テレワークはサボるからダメ」とか「ワーケーション?成果は?遊びじゃないの?」とか、ほんっっっとレベルの低い議論だし、文化度低いよね)
ワーケーションは良質なアウトプットを生むためのカルチャーでありプロセスなのである。
▼書籍『新時代を生き抜く越境思考』
▼書籍『「推される部署」になろう』
▼書籍『コミュニケーションの問題地図』
▼オンライン越境学習プログラム『組織変革Lab』
▼沢渡あまねマネジメントクラブ