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851不足を感じるより、充足を感じる

こんにちは!
(一社)全日本ミニマリスト協会です。

【不足を感じるより、充足を感じる】

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「貧すれば鈍する」
という言葉があるように、貧乏になると頭の働きが鈍くなったり品性がいやしくなったりするのは、人の本質です。

今回の記事は少し辛辣ですが、人の人生の一幕を表現するには必要なことですので、コラムにしようと思います。

「貧乏」と聞くとついついお金のことばかり考えてしまいますが、お金のあるなしに関わらず、心が満たされていればお金はそこまで関係ないのかもしれません。

実際、どれだけの大金を持っていても独りでいる人はお金を使うことで得られる一瞬の心の豊かさはあるかもしれませんが、果たして死ぬときにどう感じるでしょうか。

逆に、お金は全然ないけれど、周りにいる人たちは信じれる人ばかりで、もし本当に困ったときには頼れる人がいるとすれば、前者と比べたらどちらが幸福でしょうか。
死ぬときに人が集まるのは、どちらでしょうか。

昔から『人の本当の価値は、死ぬときに現れる』と言われますが、本人の希望に関わず、人が死んだときにどれだけの人がお葬式に集まるのかでその人の人望が伺えるというもの。
少し冷たいようですが、これもまた真実です。

その人の立ち振る舞い、生き様、人となりがその人の死んだときに出てくるものです。

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さて、話しは戻しまして「貧すれば鈍する」という言葉の裏にあるのは、
『無い物に目を向けるより、今ある物に目を向けよう』というメッセージだと僕は受け取っています。

目を向けるというより、心を向ける。

これだけ物に溢れた現代において、そしてSNSが発達し世界中の誰とでも繋がる現代は、物を入手することのハードルは下がっています。
そして、なぜか大人になった今でも持っている物でその人を計る性質がどこかに見え隠れします。

その温床が、SNS。
これが良い悪いの二元論ではなくて、このテクノロジーは使いようである認識は持っています。

・自分はこんなのを持っている
・こんな時間の使い方をしている
・世界にはこんな場所がある

持ってない、経験できていない、そこにない、見たことない。
SNSの世界はまさに《無い無い尽くし》になっており、そこには人の欲望の坩堝の如く渦巻いている欲望があります。

そんなことばかりしていると、人と比べることが当たり前になるし、自分には無いものばかりだと深層心理には訴えかけているし、そんなちっぽけな自分ではダメだと自己肯定感を下げているし、人生レベルで考えた時に1ミリも前進しているとは思えない。

というのはわかっているのに、ついつい見てしまう世界観というのがSNSですね。
何もSNSだけでなく付き合っている友達や人間関係でも、もしかしたら比べている部分もあるのかもしれません。

《自分には無い》と思うその感情は、人と比べるからに他なりません。
この世が独りならば、あるもないも比べるも比べないも、そこには自分しかいないのだから比べようがないし、自分がすべての中心になるはず。

比べるからこそ、自分の立ち位置が見えてくるのです。

でも、なぜ比べるのでしょうか?
比べることに意味はあるのでしょうか?

そんなことを考える機会は、実はあまりないものです。

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そして、自分が貧乏だと考えてしまうその思考の根底にあるのは、
『無い物ばかりに目を向けている』からです。

あれも無い、これも無い、それも無い、
あれも欲しい、これも欲しい、それも欲しい、

そんな欲望まみれの生き方では、充足した日々は過ごせないでしょう。
それはまるで自分に毎日「自分はバカだ」と言い続けているようなもので、自分の言葉を一番聞いているのは自分。
毎日卑下していたら自信がなくなるのも無理はありません。

ほぼ誰でもなんでも同じような物が簡単に手に入る現代、だからこそ【今ある物】に目を向けるべきなのです。

生きるための物は全部持っている。
少々物が無くなっても、困るだけで死にはしない。
手に入れなくても他で代用できる。
別に無きゃ無いでどうでにもできる。
自分が持たなくても誰かが貸してくれる。

ほら、こうやって考えたらもう全部揃ってる。
なんでもあるし、なんなら明日も動ける健康な身体がある。
考えることができる頭がある。

無い無いより、あるあると考えたほうが心が豊かになる。

これは自戒も込めていますが、
幼い子どもが言うことを聞かないことがあるでしょう。
元気でいてくれるだけで十分。

何ひとつ高級バッグを持っていない。
バッグなんか無くても買い物袋でよろしい。
他人にどう思われるかを気にするから見てくれが気になるだけ。

車がボロボロでいつ止まるかわからない。
ボロボロでも今走っているならいいじゃない。

考え方や捉え方ひとつで、今のこの瞬間から豊かになれるのです。

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とは言え、いつでもどこでもなんでもポジティブでいなさいという話しではなくて、無いものにばかり目がいくならば、今ある物に気付いたほうが自分の心には良い影響があるということ。

落ち込んでるときに明るいことを考えろなんて、そんな無責任なことは言えません。

ミニマリズムを学ぶことは、無いものを探すその視点を手放すことなのです。
今ある物に心を向ける。
今ある物を大切に扱う。
手放しをした先に残るは大切なもの。
すなわち『そこにある』と認識できるもの。

そこに目を向ければ、実はどんな物でも手に入ってることに気が付くし、今以上に新しい何かを求める必要がないことに気付ける。

もう何もかも持っているのです。
ただまだ無いとするならば、『ある物に目を向ける心』かもしれません。

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