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#エッセイ

きみ

年下の男の子と話していると、気づいたら「きみ」と呼んでいて、いままで誰かをそんな風に呼んだことなんてなかったのに、そういえばアイデンアンドティティで麻生久美子が峯田を呼ぶ「きみ」がかわいいなあと思ったのは高校生のときで、その時は友人とその恋人と一緒に観に行って非常に気まずい思いをしたのだけれど、それはともかく、わたしもそんな年になったのねと、なんだかしみじみしたのでした。まる。
#エッセイ #コ

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粘着質

わたしは本来粘っこい性質で、でも生きる過程においてそれは人に押しつけてはいけないと学んでもいて、なので一生懸命軽やかさを意識してはいるのだけれど、そうすると自分の中にどうしても救われない部分が出てきてしまって、恋愛をすると、そこがひょっこり顔をだして、それで失敗するのである。したのである。また。しくしく。
#コラム #エッセイ #暮らし #小説

さようなら春

窓から入る風がさっぱりしてきている。
若葉イエー初夏サイコー。
ああ、本当に春は嫌だった。
でもこんなにも初夏が気持ちが良いのは、
春があんなにも鬱陶しかったおかげかもしれない。
そう思うと、あんなに悪口ばっかり言ってゴメンね、春、
という気持ちにもなってくるような、
こないような。
とにかく初夏サイコー。
#コラム #エッセイ #暮らし

ランちゃんでしょ?



キャンディーズが可愛すぎて、当時の男の子たちがどうやって生き長らえたのか皆目見当がつかない。
私だったらそれこそ四六時中頭がキャンディーズでいっぱいで、部屋はポスターで敷き詰め、定期入れにはプロマイドを忍ばせ、授業中にファンレターをしたため、休みの日はコンサートに足繁く通い、そして解散のあかつきには人生も解散していたに違いない。

ああ、可愛い、キャンディーズ。

昔の恋人に、二度と会いた

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カレー

玉ねぎがどうやら古いようだ。
(本当ははじめから気づいていたけど見て見ぬふりをし、飴色になった時点で決定的になった。)
まあいっか。
(飴色にまできたら、もはやどうしようもない。それを分かっていて、飴色にした。)
カレーだし。
(カレーは今日も、私を救ってくれる。)
#エッセイ #コラム #暮らし #カレー

だから春が嫌いだ

正確に言うと、東京の春が嫌いだ。

何年かヨーロッパの真ん中辺りで暮らしていた事がある。
その頃は春が待ち遠しいというのは、身を以て感じていた。
というのもその地域の冬は、とにかく寒い暗い寒い暗い暗い暗い寒い。
延々と空が暗いと、どうしても心も暗くなる。
お日さまが恋しい。春が待ち遠しい。
春に向けて断食したり仮装したり、命の芽吹きに感謝しちゃうのもよくわかる。
いざ春の気配がチラリとでもすれば、

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「静子の日常」井上新野著 を読んで

人生にも映画のように音楽が流れればいいのにと思う事がある。そうしたら救われるのに。

井上さんの作品はそういう意味で、音楽のない文章だ。頑張っても報われないし、期待通りにはならないし。困っていても誰も助けてなんてくれない。すれ違った気持ちは伝わらないまま。怒っても喧嘩になることもなく、なんとなく過ぎていく。悲しみや憎しみはドラマチックなものなんかじゃなくて、もっと日常的なものなのだ。

井上さんは

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