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私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰? 雑感

京都でも11月3日から京都シネマ様で上映される映画だが、ポイントと次回鑑賞時の際に使えるクーポンが欲しくてMOVIX堺まで来た。

MOVIX堺の良さは何と言っても車で来ても駐車代金が取られないということだろうか。場所柄物流センターがひしめき合う中でひっそりとレジャー施設があるのだからはっきり言って建物の外観だけで目立つしわかりやすい。むしろ特定の物流センターを探せのほうが住所入力でもしないと分からない筈だ。

わざわざ堺市までやって来たモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?のあらすじから紹介したい。

(あらすじ)

主演はあのイザベル・ユペール!

と言っても代表作品知らない(汗)
改めて出演作を見たらわたしが鑑賞した作品はなかった、寧ろ知らない作品ばかりm(_ _;)m

オススメがあれば教えて欲しい。

因みに今上映中の映画「私がやりました」では大女優オデット・ショーメット役を演じている。

私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?開場

あまり知られていない映画だからか、いや9日までの上映で終了が決まっている映画だからか、鑑賞客がわたしを含む4人ぐらいしかいない。そのためか、ゆっくりとした環境で鑑賞することが出来た。

内容は、フランス最大の原子力発電会社アレヴァ(現名称オラノ)で実際に起きたスキャンダルがストーリーで、5期に渡りアレヴァの労働者組合の代表を勤めるモーリーン・カーニーがフランス電力公社(EDF)の情報提供者から、EDFとアレヴァが組み中国とのハイリスクな取引を知り事実を確信したカーニーは従業員の雇用を守るために内部告発へと踏み切るのだが、待ち受けていたのは地獄だった。

全体的に撮影

スキャンダルを告発したまでは良いが、結局バレたらマズいことを世間に対し明かそうとしたら企業理念云々よりも自身の立場を護るために動く。

そのために警察も味方にはならないのかとなれば力を持てば持つほど人間は間違った方向に突き進んでも利権に溺れた人達が味方となり、正しいことを訴えたとしても結果何事もなかったように終わる。

カーニーは告発後に自宅で何者かに襲撃されるのだが、問題は襲撃されたのならば犯人が証拠を残すのだがそれが一切残されておらず、拘束するために使ったテープもお腹に刻むためにナイフでAと刻まれた後に膣にナイフの柄が差込まれるのだが、証拠がないからこそ自作自演では?と疑われてしまった末に司法当局に対して無駄な捜査をさせた罪を問われてしまった末に自作自演だったという発言を撤回しても認めて貰えず禁錮5ヶ月の執行猶予付きの罰金5000ユーロの判決を受ける結果になってしまう。

私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?の
パンフレットとWARASHI

ここで怖いと思うのは、明らかに襲われたにも関わらず捜査当局は自作自演だと言い切り、自作自演だと言うならばどうやって目隠しもした状態で自身をテープで拘束出来るのか、それすら証拠も示さず現場には家族以外の第三者の指紋や足跡が残されてないことを理由にカーニーを問い詰める。

ナイフもテープも全て自宅にあったものですよね。

襲撃犯なら犯行を行う前に予め用意したものを使用しますから、自宅にあるナイフやテープを利用するとは考えられません。

嘘をついていませんか。

自宅にいたところを背後から襲われ気が付いたら地下室で椅子に拘束されていたという言い分も襲われた記憶がハッキリと覚えていないことも災いしたのか襲われたという言い分を聞いて貰えないカーニーは厳しい取り調べが続くことに精神的に疲弊してしまった結果、ついに自作自演だと認めてしまう。それが間違いだと後々発言を撤回しても認めて貰えず結果検察側の言い分が勝利してしまう。

被害者から加害者へ。

立場が無くなったカーニーは英語講師として新たなスタートを踏むのだが、そこに再び事件の操作に携わった女性捜査官がやって来ると過去に会社の不正告発をした技術者の妻がカーニーと似たようなケースの被害に遭っていたことを知り、事情を知るべくカーニーが訪れてから事態は変わってゆく。

無罪が勝ち取れるかもしれない。

可能性を信じ、弁護士を変え、新たに隠蔽していた証拠があることも分かって臨んだ裁判でついに無罪を手にすることが出来た。

6年の歳月が立ち、やっと加害者の汚名を晴らすことが出来たが、問題は再捜査が行われず犯人が弛れなのかが未だに分かっていない。つまり、同じようなことがあれば同じことが起こり得る可能性があるということで、結果巨大権力に楯突くことはこういう仕打ちが待っているぞと言わんばかりのもので、まさに正義を殺すのは誰?となると、それはもう巨大利権に対し溺れた人達が正義を捻じ伏せてまで、間違いを追及しようとした人間を弾圧する。

事件が2012年12月17日に発生とも考えたら、男性社会の女性に対する差別が未だあるのか、犯人が捕まらずに悠々と過ごしていることも含め間違ったことが正当化されてしまう世の中であって欲しくない。カーニーが危惧していた雇用者を守るということもアレヴァ社が解体されたことにより失業者が大量に出たが、犯人が誰なのかハッキリしないまま事の顛末の責任を誰も取ろうとしないのは、カーニーが望んでいたことなのだろうか?

スキャンダルを明るみにするのはやむを得ない手段の一つならば、そのために誰かが犠牲を払う形で解決するのならば、都合の悪いことには目を瞑り強い者に巻かれて事なかれ主義に走れば良いということか。何だか、そんな世の中を皮肉りつつも問題視している、そんな映画だとわたしは思った。

社会の在り方について色々なことを考えさせられる良作だと思います。まだ映画を見ていない方には是非チェックして頂きたい作品なので、注目して貰いたい。わたしはまだ見ていないが、イザベル・ユペール出演の「私がやりました」も面白そうな内容なので是非映画館に足を運んでもらいたい。


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