見出し画像

【エッセイ】同じ首脳会談を500回繰り返す野菜達の世界線

野菜の首脳といえば、ニンジンとピーマンだろう。
ニンジンは、お花でいうチューリップのような、生まれてから初めて認識する野菜だ。首脳に決まっている。
一方ピーマンは、不味いの代名詞。野菜全体に漠然とした不味いというイメージがある訳で、そう考えると不味いの代名詞のピーマンは首脳に違いない。
そんなニンジンとピーマンに、首脳会談をさせるとどうなるか。
野菜は知能指数が人間に比べて圧倒的に低く、IQテストをしても結果はIQ0だ。

どうなる。
そもそも会話や意思疎通が出来ない。
なので、首脳会談をしたとしても、無言で終わる。
ジョン・ケージの無音の音楽のようだ。

実際に首脳会談をしている姿を、想像してみよう。
赤い座布団が敷かれた椅子の上に座っている、ニンジンとピーマン。
ピーマンはしっかりと座っているが、ニンジンは首脳会談というのに寝そべった姿だ。失礼極まりない。
ピーマンはそれに対して何か言うのかと思ったが、何も言わない。何故なら、喋れないからだ。
そして、首脳会談が始まる。

ニンジン「・・・」
ピーマン「・・・」
ニンジン「・・・」
ピーマン「・・・」
ニンジン「・・・」
ピーマン「・・・」
ニンジン「・・・」
ピーマン「・・・」

何も言わない事に痺れを切らし、本日の首脳会談が終わる。
何回試してもこうだ。
500回も試してもこうだ。
野菜達は、同じ事の繰り返しをしてくる。
人間の首脳会談とは、えらい違い、だろう。うん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?