映画 『父親たちの星条旗』 レビュー

★★★★★★★☆☆☆

アカデミー賞受賞監督クリント・イーストウッド最新作。製作にスティーブン・スピルバーグが名を連ねる。硫黄島2部作とは、第二次世界大戦の大きな転機となった悲劇的な硫黄島の戦いを、日米双方の視点から描く前例のない2部作。アメリカ側の方面から戦争というものを捉え、一貫し、戦争の虚しさを伝えている。善と悪の区別なく、戦争をリアルに、そして物悲しく描いた秀逸の作品。(ワーナー・ブラザーズ公式HPより)

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もし自分が、星条旗を立てていたとしたら。
英雄に仕立て上げられたとしたら。
何も語らずに死んでいく方がいい。
そう思うかもしれない。
アルコールで全てを忘れ去ろうとするかもしれない。
でも、それは死ぬまで忘れることはない。

「英雄」に仕立て上げられた者が背負わざるをえないもの。
恐怖、悲しみ、怒り、惨めさ、失望、罪悪感。
英雄はずっと「何か」から
逃げて生きていかなければならない。
英雄に武勇伝を語らせようとするのは、
とても残虐なことなんだろう。

それでも死ぬ前に、
あの日のあの笑顔のことを思い出し語れたのなら、
生き延びてよかった、報われたような気持ちになった。
本当に、お疲れ様と言いたい。

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