高岡正和

精神科医。心が豊かになる経験をたくさんしたい。そしてそれがあなたの心にも届きますように。

高岡正和

精神科医。心が豊かになる経験をたくさんしたい。そしてそれがあなたの心にも届きますように。

最近の記事

自己紹介

髙岡正和/いのちの探検ファシリテーター  不器用で自分に自信がなく、なんのために生きているのかもわからず、生きづらさを抱えながら悶々としていた10代〜20代の頃。社会の価値観に流されるまま、大企業やマスコミへの就職を目指し東京に上京するも、目的を見失い挫折。就職も友人関係も恋愛も全てが虚しく思えた。しかし読めるだけたくさんの本を読み、自分の苦手な体験にもチャレンジし、多くの人たちの自分とは違う価値観とも出会い、そして心理療法による自己探求のプロセスを重ねることで、なれないも

    • わたしの考えていること

      ストレスに満ちた現代社会。 私たちはみな「癒し」を必要としています。 でも、そもそも「癒し」の力とは、一体なんなのでしょうか。 私たちには皆、私たちをこの世に生かしてくれている「いのち」が働いています。「いのち」は本来、常に調和的であろうとし、もともとある全体性をとり戻そうとしていると言われます。その「いのち」が本来もっている癒しの力は、自然治癒力と言い換えることができます。 しかし私たちは、これまでの人生で受けてきた心の傷や、病気や事故、日々の生活習慣、さまざま

      • 映画レビュー『KOTOKO』(2011)

        ストーリー 「鉄男」「六月の蛇」の塚本晋也監督がシンガーソングライターのCoccoを主演に迎え、苦しみもがきながらも愛する息子を育て、懸命に生きるひとりの女性の姿を描き出したドラマ。ひとりで幼い息子の大二郎を育てる琴子は、世界が“ふたつ”に見える現象に悩まされ、歌っているときだけ世界が“ひとつ”になる。神経が過敏になり強迫観念にかられた琴子は、大二郎に近づくものを殴り、蹴り倒して必死に息子を守っていたが、幼児虐待を疑われて大二郎と引き離されてしまう。そんなある日、琴子の歌に

        • 映画 『コーヒーが冷めないうちに』 (2018) レビュー

          時計の針が止まっている、あなたへ。 (東宝MOVIEチャンネル You Tubeより) 「本屋大賞2017」にノミネートされた川口俊和の同名ベストセラー小説を、有村架純の主演で映画化。時田数が働く喫茶店「フニクリフニクラ」には、ある席に座ると望み通りの時間に戻れるという不思議な噂があった。過去に戻るには面倒なルールがいくつもあったが、その全てを守った時、優しい奇跡が舞い降りるのだという。今日も店には、噂を聞きつけてやって来たキャリアウーマンの清川二美子や、訳あり常連客の高

        自己紹介

          映画 『禁じられた歌声』 (2015公開)レビュー

          西アフリカ、マリ共和国の古都ティンブクトゥを舞台に、イスラム過激派の弾圧に立ち向かう家族の戦いを描き、フランスのセザール賞で最優秀作品賞を含む7部門を獲得したドラマ。第87回アカデミー賞ではモーリタニアから初となる外国語映画賞ノミネートを果たした。ティンブクトゥ近郊の街で暮らす音楽好きの男性キダーンは、妻サティマや娘トーヤ、12歳の羊飼いイッサンと共に幸せな毎日を送っていた。ところがある日、イスラム過激派が街を占拠し、住人たちは音楽もタバコもサッカーも禁じられてしまう。住人の

          映画 『禁じられた歌声』 (2015公開)レビュー

          映画 『インサイド・ヘッド』 (2015) レビュー

          ママとパパに見守られて、ミネソタで元気いっぱいに育った11才の少女ライリー。そして、いつも彼女の頭の中にいる“5つの感情たち”―ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、カナシミ。 ところが、遠い街への引っ越しで、不安とドキドキがいっぱいになったライリーの心の中ので、ヨロコビとカナシミは迷子になってしまいます。 ライリーは、このまま永遠にヨロコビやカナシミの気持ちを見失ってしまうのでしょうか? 観終わった時、あなたはきっと、自分をもっと好きになっている―。 驚きに満ちた、誰も見た

          映画 『インサイド・ヘッド』 (2015) レビュー

          映画 『ツナグ』(2012公開)レビュー

          直木賞作家・辻村深月による同名小説を映画化したヒューマンドラマ。大切な人を亡くした者と死者を一度だけ再会させる仲介人「ツナグ」という職業を通じて、他人の人生に深くかかわっていく青年の葛藤と成長を描く。一見するとごく普通の男子高校生・歩美は、祖母アイ子からツナグを引き継ぐ見習いとして、死者との再会を望むさまざまな人と出会っていく。しかし、死者との再会が救いになるのか、人生は変わるのか、次第に自身の行為に疑問を抱くようになる。映画「麒麟の翼」、NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」

          映画 『ツナグ』(2012公開)レビュー

          映画 『硫黄島からの手紙』(2006) レビュー

          ★★★★★★★☆☆☆ 生きる  <あらすじ> 2006年、硫黄島。地中から発見された数百通もの手紙。それは、61年前にこの島で戦った男たちが家族に宛てて書き残したものだった。届くことのなかった手紙に、彼らは何を託したのか。  戦況が悪化の一途をたどる1944年6月、日本軍の最重要拠点である硫黄島に新たな指揮官、栗林忠道中将が降り立った。 硫黄の臭気が立ち込め、食べ物も飲み水も満足にない過酷な灼熱の島で掘り進められる地下要塞。このトンネルこそが、圧倒的なアメリカの兵力を

          映画 『硫黄島からの手紙』(2006) レビュー

          映画 『父親たちの星条旗』 レビュー

          ★★★★★★★☆☆☆ アカデミー賞受賞監督クリント・イーストウッド最新作。製作にスティーブン・スピルバーグが名を連ねる。硫黄島2部作とは、第二次世界大戦の大きな転機となった悲劇的な硫黄島の戦いを、日米双方の視点から描く前例のない2部作。アメリカ側の方面から戦争というものを捉え、一貫し、戦争の虚しさを伝えている。善と悪の区別なく、戦争をリアルに、そして物悲しく描いた秀逸の作品。(ワーナー・ブラザーズ公式HPより) ______________________________

          映画 『父親たちの星条旗』 レビュー

          映画 『インセプション』 (2010公開) レビュー

          ★★★★★★★★☆☆ 物語性,作品性 (映画.comより) 鬼才クリストファー・ノーラン監督、レオナルド・ディカプリオ&渡辺謙共演のSFアクション大作! “★★★★めくるめく迷宮。息を呑むような離れ業” 鬼才クリストファー・ノーランが国際色豊かなキャストを率いて、世界各地、さらに夢の中へと観る者を誘うSFアクション大作。ドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)は人の心が無防備な状態、つまり夢を見ている間に潜在意識から貴重な秘密を盗み出すスペシャリスト。その特異な才能は

          映画 『インセプション』 (2010公開) レビュー

          映画 『閉鎖病棟』 (2019年11月公開)  レビュー★★★★

          https://www.heisabyoto.com/ 「中」にいながら「外」にいる医療者には、決して見えていない世界が、ここには描かれている。僕らには「病気」以外の部分は何にも見えていないし、きっとこの映画に出てくる医者が実際にいたとしても、この映画をみても、まさか自分の患者さんのお話だなんて気づくこともないのかもしれない。 一人ひとりの人生を丁寧に描こうと思ったら、2時間の映画では到底収まりきらない。それまでどう生きてきたのか、病気を発症したことにどんな意味があるのか

          映画 『閉鎖病棟』 (2019年11月公開)  レビュー★★★★

          『きみの瞳が問いかけている』 映画レビュー

          <ストーリー> 視力を失くした女と、夢を失った男の、運命に翻弄される2人の、痛いほどの純愛−–−–。 目は不自由だが明るく愛くるしい明香里(吉高由里子)と、罪を犯しキックボクサーとしての未来を絶たれた塁(横浜流星)。小さな勘違いから出会った2人は惹かれあい、ささやかながらも掛け替えのない幸せを手にした──かに見えた。 ある日、明香里は、誰にも言わずにいた秘密を塁に明かす。彼女は自らが運転していた車の事故で両親を亡くし、自身も視力を失っていたのだ。以来、ずっと自分を責めてき

          『きみの瞳が問いかけている』 映画レビュー