見出し画像

聴くって、なんだろう?〜問いが生まれる場のデザイン講座①〜

こんにちは、インターンのたまちゃんこと笹木です。

今回は、6月14日、28日の二回にわたって三宮のスペースわにで開催された『問いが生まれる場のデザイン講座』のイベントレポートです。

第一回「聴き方」

◼︎聴くって、なんだろう?

「聴くことは、〇〇である。」
この〇〇に、皆さんはどんな言葉を埋めますか?

この初めの投げかけに対して、会場からも様々な意見が飛び出しました。相手を知るということ、寄り添うこと、想像すること…。

会場全体で共有した後、藤本さんが大切だと思っている「聴くとは」の話が始まりました。

①聴くことは「受容(accept)」である。
②聴くことは「ケア(care)」である。

「ただ聴く」ということに徹してみたとき、どんな景色が見えるのでしょうか。実は人は、聴いてもらえた、ということで安心感を感じたり快楽を感じたりする生き物だ、と藤本さんは語ります。逆に、「聴いてもらえなかった」という悲しみが怒りに変わるケースも多いのだそう。「聴く」ということがいかに人間関係の礎を築くのか、ということを感じるトークでした。

◼︎ファシリテーターとは

藤本さんがお仕事としてされている、ファシリテーター。まさに、「聴く」そのものという役割かもしれません。そんな藤本さんが、ファシリテーターとして大切にしていることを語ってくれました。

「場全体」に意識を向けること。
目は、草食動物をイメージ。自分の横・後ろもみている意識を常に抱く。
誰かが100満足していて、その隣の人が5しか満足できていない場になっていないか。それなら、場にいる人全員が70満足できているように働きかけたい。

ずっと自分の話をしている人、周りの人の満足度を下げている人がいた時に、ファシリテーターだからこそ棚上げをする勇気を持つ。
「今、その話やめてもらっていいですか?」より、「お、またあとでゆっくり聞かせてください!」と伝えてみる、などの工夫もできるかもしれない。
僕は、打ち合わせ・会議終了後に話をいじることが多い。「さっきのめっちゃいいですね〜!」とか。

「でも」「とはいえ」「それは違うのでは」と思っている以上に評価している。自分が経験者、先輩、上司ならなおさら、相手を勝手に判断したり、評価したり、否定してしまいがち。そこをいかにフラットにできるか。

自分をより客観視する視点を持っておけるか。振り返りの癖をつけておくこと、「自分の都合」で進めた部分に気がつくことできる。


-----------------------------------------------
ここで、会場では実践形式のワーク。


Aさん:話す人、Bさん:聞く人、Cさん:見る人(動画を撮る人)にわかれて、Aさんは最近ちょっと失敗したことやしんどかったことを話し、Bさんはその人の気持ちを受け入れつつ聞いく。それをCさんは、対話してる人の表情を見ながら観察する、という3人組のワークを行いました。

<参加者の声>
・自分を押し殺しながら、だまって3分聴くのは苦しい。ただ聴くということの難しさを感じました。
・聴く人だったのですが、いきなり事実の確認じゃなく、言いやすいことから事実確認していくことを意識しました。
・聴く側だったのですが、ぎこちなかったと言われました。関係性が築けないと、聴くことって難しい。喋る方もぎこちなさを感じたようです。

-----------------------------------------------

レスポンスがないと話している側は不安になったり悲しくなったりする。自分が思っている1.5倍や2.0倍くらいの反応をしてみてもいいかもしれない。
頷き、視線、表情、体の向き、身振り、声のトーン、大きさ、速さなど。

多くの人が使う言葉であればあるほど、認識と言葉は、大抵の場合ずれている。確認をたくさんすることが大切。

現れているのは、「怒り」であっても、怒りの根本には、悲しみや不安がある。怒りは第一感情ではない場合が多い。
その表現の根底にはなにがあるんだろう?と想像してみる必要がある。

「わかった!」という理解や、「わかるー!」という同感。それは時に、相手を傷つける。そうではなく、「あ、そう感じてるんだね。そうなんだね。」という共感を。「わからないんだけど、寄り添う。」を目指したい。

自分のことを受け止める、相手のことを信頼しているからオープンにしていく。逆に、開いているうちに相手を信頼していける場合もある。

じぶんの感情の機微を掴みながら、徐々に開いていけたら。

◼︎会場からの質問

レクチャー後は、会場からの質問を元に場が展開していきました。noteではその中から二つ、紹介させていただきます。

・相手と感情がぶつかるのがこわいです。聴く中で相手の奥に入っていこうとすることへの恐怖心があります。

「こわい」とか「不安だ」とか、感情を相手に伝えてみるのはどうだろう。関係性を作っていく上で、オープンになってみるのはとても大切。いきなり変わるわけではないが、小さい成功体験からすこしずつ拓けていくのではないか?

・話を聴くと、自分のエネルギーを浪費している感覚がある。どうしたら余裕をつねに持てるのか?どうしたら早く回復するのか?

聴いてて楽しくなくなるときは、受動的に聴かされているときかもしれない。それを続けているとしんどくなってくる。状況上、それが仕方ないこともあると思うが、参加しているひとがみんな能動的に参加している場は楽しいのではないか。「主体的に聴く」という聴き方もある。

最後に、みんなで大きな円になって一言ずつ感想をシェア。「聴くことだけに集中することの難しさを知った」、「感情の機微を丁寧に見つめていきたい」、「まずは早速実践すべき相手がいる。奥さんだ」といった様々な感想が飛び出しました。

みんなで「聴く」ポーズで記念撮影。2時間半、濃密な時間となりました!


<インターン生笹木の感想>
他者と関わる、ということは自分の暴力性と付き合うことでもあるのかもしれない、ということを最近感じています。だからこそ、「聴く」という姿勢を持つことはとても重要だなと思いました。「ただ、ある」に立ち返る時間をお互いの中で紡げるか。これだから人と関わるのはめんどくさくて最高に面白いのかもしれません。藤本さん、ぬんさん、ありがとうございました!



この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?