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三題噺

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三題噺を綴ってゆきます。不定期で。
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謎の光の正体は。

謎の光の正体は。

父・縁側・光

「眩しい!」
私は叫んだ。

せっかくの土曜日だというのに、部屋に入り込んだ無慈悲な光によって起こされた。

おかしい、この部屋には窓が無い。日差しなど入るはずがないのだ。

だが、次の日も謎の光は私の眠りを妨げた。優雅な休日を守るためにも、なんとかしなくてはならない。私は調査に乗り出した。
 
調査の結果、光が差すのは休日の6:00〜6:05分の5分間だけであるこ

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ゴロゴロ?

ゴロゴロ?

雷雨 怪物 コーヒー

「ゴロゴロッ!」
どこかで雷が鳴る音がしている。確か今日は雨の予報だったが、雷雨だとは。

「吉岡さん、今日はもう閉めようと思うから前にある看板片しちゃって。」

私はアルバイトの学生に声をかけた。この雨ではお客さんも少ないだろう。彼女には申し訳ないが、閉めたほうが店のためというものだ。

彼女は、了解しましたと元気な返事をして、軒先にある「野崎コーヒー店」

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パチン!と鳴らすは……

パチン!と鳴らすは……

猿 魔法使い 市場

私がはじめて魔法を見たのは街の初等科学校に通いはじめたころ、母に連れられて行った市場でだった。市場には色とりどりの野菜や果物が売られており、中央にある広場では旅芸人がさまざまな芸を披露していた。

私はそのなかで一際目立つ格好をした魔法使いを見つけ、母を引っ張り、連れて行った。

魔法使いは私を近く呼び寄せると、檻に入った猿を指差し、

「いまからこの猿に魔法

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月徨 −前編–

月徨 −前編–

三日月・戦・ガラス戸

真っ暗な空に月の光に照らされた機体が浮かんでいる。

「フレッド、前回の着陸地点から何時間飛んでる?」

「2日と8時間です。」
フレッドと呼ばれた青年は眠気を悟られないよう気丈に振る舞って答えた。
「ちなみに、作戦開始までは、あと10時間ありますよ。」

私は計器を確認し、安定した飛行を保てるよう自動操縦に切り替えた。今日は三日月だが、ルナパネルは順調に月光を集めてい

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月徨 -後編-

月徨 -後編-

三日月、戦、ガラス戸

ーー14年前、東西戦争が勃発する直前、私は西側の人間だった。軍の訓練兵だった私は、特別任務として東側への諜報活動を命じられた。
 両親が東生まれだった私は適任で、戦争孤児のふりをすれば誰にも疑われることなく潜入することができた。
 東軍の訓練施設を主席で卒業した私は、一級戦闘員となり、祖国へ情報を流し続けたが、戦況は悪化するばかり、次第に向こうからの連絡が途絶えるようにな

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