映画 『インサイド・ヘッド』 (2015) レビュー


ママとパパに見守られて、ミネソタで元気いっぱいに育った11才の少女ライリー。そして、いつも彼女の頭の中にいる“5つの感情たち”―ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、カナシミ。
ところが、遠い街への引っ越しで、不安とドキドキがいっぱいになったライリーの心の中ので、ヨロコビとカナシミは迷子になってしまいます。
ライリーは、このまま永遠にヨロコビやカナシミの気持ちを見失ってしまうのでしょうか?

観終わった時、あなたはきっと、自分をもっと好きになっている―。
驚きに満ちた、誰も見たことのない“頭の中の世界”で繰り広げられる、ディズニー&ピクサーの感動の冒険ファンタジー!

(ディズニー/ピクサー映画「インサイド・ヘッド」の公式サイトより)





★★★★★★★★★☆ 感情、作品、成長

いつも笑っていたいのに、どうして悲しみがこみ上げてくるんだろうーーー

人は感情で動く生き物である。
逆に言えば、感情がなければ動けない。
誰の中にも、リーダーとなる感情がいる。
誰がリーダーでもいい。それは個性だから。
そしてその脳内のチームのバランスこそが
その人をその人たらしてめている本質と言える。
人間は、たくさんの感情同士がチームで協力しあって、
その時その場所での最善の感情を選択しようとするのだと思う。
最善の感情を目の前の人と共有しあえた時、
それは重要な想い出となるし、
必要な感情を選び損なった時、
記憶のゴミとなるか、
不適応を起こし、病気にさえなってしまうのかもしれない。

感情を伴う重要な意味のある想い出は、
特別な思い出として収納される。
そして、それが性格という島を形作る。
おふざけの島、どんな思い出が必要なんだろう。作りたい。

日本語吹き替えの声優がすごく良くて、
誰だったんだろうと思ってエンドロールを見ていたら、
その声優を知って心がいたむ。
ヨロコビが、間違えて記憶のごみ箱に迷い込んでしまったんだろうか。
もっとも恐ろしいことは、悲しみでも怒りでも恐れでも嫌悪感でもない。
感情をなくしてしまうことなのかもしれない。

色とりどりの感情の玉をいっぱい作って、眠りにつきたい。
そしたら、どんな夢が見れるかな。

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