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僕たちは「未完成のサグラダファミリア」を失う

1882年、サグラダファミリアの建設が始まりました。

そして、144年の時を経て、

2026年、サグラダファミリアは完成すると言われています。


みなさんはサグラダファミリアの完成を
楽しみにしているでしょうか?


僕はとても複雑な想いを抱いています。


今日は、
「僕たちは未完成のサグラダファミリアを失う」という話をします。


サグラダファミリアの本当の価値


僕はこの建築に魅せられて建築の道を志しました。

100年以上という、人間の一生を超える時間をかけて、つくっている、
その壮大さに圧倒された日のことを今でも覚えています。


はじめて訪れた時の

目の前に聳え立つその煌々とした姿と、

言葉を失うほど美しい空間、

そして、今なお建設途中というその光景が、

鮮明に脳裏に焼き付いています。

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それほどまでに僕に影響を与えた建築が残り数年で完成するんです。
待ちわびていないわけありません。

わけありません、

なのですが、

あえて言わせてください。

願わくば、完成せずに、つくり続けていてほしい。


僕がサグラダファミリアに魅せられたのは、まさに

「人間たちが長い長い時を超えて、つくり続けている」という
人間の営為そのものの壮大さと尊さなんです。


「未完成」であるがゆえの輝きなんです。


ですが、完成したその瞬間、
「未完成のサグラダファミリア」は永遠に失われてしまいます。


現在進行形の物語から過去形の物語になってしまうのは
やっぱりなんだか寂しいです。


サグラダファミリアで何十年も石工職人として働いている外尾悦郎さんも著書でこんなことを書いていました。

いつか、神が与えてくれたかのように、人間がつくり得る最高のものとしてのサグラダ・ファミリアが、人々の目の前に現れる。それを夢見てつくり続けていくという人間の営み自体に、サグラダ・ファミリアの本当の価値があるのではないでしょうか。



サグラダファミリアはまもなく完成します。

本当に素晴らしい、そして切ないその終わりの瞬間を、
僕はどんな気持ちで迎えるのでしょうか。

そして、

「未完成のサグラダファミリア」を失った先に、

僕たちにどんな新しい物語が待っているのでしょうか。


できることなら次の物語は、自分の手で描いていきたい。

そんな大それたことを想う、今日この頃です。

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