焼津市の漁具倉庫リノベのワーケーション施設(工事中)に期待しかない
MaaSを軸にした地方創生の仕掛け人である森田創さんにお声がけいただき、焼津市(静岡県)に建設中の複合型ワーケーション施設を見学してきました。
1.森田創さんにお声がけいただき焼津へ
森田創さんは、こんな方です(↓)
私と同じく、作家であり地方創生や関係人口増のプロデュースをライフワークにされている方。
東急株式会社で、伊豆などで郊外型MaaSや観光型MaaSを仕掛け、現在は三島市に移住。パラレルキャリアで複数の地域企業や焼津市の産業創生の支援もなさっています。
森田さんは静岡県東部・中部で、私(沢渡)は『浜松ワークスタイルLab』『デジタルワークシフトコンソーシアム浜松(DWSC浜松)』などを軸に県西部で活動。
森田さんも私も県外からの流入者同士、かつワーケーション活性、ワークスタイル変革、組織開発を軸に活動している者同士、意気投合しまくりです。
その焼津市でホットなプロジェクトがこちら(↓)
漁具倉庫をリノベーション(改装)、し、複合型ワーケーション施設を整備する取り組み。
森田さんもプロデュースに関わっていらっしゃいます。
2.快適な焼津市役所
……という訳で、焼津に行ってきました。
浜松からクルマで1時間強。東名高速やバイパスも整備されているため、県内他都市からのアクセスも抜群です。
漁港の近くで美味しいお昼ご飯をいただき(もちろんお魚料理。後で登場します)、焼津市役所へ。
ピカピカの市庁舎。森田さんとは、1階の「海街ホール」で待ち合わせをしました。
ウッドな明るいテーブルと椅子も心地よいです。ちょっとしたミーティングも出来ますね。
30分ほど、森田さんとアイスブレークからの相互理解、そしてディスカッション。
既にSNSやメディア取材記事、ブログ記事、著書などを通じてお互いの人となりは分かっているため、話が早いです。
まもなく、焼津市役所商工課の皆様、静岡新聞・静岡放送の皆様がお越しになり、一緒に漁具倉庫に向かいます。ワクワク。
3.漁具倉庫、こんな感じです
やってきました。改装中の漁具倉庫。
市役所から歩いても10分かからず、焼津駅からも10分程度の好立地。
(私たちは市役所からクルマで向かいましたが)
2022年3月のプレオープンに向けて、工事が進められています。
※注意:関係者以外立入禁止です。市役所担当者立会いの元、許可を得て立ち入りおよび撮影・公開
ワーケーション用のコワーキングスペースのほか、サテライトオフィス、宿泊施設、飲食施設、イベントスペースなども設けられるとのことです。
まさに、複合型テレワークスポット、複合型ワーケーションスポット!
右側の建物は、主に宿泊施設として使われるそうです。
2階の現況はこんな感じです。
2階に上がってみて感じたこと……暖かい!
窓から差し込む陽の光もそうですが、倉庫の頑丈な建屋、地表から離れていることもあってか、真冬なのにポカポカ。この暖かさは大きな魅力ですね。
私も各地でワーケーションしてきましたが、隙間風や底冷えがつらくて仕事に集中できないスポットもたくさんありますから……
漁具倉庫、ワーキングに強し!
そして……
集中ブースがある!
焼津市さん、わかっていらっしゃる!
そうなんです。長時間滞在する場合、雑居なスペースだけだとうまくない。
作業に集中できる小部屋や、オンラインミーティングやオンライン講演できる区画は必須です。
いや、ほんとうにわかっていらっしゃる!
そして目の前は漁港。すぐそこに漁港、すぐそこに海。
疲れたら海を眺めてぼんやり。
煮詰まったら海沿いを散歩しながらリフレッシュ。
海を見ながら複数名でアイディア出しやディスカッション。
水のある景色は、仕事にはもってこいです。
4.あらゆる面で仕事やコラボレーションに最適
焼津市に建設中の漁具倉庫リノベの複合ワーケーション施設。
私はあらゆる面で仕事やコラボレーションに最適だと感じました。
(1)アクセスの良さ
道路アクセスも鉄道アクセスも良い。広い駐車場も完備。
(2)個人ワークにもコラボレーションワークにも集中できる
前述のとおり、
(3)宿泊やリフレッシュ環境もばっちり
宿泊施設も設けられ、既存のビジネスホテルもたくさん。海景色が目の前で、すぐそばに立ち寄り湯もあるとのこと。
(4)昼食難民にならない
いわゆる「飲食店14時の壁(ニジカベ)」がない。ニジカベとは、私がこれまでメディアや講演で繰り返し叫んでいる、出張者・旅行者泣かせの昼食難民トラップ。
ニジカベについては、以下のブログや書籍で解説しています↓
たとえば、アクアス焼津に隣接するまぐろ茶屋は16時まで営業していますし、焼津さかなセンターも17時まで営業しています。
観光地にありがちな、14時前にお店に入らなければゲームオーバーがない。
私の推測ですが、焼津はいわゆる観光地の色は薄く、漁業や水産加工業を中心とした産業中心に成り立ってきた町だからではないでしょうか。
出張者、物流関係者などがお昼を過ぎても行き来していて、ゆえに観光地的な発想になりにくい→お昼時間を過ぎても飲食店が開いている。そんな構造が頭に浮かびました。
いずれにしても、観光以外の産業を中心に成り立ってきた町は、ワーケーションや地域間コラボレーションに適していると私は改めて実感しました。
マグロとカツオ、美味しかったです!
5.焼津は中核都市間連携に絶好の場所では?
今回、焼津を訪問して私が率直に感じたこと。
「対東京だけではなく、むしろ中核都市間連携のポテンシャルが大きい!」
先日(2022年2月3日)、『座組』での南砺市(富山県)市長 田中幹夫さんとの対談でも提言し、大いに共感いただいたメッセージです。
ワーケーションを軸にした地方都市の産業創生、関係人口増と言うと、とかく対東京で考えがちです。
ところが対東京のワーケーションや地方創生はもはやレッドオーシャン、どこもかしこも取り組んでいて差別化が悩ましい。
また、新幹線駅や空港がある土地、軽井沢などいわゆる有名観光地の一人(?)勝ちになりがちです。
一方で、焼津のような新幹線駅はないし、観光地の色は薄いけれども、高速道路やバイパス、在来線駅が充実していて、それでいてインフラ(食事など)が整っている土地は、むしろ中核都市間連携のポテンシャルが大きいと感じました。
関連ブログ記事はこちらです(↓)
・県内の中核都市の行政や企業間連携
・県外の中核都市の行政や企業間連携
そのようなコラボレーションを仕掛けるハブとして、焼津のポテンシャル無限大だと感じました。
もちろん、焼津は新幹線駅から在来線で数駅ですから、対東京や名古屋のアクセスも良いですね。富士山静岡空港もありますし。
(個人的には、利害関係のない都市の行政や企業同士のコラボを仕掛けるとよいのではと思いました。言いにくい話もあるので、講演などご依頼いただければ詳しくお話&ディスカッション&提言します)
以下、参考書籍です。よろしければお読みください、そしてディスカッションしてください(しましょう)!
▼新刊『新時代を生き抜く越境思考』
地方都市の問題地図、ワーケーションを活用した越境学習モデルなどかなり詳しく書いています
▼新刊『どこでも成果を出す技術』
ワーケーションやテレワークで成果を出すための8つのスキルを解説
▼『沢渡あまねマネジメントクラブ』
個人向け:DX推進、業務改善、組織変革、働き方改革、ダイバーシティ推進者 ,etc.向けオンラインサロン
▼企業・行政向け 変革推進者のための越境学習プログラム『組織変革Lab』
▼半径5m以内から描く、組織の新たな勝ちパターン『バリューサイクル・マネジメント』