見えている範囲≠全世界

　学生と話をしていると、こんな言葉を聞くことがある。「自分の周りには行動する人がいなくて」「安定志向の人が周りに多いんです」「だから一緒に頑張る人がいなくてモチベーションが上がらないんです」と。

　そうかそうか。あなたの周りには積極的に行動するような人は少ないんだね。最初の2つは事実だからなんとも思わない。しかし、最後のモチベーション問題は違和感が残る。

　だって、他の人が頑張らないから自分も頑張らないのはイコールが成り立たないから。SNSが発達した現代において、同世代で活躍している人とは簡単に繋がれる。本気で何か行動を起こしたいなら、SNSからDMを送ればいい。起業している人と会いたいなら、HPからメールすればいい。行動できない理由を周りのせいにするのはナンセンス。

　ここまで強めに言うのも、過去の自分が同じような思いを持っていたから。大学は地方で、積極的に行動している人なんて周りにほとんどいない。でも、何か行動を起こしたい。「周りのやつらはだめだな」と意識だけ高く、自分がやるのは情報収集だけ。そんな学生だった。

　ある時、先輩からイベントに誘ってもらい、社会人と話すことに。その方はいきいきと働いていて、「おれは大学生より人生を楽しんでいる」と自信満々に言い切った。意識だけ高い僕は衝撃を受け、当日中に「色々教えてください」と弟子入りを志願。そこから僕の人生は大きく変わっていった。

　今まで同世代としか会ったことがなかったけど、たくさんの大人と出会うようになった。僕の人生観をひっくり返すような人とも出会った。「周りはみんな意識が低いな」と思い続けていたら出会うことはなかっただろう。

　あの頃の僕は、自分が見えている世界こそが全てだと思っていた。しかし、自分から動き始めた途端、見えてきたのは自分が今まで体験したことのない世界の連続。衝撃的だった。本当に一歩踏み出して良かったなと思う。

　今すぐ行動しろ！と言いたいわけではない。自分が見えている世界はかなり狭い世界なんだよ、と伝えたい。「周りが〜、友達が〜」とか言っている人は、世界を全然知らないだけ。色々な価値観の人に触れると、周りのことなんて気にならないくらい自分のことに必死になれる。

　この世の中には僕が知らない世界がもっとあるだろう。まだ知らない世界があると思うと、ワクワクする。これから先の長い人生において、色々な価値観に触れ、その都度自分の価値観をアップデートしていきたい。これからも楽しみだ。

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言葉は文脈とセット。「真面目だね」と言われても、文脈が変われば意味も変わる。飲み会ではバカにする感じ。仕事では、仕事が丁寧という意味合い。どんな言葉を、どのタイミングで使うのか。どうせ使うなら、相手が喜ぶ使い方をしたい。相手の文脈を考えられるのがステキな人。

— おばた わたる (@w_t_r_o_b_t) October 29, 2021